明日へ
無意識だった。
あまりの無意識のためにまだ理解出来ていない。
だがわかることは・・・・レールガンを俺が切り落としたということ。
『なんだこれは・・・・・。』
傷口を見て呆然と立ち尽くすCode:06。
何が起こったのか?
『傷口が、どんどん広がって行く。』
そう、洋平の血の効果がついにで始めたのだ。
『何をした、兄弟・・・・お前は一体何をしたぁあああああ!!』
怒り狂うCode:06。
「それは、博士の残したお前の弱点だ。」
それを聞くとCode:06は笑い出す。
『弱点だって・・・・・。だったらこうすればいい。』
するとCode:06は自分の肩から腕を切り落とす。
そこから新たな腕がはえた。
「くそ、どうしたらいいんだ。」
慎吾も残り体力の限界が来た。
その時、Code:06と以前戦った時のことを思い出した。
(俺にはもう一つ弱点がある。)
もう一つ・・・・脊髄以外もう一つある。
わからない。資料にも博士にも聞いていない。
するとCode:06は再びレールガンを出す。
『まさかの時のもう一丁だよ。』
右脚をうたれた。
次こそもうない。万事休すの時・・・・、
「シンゴぉ、大丈夫。」
洋平とドットキャットだった。
「来るな洋平。」
その時、レールガンの銃口が洋平にむく。
無言だった・・・・・無我夢中だった・・・・・
洋平をかばうと背中が焼けた。
「ぐぅうううううう。」
洋平のポケットから物が落ちる。
慎吾は振り向きレールガンを切り落とす。
Code:06はまた腕を再生しようと肩に手をかけた。
だが・・・・Code:06の動きが止まる。
一点をじっと見つめている。
視線の先を見ると何かが落ちている。
洋平のポケットから落ちた物でどうやら小動物のドライフードのようだ。
『ぱ・・・・パ。』
「6ちゃん?」Code:06にそれは見覚えがあった。
そう、まだCode:06が昆虫だった頃食べていた物だった。
そして、餌をあげていたのは・・・・洋平。
「パパ、パパなんだね。」
洋平に近づこうとするCode:06を蹴り飛ばす慎吾。
「6ちゃん、なんでパパを、シンゴをいじめるの?なんで悪いことするの。」
『パパが悪いんだろ!!』
慎吾は驚く。クールな兄貴風をふかしていたCode:06が子供染みて来た。
『パパが僕を国連なんかに渡すから・・・・・・・・こんなことになったんだろぉおおおおおおお。』
そう言ってCode:06が洋平に飛びかかる。
「このクソガキがあああああああ。」
慎吾はCode:06の左腕をきりとばし量脇腹に切り込みを入れた。
「てめぇが考えててめぇでやらかしたことだろぉおおお。ここまでやっといて人のせいで済むと思うんじゃねーぞこの野郎ぉおおおおおおお。」
一瞬の出来事だった。
Code:06の右胸に真っ赤な心臓が浮き出て来る。
「あれだ。」最後の力を振り絞りキックをするその足は鎌になり心臓を貫いた。
『まさか・・・・・俺の・・・・・弱点があああ、がああああああああああ。』
崩れ落ちるCode:06。
《六式、もう時間があと10分しかない。》
「おい、Code:06!!超粒子爆弾はどこだ。」
『もうない・・・・。俺の体の中の・・・・・・・一個だけだ。』
展望室の窓を見る。
自衛隊のヘリコプターと新型戦闘機のイカロス38型が飛んでいる。
「シンゴさああああああん。急いで爆弾をおおおおおお。」
爆弾はない・・・・。もう世界を救うすべはない。
その時、なぜ思い出したのか、なんで今思い出したのかわからなかった。
それはあの時の・・・・手術室の記憶。
忘れかけていたあの日の光景。
自分の腹に脱い後があった。
あの時は脳改造だったはずだ。
思い切って自分の腹を切りてを突っ込む。
激痛の中見ると・・・・謎の球体のケースがあった。
蓋を開けると手紙と超粒子爆弾が。
“手紙には人類の希望に託す"
とだけ書いてあった。
「博士・・・・・ありがとうございます。」
イカロスの翼にCode:06を抱えて飛び乗る。
戦闘機はフルスピードで空の割れ目を目指した。
『兄弟・・・・どうする気だ。』
慎吾は黙ったままだった。
腹部の傷が気圧とスピードで悪化していたのだ。
空の割れ目が見えた。穴に爆弾を投げようとした時、慎吾は倒れた。
限界だった。レールガンで血液が流れっぱなしだった。
その時だった。
『兄弟、パパを頼んだよ。』
ただ、一言、それだけ言って空の割れ目に消えた。
数秒後、烈風が吹いた。
慎吾はイカロスから投げ出さた。
力が出なかった、もう、戦う気力がなかった。
文字通り燃え尽きていた。
薄れゆく意識の中で見た、黒雲に覆われた空から光がさす。
そして見えた青空。世界は救われた。
「勝ったぜ・・・・・みんな。」
慎吾は静かに瞳を閉じた・・・・・・。
つづく




