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Code:06  作者: 通りすがりのバッタ男
2/22

脱出

男は目を覚ます。

眩しい日差し、植物の青々とした香り、煙を上げたバイクの焦げ臭さ、

そう、あれは夢ではなかった。


#6時間前:研究施設

「驚くかもしれないね。だが、辛抱したまえ。」

血まみれの科学者らしき男は横たわる警官に話しかける。

「真柴 慎吾くん・・・だったね、手短に話すよ。」


男は話し出した。

内容はこうだった。


ここは国連医療機関の生物遺伝子研究所であり、博士は液体型人工脳髄について研究していたという。

液体型人工脳髄は注入することによって脳髄の不足した部分を補い脳を新たに形成できるという物だった。

だが、さらに博士はそれに加えようとした物があったという。

それが特殊学習脳。

これはひたすら脳に学習意欲を与え続けさせるための物でありこれにより半身不随などのリハビリ期間を短縮させようという物であった。


だが、これが博士の運命を変えた。

博士はこの液体型人工脳髄に特殊学習脳を加えた物をバッタに注入した。


「私はそのバッタをCode:06と名付けた。」

Code:06は信じられないスピードで進化しだし16時間後には人型になったのだ。


「そしてその時だ、私はこの世で最も恐ろしい物を見たのだよ。」

「なんなんだよ、一体・・・・・。」

「同じ研究所内の他の昆虫を喰らいだしたのだ!!」


Code:06は捕食することで他の種の生物を遺伝子レベルから学習しだした。

博士は恐れCode:06の処分を国連軍に依頼した。

そして、あの事故が起こった。


「そいつは、今どこに?」

「すでにこの研究所内だ。奴は次に私の知能が欲しいらしい。」


博士は慎吾を立たせると彼にトップシークレットとはりがみがされたアタッシュケースを手渡した。


「やつの特徴、そして君について書かれている。無事脱出したらこれを警察に渡してくれ。」


そう言うと博士は一台のバイクを持ってきた。

「博士、これは。」

「私の新車だ。6歳になる息子とキャンプに行く約束をしていたが・・・・・・

もう無理だ。せめて君が脱出に使ってくれ。」


その時だった。


ドンドンドン

ドンドンドン!!

ドアが激しく叩かれ出した。

「その脱出口をまっすぐ走れば森に出る。

ひたすら逃げるんだああああああ。」


「博士ぇぇぇえええええええええええ!!」


そして現在に至る。


「バイクが故障しているが・・・・。」

そう言って手を当てる。

すると半壊して煙を上げていたバイクがみるみる再生しだした。

「もしやこのバイクも・・・・・。」


そう思い資料を読む。

やはりそうだ、ハンミョウにオフロードバイクの情報を入れた液体型脳髄を加えたようだ。

「こいつも進化したのか。

まあいい、とりあえず街に出るか。」


バイクを走らせて街に向かう。


#30分後:S市D町

街に人の気配はなかった。

ひとまず、量販店で血まみれの服を着替え民家でテレビの電源をつける。


『・・・・依然情報は入っていませんが、国連医療機関で新種のウィルスが漏れ出したということでS市は2時間前に完全避難を終了しました。』


「表向きではこうなっていたのか。」


慎吾はテレビを消して横になるとひと時の眠りについた。


つづく




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