スパークの力
「おいっ!姉ちゃん!!せっかく俺が引きつけて食らわせたんだ!一気にキメるぞ!!」
「えっ?私がするの!!」
「お前しかおらんだろ!じゃあ早くグローブを着けてくれ!」
「……わかった」
紫穂は覚悟を決め、グローブをはめると不思議な感覚に包まれた。
「な…に…?この感じ…」
身体全体が空に浮く様で、電気のビリビリとした感覚をまとっているかの様だった。
「俺の名はスパークだ。姉ちゃんはこのままあの男をぶん殴りゃいい。大丈夫!身体能力は格段に上がってるはずだ!」
こくりと頷き、キルスタームを見ると紫穂は自然にボクシングのファイティングポーズをとっていた。
「おい!あいつが起き上がるぞ!走れ!」
紫穂は閃光のようなスピードだった。床を蹴り上げると地面は焦付き、飛びながら腕を振りかぶった。
「こぉの!!変態男があああああ!!!」
紫穂の放った一撃は、キルスタインの顔面にねじ込み壁に大穴を開けて吹っ飛ばした。
「ぐ…はっ……!!?」
その瞬間紫穂はへなへなと腰が崩れ、膝をついて倒れた。
「おい!姉ちゃん!」
「スーちゃん……ぶっ飛ばしてやったよ」
「ああ!やってやったな…ってスーちゃん?って、……おい姉ちゃん!大丈夫か!姉ちゃん………………」
紫穂はその場で眠りに落ちた。