誘導
二人の超遺伝子獣の戦いは白熱していた。
剣と剣の殴打。つばぜり合い。ついに日本刀が折れた。ジグルが毒針をついてくる。
毒針を何かがはじいた。慎吾の右腕が鎌になる。
刃物と刃物がぶつかり合う金属音。
永遠に続くかと思われた戦いに決着がついた。
「うおりゃ!!」
慎吾がジグルの毒針を切り飛ばした。
『お見事。私の負けだ。』そう言って脊髄に折れた針を刺すジグル。
「なにをしている。勝負はついた。」
『だからだ、敗者は死ぬまで。』
『じゃあおいらが殺してやる。』
海中から無数のサメの怪人があがってくる。
「そうか、遺伝繁殖・・・。」
『いいこと教えてやるよ、あと30分後にスカイツリーから半径50kmが吹っ飛ぶぜ。』
「なぜだ、教えろ。」
「
『東京の地下9ヶ所でダイナマイト50トンを乗せた列車が大爆発するんだ。
見ものだろう?』
するとジグルがサメ怪人達を切り出した。
『おのれ卑怯なり。ゆけえ六式ィ!!』
だがサメ怪人達に阻まれる。
自衛隊の部隊も応戦するが銃が通用するはずもない。
「今避難勧告を出しました。爆弾処理班も向かっています。」
「走行中の列車を止めるのは無理だ、避難に全力を注げええええええ。」
時計を見る。あと25分。
腕時計をつかった。サメ達が苦しみ出す。
『奴はおいらがやる。』
全てのサメ怪人がジグルの元へ。
その時!!
『地獄へおちよう。』
無数の手榴弾を持ったジグルが全てのサメ怪人を道連れに爆発した。
「きさまぁああああああ。許さん。」
怒りの拳がマルコの腹部を貫通。
両腕を両足を下半身を切断した。
『俺はここまでのようだ、だがもう間に合わんぞあと15分だ。じゃあな。』
マルコは海に消えた。
「行くぞドットキャット。」
ドットキャットが走ってくる。
「自衛隊のみなさんもできるだけ早く来てください。」
慎吾は走り出した。
「ドットキャット、どこまでいける。」
《全力で80kmだ。》
「時速か?」《無論、分速だ。捕まっていろ。》
全速力で東京に向かう。
#同時刻 自衛隊客室
小春達は自衛隊の慌ただしさに目を覚ました。
「前田さん、洋平、起きて。」
「なにやら騒がしいようですね。」
洋平がテレビをつけた。
緊急ニュースだった。
『現在スカイツリーの半径50km以内に緊急避難勧告、100km以内に注意報が出ています。
都内9ヶ所の同時爆破テロまであと10分が経とうとしています。』
テレビの映像は地獄だった。
逃げ惑う人々、泣き叫ぶ子供、暴動。
この世のものとは思えなかった。
「お嬢様・・・・・・。」
「大丈夫、慎吾さんは必ず間に合う。」
#爆破まであと5分 都内
慎吾は都内に入った。
もう少しで避難区域に入る。
見えてきた。あと5分だというのに半分も終わっていない。
「一つでも爆弾を止めに行く。」
行こうとした。だが車は渋滞、人の群れ、
いけない。
このままでは・・・・・、
カウントダウンが迫る。
残り一分・・・・、
「残り一分!!」
人々が騒ぎ出す。列が乱れて波のように荒れる。
30秒・・・・・・、
子供だろうが老人だろうが御構い無しだった。
自分だけでも生き残りたい。
欲望、絶望・・・・・・・、
10秒前
9、8、7、6・・・・
5、4、・・・・・・
3、2、1・・・・・・0。
東京が崩れ去った・・・・・・・・・。
つづく