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神託の転移者  作者: 百矢 一彦
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魔力0の少年

投稿の仕方が理解できず、最初にかなりの長文になってしまいましたが、これからは、細かく豆に更新しようと思います。


 ユーゴはその日、駆け出しの探索者チームのポーター兼案内役を請け負って、いつもより早くダンジョンから切り上げた。

その帰り道、とある雑貨屋の前で、主人に怒鳴られてる少年を見かけた、

「まったく、お前のような役立たずは見た事が無い、簡単な魔法で出来る仕事をさせているのに、それすら出来ないなんて、もういい、今日限りで首だ」

そう言われ肩を落として歩く少年に、ちょっと違和感を覚えたユーゴは、少年を検索で視てみた。


名前 カーク

職業 無職

健康 栄養不良

強さ  8

魔力  0


魔力0だって?、この世界に来て初めて見たな。


 この世界の人間(獣人も含む)は、強い弱いの差があれど、ほとんどの者は魔力を持っている、少しでも魔力を持っていれば、それを使っては魔素を取り入れ生成するを繰りかえすうち、魔力が強くなり、努力次第でかなり強くする事も可能だ、だが0では、それすらも出来ない。

しかも、この世界は魔力がある事を前提とした道具がほとんどだ、火を使うにしても、水を使うにしても、魔法を直接使うか、魔道具に魔力を流して使う、それなのに魔力を持っていないこの少年のこれまでの苦労はいかほどの物だったか。

 しかし、同情は出来ても助ける事は出来そうもないか、と、その場を立ち去ろうとしたユーゴは、あっ、と、ある事を思いついた。

「少年、君に出来る仕事に心当たりがあるんだが、興味があれば付いて来ないか?」

そうユーゴが話しかけると、少年は不審そうにユーゴを見やる、

あ、ちょっと怪しい勧誘の人みたいだったな、とユーゴが頭を掻くと、

「俺、魔力がないんです、だから」と悲しげに少年が口にした。

「魔力が無い方が都合がいい仕事さ」とユーゴが言うと、少年は怪訝な顔をしながらも興味を示した。


ユーゴは少年を連れて、すっかり顔なじみになったジャスティスの武器屋を訪れた、

主人はユーゴの顔を見ると、

「よお、又、新しい武器でも思い付いたか?」と期待に満ちた顔で聞いてきた、

「いや、今日はそういう要件ではなく、ちょっと相談したい事がありまして」と窺うような顔で言った、

訝しがる主人に

「親父さん、以前、火炎の魔石を扱う時、魔力遮断の分厚い手袋をしてましたよね、管理するにも、細工するにも大変でしょう?」

「まあな、火炎の魔石の場合、石に合わせて器を作るのが常識になってる、細工なんてできやしねえよ」

「もし、手袋をしなくても火炎の魔石を扱える人がいたらどうです?」

「あーん、そんな奴はいねえよ、あの石は敏感なんだ、保管するにも特別な箱に入れてるくらいだからな」

「それがですね、この少年、魔力がまったく無いんですよ、細工の技術仕込んでみませんか?」

「まさか、本当にそんな奴がいるのか?・・もし本当なら考えないでも無いな、まずは確かめさせろ」

主人は、そう言って、こいつかと少年を呼び寄せ、手を出させ虫メガネのような魔道具でのぞき込む、

「ほんとうだ」と言って、自分の手と見比べている。

おいちょっと持ってみろと、火炎の魔石を持たせ、また覗く、こっちの雷の魔石も持ってみろ、とまた覗く。

ようやく納得したのか、

「よし、一ヶ月様子を見てやる、使えるようならその後も使ってやる」と主人がそう言うと、

「ありがとうございます、よろしくお願いします。僕、カークっていいます」と少年が笑顔を浮かべた。

ユーゴも礼を言うと、「なあに、ちょうど人手が欲しかったところだ」と主人が片目をつぶり、

少年に、何回も礼を言われ、武器屋を後にする。


 気分良くユーゴがくれない屋に帰ると、遅かったなと久しぶりにみるドイルが待っていた。





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