恋愛小説市場調査①
今回は恋愛小説の市場調査を行う。言わずもがな恋愛小説というのは特殊なジャンルだ。なぜなら今日日ほぼすべてのエンタメ作品(小説に限らず)には恋愛要素があるわけで、わざわざ恋愛を主題にした小説を読む需要は薄い。
さて恋愛小説のサブカテゴリには異世界恋愛と現実世界恋愛がある。さすがに2つしかないカテゴリでSFと同じように作品数と人気度合いを比べても面白くないということぐらいは私もわかっているので安心してほしい。まあそれはそれとして四半期、年間、総合で恋愛小説ベスト100における2つのカテゴリの割合を見てみようじゃないか。
四半期ランキング
異世界恋愛83
現実世界恋愛17
年間ランキング
異世界恋愛83
現実世界恋愛17
総合ランキング
異世界恋愛89
現実世界恋愛11
うーん、思った以上に異世界のワンサイドゲームになってしまった。大体異世界恋愛が8割から9割を占め、現実世界恋愛が1割から2割を占めるって感じなのかな。続いて総合ランキングをそれぞれのジャンルの全体作品数とともに見ていこう。
小説家になろうには66511の作品が恋愛ジャンルに登録されており、うち25453作品が異世界恋愛、うち41059作品が現実世界恋愛です(何度やっても2ジャンルの合計が66512になって両ジャンルを合わせて検索した際の数とずれてしまうのですが、誤差なのでご容赦ください)。
例のごとく、小数点第二位以下は切り捨て
総合ランキング100位以内の異世界恋愛:89作品 異世界恋愛全体の作品数:25453作品 285.9作品に1つ
総合ランキング100位以内の現実世界恋愛:11作品 現実世界恋愛全体の作品数:41059作品 3732.6作品に1つ
個人的には驚きの結果が出てしまった。数字を見ればわかりきったことではあるが、供給は現実世界恋愛のほうが倍近くある。一方で読者は異世界恋愛をとても好んでいることがわかった。
さて今日は2つのサブカテゴリだけでは内容がなさすぎるので新規投稿するときに運営がおすすめしてくる恋愛小説のキーワードでも、その需要と供給を確かめてみることにする。
恋愛には10個のおすすめキーワードがある。恋愛一般には異類婚姻譚、身分差、年の差、悲恋。異世界恋愛にはヒストリカル、乙女ゲーム、悪役令嬢。現実世界恋愛にはオフィスラブ、スクールラブ、古典恋愛。以上が恋愛小説のおすすめキーワードだ。このキーワード、当然ながら現実世界恋愛が異世界恋愛のおすすめキーワードを付けたり、別ジャンルがこれらのキーワードを付けることもできるのでその辺はご承知いただきたい。
ヒストリカルと古典恋愛って何が違うねんという感じもする。ちなみに調べてみたらみつえだ西緒先生の下記エッセイにて詳しく紹介されていたのでURLを張っておく。ざっと見た感じヴィクトリア朝風とか中世ヨーロッパ風の歴史もののことだと思う。そういうのが昔から異世界恋愛ものには多かったそうな。
https://ncode.syosetu.com/n2182eg/
さてそれでは各キーワードの作品数、ジャンル全体のなかで占める割合、そして恋愛ジャンル100位以内に入っている内訳なんかを見ていこうか。というわけで今回は一旦閉めます。続きは恋愛小説の市場調査②で。