87話 ついに隠し部屋を設置しました。
王都行きがいよいよとなって来たのでオジサマに何か魔道具の成果を出さないとな~っと思い立った。
グレーデン家に迎えてもらえたのはオジサマのおかげだから感謝の気持ち。
魔道具がきっかけだから何か成果をねぇ。
魔獣出没の件で、まだ離れに行くのは許可されないので、私用クローゼットに隠し部屋を設置したい旨をジュリアスさまに伝えた。
絶対篭りきりにならないこと、ニーナが常時付くこと、出入りはセバスチャンかハロルドに報告することを約束して許可を貰った。
過保護だな~って思ったら、病気とか突然に動けなくなっても誰も助けられないだろうって頬を引っ張られた。
「リーシャはわりと無鉄砲なんだな」
って呆れられちゃった。
んぎぎ。
朝食の時にお義父さまたちに報告したら大体ジュリアスさまと同じ約束をしたよ。
私ってば大事にされてるんだな~。嬉しいね。
お義父さまによると今まで私がグレーデンで思い付いた魔道具はオジサマにお知らせしてあっての望まれた物は献上してるんだって。
ホットプレートと馬車の浮遊魔法陣のプレートはかなり喜ばれたらしい。
「陛下はリーシャちゃんが健やかであれば良いと仰られておるからあまり気負わなくとも良いと思うぞぅ」
オジサマは王様だから、私の魔道具に利用価値を見出したのかと思ったけどそうでも無いのかな?
利用したいだけなら王宮の機関かどっかで工場に押し込んで24時間労働させてるかな?
隠し部屋を設置するのにジュリアスさまが後ろで安全確認だと仁王立ちでみてた。
でも出入りする時以外で扉は見えないんだ~。
結局扉を安定させて入り口に前世で言うところの表札みたいなのを壁につけて、魔石ランプを通信具に見立てて、連絡を取れるって言うのを確認してもらってやっと納得してくれた。
表札が付いてたら隠し部屋じゃないじゃん!
一応なぜニーナ以外を中に入れないかも説明した。
ジュリアスさまは魔力量が多いってことは自覚していたみたいだけど、それが妨げになるとはってびっくりしてた。
戦力としては得するばかりだったからマイナスに作用するなんてって。
別にマイナスじゃないよ?
魔力の質っていう概念は知らなかったようで、そもそも空間魔法もわからないから、私と質が違う事で空間が壊れるかもって聞いてゾッとしたらしい。
私のせいでお仕事に出るのが少し遅くなったから、サーキスさまが少しオコでお迎えに来ちゃった!
「いや・・・その・・・スマン」
「いーえ、ご連絡さえ頂ければねぇ、セバスチャン?」
執事の職務怠慢だとセバスチャンも一緒に引き摺られてお仕事に。
「い、いってらっしゃいませ~ぇ」
申し訳ないな~って思いつつお見送りした。こわ。
色々考えたけど、王様が欲しがる物なんて想像も出来ない。
ので、次の王様が私にとって穏健派かどうかわかんないからオジサマに長生きしてもらおうと思い立って。
王宮には結界とか防御陣みたいなのは当たり前にあるって事だし、毒対策も当然されてる。
あれ?何も足りない物が無さそう。
私は隠し部屋の中で悩んだ結果、お祖母さまの魔道書を漁ろうと思いたって本棚を覗く。
隠し部屋の中では私のアイテムボックスから出すというか、この空間そのものをアイテムボックスにしまってあった感じ?うまく説明できないのだけど、隠し部屋の扉が私のアイテムボックスと繋がってるようなそんな感覚だった。
私の魔力が安定したことでお母さまのレベルに近い隠し部屋が作れたみたい。
隠し部屋の財産は血統の者にこうやって受け継がれて来たのかな?私に次代が作れなかったらどうなるのかな?って思ったり。
お母さまが当時仰ってたことはほとんど理解できてなかったけど、この空間のことも言ってた気がする。
そして本棚の中身や保管庫の中身は、許された時に許された者の必要な物が現れるとか、眉唾なことを言っていたなって思ったら、今まさに過去見たことのない魔導書と道具が出て来た。
これはお祖母さまの血筋にしか受け継がれないって言ってた。
お祖母さまのご実家の人と同じ時にこの空間に繋がったりしたらどうしよう?
現れた魔導書には、護身用装身具の製作方法が載ってる。
ザッと読んでみると魔力防御や解毒効果、反射(攻撃を相手に返す)とかある。
一番気になったのが、解呪、浄化だった。
保管庫には魔石があるし、ミスリルもあるので素材は困らない。
魔石に魔法陣を彫り込むのは内緒って言われたけど、王様を守るのに壊れるものはダメじゃん?宝石の彫刻面は見えないデザインでほぼ埋め込んじゃうか?
魔石に《解呪》《浄化》《反射》《解毒》を刻印した。
錬金術でミスリルを加工してキーホルダーみたいにした。
王様にブレスレットや指輪とかを個人で用意したらダメな気がしたので、ベルトにつけたりポケットに入れたり好きに使えるのが良いかなって考えた。
他にジュリアスさまたちにも護身用の作ろうって思ったんだけど、ニーナからタイムアップを告げられちゃった。
夕ご飯で隠し部屋や魔道具作りついて聞かれたので仕上がったキーホルダーもどきを見せた。
使用者が魔力登録をしないと反応しないから今はただのお飾りだよ。
「ほぅ、これはまた変わっておるのう」
「細工が細かいし素敵ねぇ!魔石が四つもついてるのに軽いのねぇ」
にひひ。オタで厨二病ちっくなデザインだよ!昔何かで見た世界樹みたいな図を浮かし彫り~。
葉っぱ部分に実っぽく魔石を埋め込み。
ゴスパンクみたいに骸骨とかデーモンにしたら呪いかとか言われちゃいそうだからね。英雄伝説とか神話モチーフが妥当かなって感じ。
「これは陛下以外に渡すのはダメだのぅ」
お義父さまがちょっと困り顔。
「え、ご家族の分はダメですか?」
それは私もちょっと困るよ。
「ん?ワシらの分?」
お義父さまが首をかしげる。イケオジのクキッをいただきました!!
「これは護身用なので家族の分も作りたいです」
「まぁあ、良いのかしら?」
お義母さまは、世界樹にデザインが気に入ったみたいでキーホルダーもどきを角度を変えては見つめてる。
「うーっむ。ワシらの分は有り難いし、気持ちも嬉しいんじゃが、外部に流通は絶対ダメじゃ。リーシャちゃんが誘拐されてしまうからの」
ジュリアスさまが少し強張って、ジュリアスさまに膝だっこされてる私の腰はちょっとだけギュッと締められちゃう。
「これほどのモノを作れる錬金術師をワシは正直知らぬ。人に知られぬようにしないとの」
ええぇ?お母さまやお祖母さまが作った物が隠し部屋にあるけどもっと高度だと思う。
私の世間とのズレはだいぶまずいのかも。
「陛下は常に危険に晒されておるからの、この魔道具は大変良い贈り物だと思うぞぅ」
オジサマはやっぱり大変なお立場なんだね。
「陛下はマーベルハント家を庇護下に置いておるお方じゃ。錬金術師も魔導師も大切にしてくださるから、リーシャちゃんの事を漏らすことはないしの」
うーん?他の錬金術師のレベルがわからないんだけどそんなに私はヤバい立場なのかしら?




