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Code:06  作者: 通りすがりのバッタ男
10/22

風速

ビル街は火の海であった。

謎の術を使い車に瓦礫に投げつけてくる修行僧。

「何者だ!!」

『名を覚えたところで無意味だろうが私はコダール。兄者より、サソリの力を受けた物だ。』

すると修行僧の体は強靭なサソリの怪人になった。やはりだ。あれは術でなくサソリの尾で投げていたのだった。

逃げ惑う人々を尻目に車を投げつけるコダール。

その時だった。

「慎吾、ここは我々に任せてくれ。」

音声が聞こえた。街の方を見た。そこにいたのは警察の機動隊だった。

「住民を護るのは我々の仕事だ。時期に自衛隊の応援が来る。犯人の処置は君に任せる。」

慎吾は親指を上げてグッドサインを送った。

ビルの谷間を飛び移りコダールの後ろに回り込む。サソリとの戦いはCode:06で攻略済みだった。

「弱点はその尾だ!!」

だが横からわき腹に激痛が。慎吾は目を疑う。尾が三本。

いや、それだけではない。ハサミの中からも尾が2つ!?

合計7本の尾だった。

激痛がでつつもなんとか立つことができた。

『やはり毒性は低いようですね。殺傷能力までは無かったか・・・。ですが回復能力を失ってまで手に入れたこの力、動きを封じることはできるでしょう。』

するとサソリの尾の先がマシンガンに変わった。

毒針が雨のように慎吾を襲う。その針は途切れることなくビル街のガラスを割って行った。

「このままよけても埒が明かない。試してみるか。」

『おやおや隠れたようですね。どこにいるんですか?』

その時だった尾が三本切り落とされた。

切り落とした物体は弧を描いて戻っていく。

そこに立つ慎吾。

「鎌をブーメランにしたんだよ。」

慎吾の放つブーメランは尾を全て切り落とした。

『おのれええええ。その首切り落としてやる。』

コダールが飛びかかって来た。。

コダールは両腕のハサミで腕と首を挟んでくる。

『どうだぁ、痛いだろう?私のハサミはダイヤモンドと同じくらい硬いんでね。』

慎吾はその言葉を聞いて笑った。

「でも腕は柔らかいよな。」

戻ってきたブーメランがコダールの左腕を根元から切り落とした。

コダールの青い鮮血が噴き出す。

そして倒れた。青い血が床に広がっていく。

床に座る慎吾。目をつむって休んでいると、

『私はねぇ・・・・・、1人で死ぬのは・・・・嫌なたちでね・・・・。』

「まさか、」

遅かった。コダールは横を通ったリニアモーターレールに飛び移った。

追いかけて飛び乗る。

リニアモーターレールは東京内を行き来する新世代特急で時速は230kmだった。

「グァアアアアアアア、すごい風圧だぁあああああ。」

『グハハハハハハハ、私はもう死ぬ。だが、彼らをお土産に死神さん達にご挨拶させていただきますよ。』

奴は倒れて吹き飛んだ。

その時見えた。奴は壁を掴んだまま飛ばされた。

ベリベリベリベリ!!

レールの天井が剥がれる。悲鳴とともに人が風圧で飛んでくる。

飛んで来た人を捕まえて車内に。

このままでは乗客の身が危ない。

「乗客の皆さん。俺の周りに集まって。」

幸い乗客は少ない。集まった乗客を抑え込む。

静寂だった。恐怖に怯え死を覚悟した乗客は、静かに祈り出す。

(ちくしょう・・・・傷が・・・・・脇腹の毒が・・・・・・しびれてくる。

もう、限界だ・・・・・。)

諦め掛けた瞬間風が収まる。

上を見ると天井が塞がっていた。

自衛隊のとりもちが風を防いだのだった。

「あぁあああああ、よかったあああああ。」

すると女子大生2人が近づいてきた。

「あのぉ、一緒に写真とってもらっていいですか?」

「いいよ。」

写真を撮ったあと女子大生のスマホの画面を見る。

正義の味方と3ショット。

生き残ったなう。

「ちょっとかしてもらっていい?」

女子大生からスマホを借りる。

正規ユーザーに変わりまして正義の味方から

“生き残らせたなう”

女子大生は笑い出す。

乗客も安心して笑い出す。


#16:45 リニアモーターレール スカイツリー前駅

警察が先回りしていた。

「ましb・・・六式殿。

ご協力感謝します。うちまで送らせていただきます。」

車に乗ると良樹が乗っていた。

「ご苦労様。」

「驚いただろ。あのすがた。」

「全然、と言うかお前はどこへ行っても変わってないなって思ったよ。」

「そっか、おっと、今、毒・・が・・・。」

するとすでに毒針の検視はでていたようだった。

「麻痺毒だよ。2、3日だるいだろうが我慢しな。もう寝てる・・・・。」


#24:00 松田邸 客室

目が覚めた。眩しい、頭は冴えてるが身体中がびりびりとしびれている。

自由の聞かない体を起こすとドアが開いた。

「真柴さん。」

氷枕の変えを持って来てくれた小春が飛びついて来た。

「やっと目を覚ましてくれた。」

胸の中で泣きじゃくる小春。

「だって、警察から聞いたはずでしょ。」

「はい、警察の方から猛毒を受けたんでもうこのままかもしれないって言われて・・・・。」

(良樹の野郎・・・、後で殺す。)

涙が止まると小春は起き上がり、

「私、したに行って知らせて来ます。ちょっと待っててください。」

そう言って行こうとした。

すると慎吾は止めた。

「ちょっと小春さん。お願いがあるんだ。」

「なんですか?真柴さん。」

「名前で読んでくれないかな?

真柴ってあんまり気に入ってないんだ。」

すると小春はちょっと照れ臭そうに

「わかりました。じゃあ、あの、慎吾さん。」

そう言って部屋をでた。

自分を心配してくれる存在。帰ってこれる場所。

戦いが終わればこの生活は終わる。

そう思うと慎吾は悲しかった。

平和と言うゴールが自分の孤独を意味しているかもしれない・・・・・

そんな現実を知った時慎吾はこのまま時が止まって欲しいと願った。


つづく

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