新敵
#7:00 松田邸食卓
朝食を5分ほど前に終え食後の紅茶を楽しんでいた。
「皆さん今日はどこか出かけるんですか?」
「私はお店の掃除に行きます。相当酷いのでw」
「僕は友達のうちに行く。」
小春と洋平は出かけるらしい。出かけた後聞くしかあるまい。
#7:30 2人が出発
2人を見送った後前田さんが紅茶のおかわりを注いでくれた。
「これから少々長くなります。紅茶はここに置いときますからすいませんがご自分でお注ぎになってください。」
前田さんが話しを始める。
安藤幸次郎
2年前婿養子に来た青年で24歳。
若くして国連軍の少佐だったらしい。
「旦那様は世のため人のために研究をなさっていました。そこに国連さんが介入してから、旦那様は酷くやつれて行きました。そして家でも仕事や研究の事でお二人は言い争いをするようになりました。
そして先月対に旦那様は幸次郎様と絶縁なさったのです。」
やはり、一連のことは国連が絡んでいたようだ。
「すみませんが、博士の書斎を拝見してもよろしいですかな?」
「構いません。」
慎吾は博士の書斎を見た。掃除が行き届いていて、今まで生活していたようだった。
本棚が置かれていないのが疑問点だった。
「これは・・・・。」
「数日前、国連軍が来て研究資料からデータまで全て持って行かれてしまいました。」
一足遅かった。もう少し早ければ。
ふと見た、博士のパソコンだ。
パソコンだけいじられた形跡がなかった。
起動するとパスワード画面に入った。
「これは?」
「特別生のプログラムで3階以上間違えたり、無理やり解読して開こうとすると中のデータが焼けてしまうのです。」
手がかりはない物か・・・・・・。
するとパソコンのマウスのコードに何か書かれていた
「Eーco234。」
なんだこれは?しかし見覚えがあった。
「これは、極秘資料の番号だ。」
資料を取り出すと数字に丸がついている。
「30658913・・・・パスワードが通った。」
するとパソコンにはメールが一件届いていた。
メールを開くと金庫の番号が書いてあった。
この番号はなんだ?考えていると前田さんが覗き込んだ。
「これは、隠し金庫の番号でございます。」
隠し金庫へと急いだ。
金庫を開けると鍵が入っていた。
「車の鍵っぽいな。ガレージに行ってみるか。」
ガレージに行ったが車は置かれていない。
一体なんなのかわからなくなった時目にある物が飛び込んできた。ガレージの壁に傷があった。
傷に鍵をあて恐る恐るなぞった。すると地下への階段が出てきた。
2人は地下へ向かう。そこには研究室があった。
誇りだらけの研究室のモニターに点々とパスワード入力の文字。
パスワードは英語4文字だった。
そして横には洋平との2ショット写真。
そう、慎吾はわかっていたパスワードは
c・a・m・p
キャンプ
するとモニターに映像が流れ出した。
“この映像が流れていると言うことは、私、松田人六はすでに死んでいるのであろう。
この映像を見た物よ今君に渡す資料は絶対に渡してはいけないよ。
そしてパスワードの意味がわかった物。
私の代わりに約束を果たしてくれ。
それではこの映像を平和に捧げる"
映像が終わった。
資料が出てきた。
“超遺伝子生命体実験データ"
マウスの実験結果
全て国連の資料とデータだった。
「これは!!」
実験に使用された液体脳髄、特殊学習脳の量・・・・・。
明らかに致死量だった。
「国連は・・・・やはり・・・。」
慎吾は資料をまとめた。
「慎吾さん・・・・、それを一体。」
「警察に提出します。これがあれば博士の無念や国連の悪事を暴けるはずだ。」
その時、ドアチャイムが鳴った。
前田さんが開ける。
「国連軍の物です。真柴さんにご同行願いたい。」
「俺に何のようだ?」
「君に指名手配がかかっている。ご同行願おう。」
その時だった。
「ちょっと待て。それは警察の仕事だ。」
この間ショッピングモールで会った警官だった。
「邪魔すると軍法会議だぞ。」
「国連の干渉領土違反だ。国際裁判にかけるぞ。」
「くっ。」
国連の軍人は撤退した。
「真柴、探したぞ。」
警官が抱きついてくる。
「心配かけた良樹。」
村雨良樹
同期の警官だった。
#13:00 ニュータウン警察署
「これが本当なら一大事だぞ。」
良樹とその先輩警官が頭を抱える。
どうにかして資料を国連にばれないように送りたいがどうしようもない。
「よし、ひとまず、総理と自衛隊に送って指示を仰ごう。」
連絡をとり始める。
「伏せろおおおおお。」
窓際の婦人警官2人をかばう慎吾。
窓の外に修行僧らしき人物が浮いている。
『兄弟、いや、六式。兄者のため、ここでその首とらせていただく。』
無数の火球が飛んでくる。
それを慎吾はよける。
「覚醒-ヘンシン」
慎吾の体は六式に変化する。
「慎吾・・・・・お前・・・・。」
「すまない。良樹・・・・、これが今の俺なんだ。」
つづく