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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
二章

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94話 王都のタウンハウスに到着です。

 魔獣が来ちゃう問題は結局うやむや。

 そもそもこの地は魔獣の出没が多いけど、人の居住区域には来ないように簡易結界や魔物避けがしてある。

 でも騎獣にしているワイバーンや馬もいるので完全には出来ないらしい。

 馬屋のにいる馬たちはほぼ馬の魔獣なのだ。

 そりゃお義父さまやジュリアスさまが乗るの普通の馬じゃしんどいかも?


 本邸周りや離れには魔獣けがガッツリしてあるのに出てきたのはやっぱり魔力の濃い植物を植えたからではないか?ってぼんやりした結論になった。

 小物程度なら気にならないから様子見しつつ管理なんだって。


 いやいや畑が魔の森化しそうなんじゃんね?


 そもそも魔力の強い人間住んでるのに植物で問題が起きるとか異世界ってわかんないわー。


 そういえば蜜ミツバチの巣箱は結局全部外部の畑に移したらしい。

 離れの結界と魔物避けは強化された。過保護!ありがたいけど。



 ついに王都に行く日になって。

 転移陣のある塔に来た。

 不思議空間だ。

 真ん中に魔法陣があってそれを守るように虹色の揺らぎのある水のカーテンみたいなものが揺らめいてる。


 お義父さまもジュリアスさまも騎士団の制服!かっこいい。

 お義母さまもいつもよりドレスアップ。

 もちろん私も良いとこのお嬢さん。残念ながら奥様には見えない。

 場所も衣装も普段と違うから興奮しちゃう。


 侍従たちが荷物を運んで転移陣の上に積む。

 馬車と馬たちも待機してる。

 まずはお世話してくれる使用人と騎士さんたちが転移。

 次が私たち。その後に馬たちと騎士さんたち。


「では留守を頼むぞ」

 お義父さまがセリウスさまに一言。


「はい。無事のご帰還をお待ちしております」

 昨日まで良いなぁとか言ってたと思えないほどキリッとした態度でお見送り。

「リーシャちゃん、旅行楽しんでおいでね」

 クラウスさまが手を振ってくれた。


 ポムとティムが王都に付いてきたそうだったけどそれはダメってことで小屋をオヤツまみれにして閉じ込めているらしい。


  

 転移陣が起動して第一陣が消えた。

 魔法式が気になる。

 一人用とか作れないかなぁ?

 初体験の転移にワクワクしてたら、ジュリアスさまが私を抱き上げて目を瞑ってるようにって。


 転移陣に乗って光に包まれたら、グインッと何か体が引っ張られるような魂がひっこ抜かれるような微妙な感覚が起きて。

 体感10秒?

 そんな感じでさっきまでいた場所に似てるけど壁とかちょっとずつデザインが違う場所に居た。

「酔ってないか?」

 ジュリアスさまが心配そうに聞いてくれた。

 初めてだと結構気持ち悪くなる人がいるらしい。


「大丈夫です」

 気持ち良くはなかったけど、酔うほどでもない。

 私たちの後に第三陣が着いた。

「!!!???」


 チェイスさんが騎士団服をきちんと着てる!

 あとルルゥも騎士団服を着てる!

 宝○の男役みたいな煌びやかさ!

 あゝアンドレ・・・

「あらぁ見惚れちゃう?」

 喋ったらいつものルルゥだった。


「私は一応まだ騎士団所属なのよ~いざとなったら出陣するしね☆」

 コックさんに転職してなかった⁉

「今回は護衛の一人なの。宜しくね♡」

 かっこいい姿なのにいつものようにバチコーンとウィンクされた。

「・・・その心は?」

「私も海に連れてって♡」

 ですよねー。

 何となく言ってみたらちゃんと返してくれた。地球のネタがルルゥに使えたよ?


「私、お買い物がしたいのであって狩りや釣りがしたいわけじゃないんだけど」

「またまたぁ~」

 解せぬ。


 転移の魔法陣はグレーデン家のタウンハウスにあった。

 転移陣は王家と魔の森、ダンジョンのある辺境の領地に配置されてるんだって。


 この国は北の辺境と東の境界の領地、そして南の辺境グレーデンが常に魔獣が発生してて各地で出る魔獣が違う。

 スタンピードなどの時は領民を逃すとか逆に王都で暴動が起きた時に王族を逃す為に設置されてるらしい。


 三家は領地から長期離れるのが難しい為、緊急時とか言いつつも、王家主催などの絶対に参加しなくてはならない時は普通に使っているんだって。

 魔力が大量に必要になるから特に使いたくはなくて、三家はなるべく不参加でいたいらしい。

 やっぱ自力で転移が出来るか、一人用があると良いよねぇ。


 タウンハウスの中を移動して。

 侍従さんやメイドさんが整列して深々と挨拶している。

「お帰りなさいませ」

 まずはここの執事長が出てきた。

「皆出迎えご苦労である」

「みなさま、久方ぶりです。お変わりないようで嬉しゅうございます」

 おお、白髪、メガネ、オールバック、ヒゲ。執事服。

 理想的な執事が!


「若奥様、お初にお目にかかります。セバスティアンでございます」

 セバス・・・ティアンだと⁉

 セバスチャンのお祖父様だった。


「やっとぼっちゃまがお嫁さまをお迎えになって」

 後ろに控えていた侍女長らしき人と二人で涙ぐんでる。

「ぼっちゃまはよしてくれ」

 ジュリアスさまがちょっとむくれてる。可愛い。

 ここの人たちもどうやら私のことを受け入れて貰えてるようなので一安心。


 タウンハウスは辺境より少し煌びやかな趣き。

 こちらに勤務している人たちはやっぱり引退騎士さんが多い。

 元々内向きの人は最初から侍従や侍女になるけど、辺境領は基本的に戦闘向きな気質を持ってる人が多いのだとか。

 なので辺境領のようにアットホームな感じで嬉しい。


 今日、この後はお義母さまたちは食事に招かれたりでお出かけだけど私はゆっくりしていいんだって。

 ジュリアスさまは少しだけ執務をこなすらしい。

 

 こちらのコックさんたちは定期的に辺境と交代している。

 私のレシピが気になるから周期が早まったらしい。

 あと食材がやっぱ違うから王都にずっといるのは嫌みたい。

 野菜が苦かったし魔素薄いし。お肉は魔獣じゃないからそりゃ違いすぎるね。


 今夜のご飯はどんなかな。


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