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~実は異世界の処刑人の家系でした~  作者: 悲涙煌蘭
第一章 真受
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6晴れときどき親父

「…じゃあ始めるぞ。」

「お、おう。頼む。」


始まりました。第2364回、龍のわかりやす~い解説コーナー(笑)の時間。

※主にこのコーナーは私、五十嵐蒼真のためのコーナーですのでご理解のほどよろしくお願いします。


爺とかと打ち合わせを終えた龍。見てる限りだと、龍の考えは全て当たっているらしく、爺も顔を縦に動かすだけだった。


「まず、俺ら四人はこの異世界、『メーレシェ』で生まれて、五歳の時に地球に送られた。ここまではいいな?」


頷き肯定を表す僕。龍の話は続いた。


「だから、この世界に俺らの産みの親が必然的にいるわけで、今ここにいるヤイバさんがお前の母親の親父さんって、つまりお前の祖父ってわけだ。」

「…………」


黙ってお茶菓子を食べながら聞く僕。


「んで、クルハさんがお前の母親の妹、つまり叔母にあたる人で、その子供シズクちゃんはお前の従妹ってわけだ。」


驚愕のあまり口を開けたまま動けなくなってしまった僕は…

「し、信じられない…。」

っと一言発した。


「そ、そんなに驚くことなの?」

雪那の質問に対し僕は…

「あぁ。」

「はぁ…。」

ただ一言、それだけを呟き、なぜか龍はため息を漏らした。


「お前、どうせ目の前にいるのが自分の親族だってことに驚いた……わけじゃねーだろ。」

「流石だな、龍」

「…やっぱりか。」

「だってよ…」


「「このお茶菓子旨すぎだろ。」」

僕と龍の声がそろった。


「「「……………………」」」

「やっぱり美味しいよね、そのお茶菓子。」

「あぁ。無茶苦茶うめぇよ。」

爺、クルハさん、雪那の三人は唖然。シズクちゃんは持ってきてくれたお茶菓子の美味しさに共感。

そして、ただ一人この中で他と違う反応をしているのが…


「そ・う・ま、あんたねぇ………。」


プルプルっと体を小刻みに震わせながら徐々に近づいてくる煉華。

(だ、大丈夫だ、僕。今回は大丈夫だ。)

そんなことを自分に言い聞かせる僕。なぜ大丈夫かというと…


「それほんと~?」

「「「…………えっ?」」」

「また始まった…。」

「ほんと煉華はお菓子に目がないよね。」

満面の笑みで溢れた煉華に呆れる龍と雪那。今までのやり取りからからいくと、煉華が怒鳴ると思ってた雲野家一同。



そう、なんたって煉華は大のお菓子好きだ。普通なら好きなもの出されたら真っ先に食べるだろうが、こいつ僕と味覚が合うからって僕に自分が食べる前に毒味をさせる。

そして今、僕が食べて旨いっと言ったことでやっと好物を食べることのできるようになったためこのような煉華になった…。


(こいつ……おとなしくお菓子食べてりゃかわいいのにな。)

心なかでそう思う僕がいた…。



龍の説明コーナーも終わっておちついてきたころだった。お菓子の美味しさにニヤけている煉華をよそに、僕はシズクちゃんと雪那、クルハさんと雑談をしていた。

ちなみに爺と龍は将棋をしている。


「この世界にも学校とかってあるんですか?」

「ええ、あるわよ。」

「マ、マジかよ…。」

「あれ、蒼真お兄ちゃんは学校嫌いなの?」

「学校が…と言うよりも勉強が嫌いだ。」

「蒼真いっつも授業中寝てるのよ。」

「雪那姉、それほんと?」

「おい、あんまり向こうのこと言うなよ。」

「いいじゃない嘘は言ってないんだし。」

「いいわけ『ッズカーン』ねー…なんだ今の音?」

「やれやれ、どうやら来たようじゃな……っは。」


(来た?誰が来たんだよ?てか爺の今のため息って一体…。)



