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~実は異世界の処刑人の家系でした~  作者: 悲涙煌蘭
第一章 真受
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5我々の故郷を忘れるな

「閻獄大魔王……ですか?」

「何ものなんだ、そいつ?」

「な~、腹へった~。」

「ちょっとあんたは黙ってなさい」

「は、はい。」

微妙に殺気を放ち睨んでくる煉華。…怖すぎだろ。



「ところでその『閻獄大魔王』ってのは何にもなんだ…一体?」

その龍の質問に答えたのは爺ではなく、クルハさんだった。

「この世界には『三大王』というのが存在してて、それぞれ無界むかい獄界ごくかい天界てんかいを統治してるの。無界を統治してる王が『槌裁の大龗王(ついさいのだいれいおう)』ゼラン、獄界を統治してるのがさっき言った『閻獄の大魔王えんごくのだいまおう』ネラフィト。こっちが本名ね。そして最後が天界を統治してる『輪生の大神王りんせいのだいしんおう』グラフィアス。この人たち?にも役目があって、そのなかでもネラフィトの役目は簡単言うと二つ『罪人を殺す』『罪人の魂に罰を与える』それが彼の役目なんだけど…。」

「そのうちの『罪人を殺す』という役目だけを『真心力』を持つものに任せたのじゃ。」


………………zzz


しばらくの間、僕のいびきだけがこの部屋に余韻を残しつつ響いた。その場の空気に落ち着かなくなった煉華が僕を殴り起こした。その後、と爺が話を再開した。

「15人の異世界人全員がそれを了承した。あることを条件に…」

「条件?金かなん…」

「あんたは黙って話だけ聞いときなさい。でも、寝たらぶん殴るから♪」

拳を自分の顔の横にやりウインクをする煉華。凄く怖い。…出来れば拳と殺気を隠してやってほしい。「っで、その条件ってなんなんだ?」

「それが、自分達の子供を一定期間故郷に置いておくことじゃ。」

(…つまり、地球にってことか)

「なんでなんですか?」

「自分の子供に少しでも故郷の良さを教えたい。っと儂は聞いておる。」

「故郷の良さ………。」

ボソッと雪那が呟くが、それはどうやら俺にしか聞こえなかったようだ。



「それで、その15人の異世界人達の一族は、跡継ぎとする子を五歳の頃に地球に送り覚醒したらこちらに再度召喚して呼び戻すことにしたんじゃ。」

「その覚醒はいつ頃とかって決まってたり、前兆とかってあるんですか?」

雪那の問いに対して爺は、

「人によって個人差はあるのじゃが、大体は14~16くらいじゃよ。前兆っといってはなんじゃがたまに妙に体がだるかったり、頭痛、吐き気があったりすることも「てことは…」たまに、ん?」

爺の話の途中になぜかそんなことをぼやきながら徐々に殺気を放つ煉華。てか、今日一番の殺気の量。

その殺気をぶつける相手が僕なので、流石に僕も恐怖のあまり、


「え?なんでそんな怒っている……んでしょうか煉華さん?僕は一体何を貴女様にしてしまったのでしょうか?」


敬語で同期に話してしまった。しかし、そんなことよりも身の安全が優先だと、バカな僕でもわかる。

それに対し煉華は…


「別に怒ってなんかないわよ。ただ、こんなわけわかんない場所に来たのも、趣味の小説読めないことも、タイフーンのオッチが主演のドラマ見れないのも、あんたのせいだったてことを知って怒ってるわけじゃないんだからね。」


手をバキバキッとならしながらこっちに近づいてくる煉華。こんなにも言ってることとやってることが違うのって…

手を合わせ合掌をする龍と雪那。その二人にならって合掌するクルハさん。それを見て見ぬふりをしてお茶をすする爺。

あっ、俺の人生ここまでかな~



~~五分後~~



手をパンパンッと音をならして叩きながらふ~と、スッキリした感じで呟く煉華とボロボロで倒れてる僕がみんなの目に写った。そして、煉華が座ったと同時に爺が…


「殴り終わってからでなんじゃが…召喚対象は五十嵐蒼真だけではないぞ。」

「あっ、はい大丈夫です。バカ以外全員気づいてるので…。」

て、答える煉華。っえ、まさか…

「じゃ、じゃあ煉華は、し、知ってて、僕を、な、殴ったのか?」

「ん?何当たり前なこと言ってんのあんた?当然決まってるじゃない。じゃないとあんたみたいなマゾに殴ったりしないわよ。どう?殴られ気持ちよかったでしょ?」

「誰がマゾだよ!!僕はごく普通のバカなだけであってマゾなんかじゃない。」

「「「えっ、違うの!」」」

「違うわー」



「ところで、俺たちにもその『真心力』ってのはあんのか?」

「ああ、あるのはあるのじゃが…実際に見てからの方が分かりやすいじゃろうし、しばらくゆっくりしとくといい。あと一時間もすればお主達の親族が来るじゃろうからのう。」

っと言ってクルハさんにお茶菓子を持ってくるよう頼む爺。……グッジョブだ爺。腹へって死にそうだったとこなんだよ。



しばらくしてお茶菓子を持ってきてくれたクルハさん。その隣には湯飲み茶碗を持ってきた少女がいた。身長が大体150~155くらいで髪の色はクルハさんや爺と同じ灰色。本の少し瞳が青く透き通ってみえる。そしてその子が一礼をして、


「初めまして、私はシズク=レボリスト=クモノです。よろしくお願いします。それと…」

そう言うとなぜか僕に近づいて来て一言、


「お久しぶりです、従兄様。」


…………えっ?


僕の頭が混乱しているときに龍が、

「ごめんねシズクちゃん。君の従兄はちゃんと一から十まで説明しないと理解できないから。」

(こいつ…本当のことだから言い返せないってのが腹立つな、マジで。)


とりあえず説明を受けることにした。

大龗王の龗の字には、竜や神の意味があります

今回結構考えたんですけど、この字見つけたときテンション無茶苦茶上がりました。

今度時間が有れば一話を編集しときたいと思います。


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