人形劇-表
若干の病み文です、ご注意下さい。
私は博士が好き。
私たちのようなモノが普及している世界で、博士は私を造ってくれた。
未だ完成していない意識の中で、博士がまるで迷子の子犬のように、私の頭を抱き締めていた事も知っている。
博士はきっと寂しいのね。
誰かに愛して欲しいのね。
私はそう思い至ったから、だから私は博士が好き。
博士がその様にプログラムしたかどうかは判らないけれど、私の心には博士だけ。
好きよ、博士。
大好き。
愛してるわ。
机に向かう博士の、白衣越しの背中を見ながら呟いてみる。
それだけで、私は幸せになれる。
私は博士のモノだから。
ねぇ、博士。
決して振り向いてくれなくても、博士の愛は感じるわ。
だから、私も博士が大好きなのよ。
大好きよ、博士。
愛 し て る わ ―――― 。
博士は、今日も黙々と机に向かっている。
がさがさと紙の音の騒がしい、博士の少し後ろに私は立っている。
「表の花壇に、水をやってくれないか」
博士は振り返らずに、それだけを言った。
私は嬉しくなって頷く。
博士の言葉は、そんな短い言葉でも愛しいから。
「はい、博士」
私は、博士が好き。
おどおどしながら恋愛カテゴリに投下してみました。見当違いでしたらすみません。
ご意見・ご感想・誤字脱字指摘・批判・アドバイス・リクエスト等ございましたら、どんなものでも大歓迎です!