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神託の転移者  作者: 百矢 一彦
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龍人の娘

新キャラ登場です。

ユーゴは、ギルドの掲示板を見ていた。

バース達との探索の後、何組かのお得意さんもできて、すでに看板を立てて雇い主を探す必要は無くなっていた、一部では「蝙蝠使い」の異名で知られる存在になっていた。

 そんなユーゴに、全く知らない名前から、名指しで仕事の依頼の伝言が張ってあった。

一度会って、話だけでも聞いて欲しいとある、ユーゴは、綺麗な字で叮嚀に書かれたその伝言が気になった。


 とりあえず、会って話を聞いてみようと、指定の時刻に、指定された場所ダンジョンウォールの入り口に行ってみると、そこに立っていたのは思わず二度見してしまう程の美少女だった。

奇麗な銀髪を後ろで束ねたその顔は、凛として、まるで作り物のようだ。その手足は長く頭は小さく、日本人体系のユーゴには近寄りがたい雰囲気があった。

 そのまま帰ってしまいたい衝動にかられていると、美少女がユーゴを見つけ、

「ユーゴ・タチバナ殿で間違いないでしょうか?」と聞いてきた「ひゃ・・・ン、ン、はい」ちょっと声がひっくり返がかった。


「私は、龍の山脈、白龍の谷の守人シン・ラ・カンドの娘、ユイナ・ラ・カンドと言います」

龍の山脈?白龍の谷?、龍人という人種かな、

「ユーゴです、ポーターの仕事を請け負っています」と言うと、ほんの少し微笑んで

「よかった、侍の里の血を引いてるらしいとお聞きしてたので、すぐ判りました」と言って来た。

白龍の谷には、侍の里の者が時々修行にくるとかで、日本人体系は初見では無かったらしい、

ちょっとホッとしたユーゴだった。


 話を聞いてみると、親と折り合いの悪かったすぐ上の兄が、谷から出て行き、このインターキの街でダンジョンの探索をして暮らしていたらしく、その兄から毎月届いていた手紙がここ数カ月届かなくなり、心配して様子を見にきたのだそうだ。

ところが、ギルドで所在を訪ねた所、数カ月前にダンジョンに潜ったまま生存者一名を残してチームごと帰って来ず、行方不明の扱いになってると言われたらしい。

生存者の話によると、一二階層で未知の魔獣と遭遇してチームは散り散りになり、命からがら逃げ帰ったという事だった。


「兄は短慮の所もありますが腕は確か、そう簡単に不覚をとるとは思えないのです。が、もう数カ月経っているとの事、もしもの事があったとしても、せめて遺品は持ち帰りたい、なにより自分の目で安否を確かめたいのです」

切実な表情でユーゴに訴えて来る、これは断りずらいなあ、

「ユーゴ殿は蝙蝠を使役して探索するのが得意とお聞きした、どうかご協力いただけないだろうか」

何回か単独で潜っては見たものの、ダンジョンの想像以上の広さに成果は上げられなかったという事だった。

ユーゴは、バース達と十階層までしか潜った事が無かった、十階層までのマッピングは完璧に出来ているが、その先は全くの未知だった。

「しかし、お兄さん達が帰れなくなるほどの魔物がいるとなるとかなり危険ですよ、もう少し人数を掛けないと無理じゃないかな」と言うと、

「確かにその通りなのですが、その、大勢の人を雇う程の持ち合わせは無いのです、魔石目的ではありませんし」とちょっと困った顔をする。キャワイイ、萌えるとはこの事なのか?

「私は自分で言うのはおこがましいのですが、腕には自信があります、兄にも劣りません、ユーゴさんの事はこの身に変えてもお守りします、もし、危険な相手に遭遇したときは、私を囮に逃げて下さって結構です、どうかお願いします」と、ユイナが頭を下げると綺麗な髪が背中から垂れた。


 ふーん、ここまで言われちゃあなあ、バースに協力を求めようと思ったが、そういう訳にも行かなさそうだし、あいつら、意外と金にシビアだからな。

あっ、普通に探索するとなると、十二階層なら泊りになるよな、って事は、この美少女と二人きり・・・

そ、それは、精神的にきついんじゃなかろうか。ユーゴはちょっと考える。


ま、地元の人間じゃないしな、

「条件があります」そう告げた。



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