音のした方へ向かった僕たち。どうやら音がしたのはこの家の倉庫から…らしい。

扉がここだけ金属製なので若干違和感がある気がする…。なんかこの扉凄く恐い…。


「…………っは。」


爺がまたため息を一つついて扉に手を伸ばした。扉に手をついても開けたくないの、かなかなかその手を横に動かさない爺。

…………諦めて早く開けろ。



中は意外と広く、物が多かった。壺やら竜の置物、刀に槍まであってほんの少しテンション上がったのだが……

顔を上げたら青空とご対面~。天井に人形の穴があった。

そのまま顔をしたにおろしたらそこに人が倒れていた。

歳は30~40くらいで、サングラスをかけているから目元は不明。髪の毛は長めで色は少し灰色ぽい。


「爺、あれ誰?」

「お主、儂をその“爺”っと呼ぶのはやめんか。せめておじいちゃんにしてくれんか?」

「わ、わかったよじいちゃん。で、あれ誰?」

「誰もなにも蒼真、お主の親父の蒼騎じゃよ。」


「…………っは?」

「「「ああ~確かに似てるな。」」」

納得できてないのはどうやら僕だけらしい…。



僕の親父(らしい人)が起きるまで、壊れた天井を直す僕たち。ほんとこの親父、人の仕事を増やすなっての…。

まさか僕、他人に迷惑かけてないよなー(棒読み)



「うわ~。よく寝たぜ。」

この倉庫に来て三十分ほど、ようやく天井の穴を塞ぎ終わった頃に親父が目を覚ました。


「久しぶりじゃのう…蒼騎よ。」

「お久しぶりです、蒼騎義兄さん。姉さんは元気にやってますか?」

「お~、久しぶり来琉波ちゃん。真那美なら元気だぞ。今頃ごちそうを作ってころさ。」


(こ、この人が蒼真のお父さん…似てるかも。)


(蒼真×2は俺にとって苦痛でしかないな。……胃が痛くなってきた。)


(蒼真と間違えて殴りそうでこわい…。)


(なんか色々と嫌な予感が…)


「それはそうと、蒼騎よ、他の者達はどうしたのじゃ?見当たらんようじゃが……?」


「あぁ、そろそろ落ちてくるわ。」


「「「「「……………………っは?」」」」」

(落ちてくんの?)


そんなことを親父が言ったと同時に、空から何か聞こえてきた。鳥のさえずりや、子供の遊び声等ではなく……人の叫び声が段々近づいてくる。


そして又も直したばかりの天井に三つの大きな穴が空いた…。

…………また仕事増えたよ(泣き)


何てことを考えてたその時だった。落ちてきた一人が大声で叫んだ。


「おい、蒼騎。てめぇ常人が簡単に死ぬようなことを俺らに平気でするんじゃねーよ。骨の髄まで灰に変えるぞコラッ。」


(…………この人絶対煉華の父ちゃんだ。)

バカな僕でもこれだけはわかった。



「にしても大きくなったな。」

「ほんとにな。」

「同感だぜ。」

「自分の子供が大きくなって帰って来るのがこんなにも嬉しいこととはな…。」

蒼騎、煉華の父“煉史”、龍の父“秋人”、雪那の父“晶夜”がしみじみとそんな話をし始めた。

そして、

「お前らいつから始めるんだ?」

「俺は明後日だ。」

「しばらく自然に慣れさしてからかな。」

「こっちも晶夜んとこと同じ感じだな。」

「蒼騎、お前んとこは……聞くまでもなねーな。」

「あぁ、明日からだな。」



一瞬僕の背筋に寒気が走った。本当に嫌な予感しかしないのだが……



そして、とりあえず家に帰ることになった。地獄が待っていることも知らずに…。

これから投稿が遅くなりますがご了承下さい。


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