6話 リーシャ、自分の顔を認識する。
長旅で疲れているだろうからと早速お風呂を勧めて貰えた。ありがたい。
案内されたらそこには温泉が！
もちろん露天ではないんだけど、なんか変な動物の口からお湯が出てる！ そこはライオンだろって思うけどこの世界にライオンいるのかな？
ニーナは休憩させるってつれていかれちゃったので、私は初対面のグレーデン家の侍女さんたちに全部脱がされて皮削がれる勢いで丸洗い。恥ずかしいよう。
髪の毛もすごく良い香りの液？ で洗ってもらえて気持ちいい。
侍女さんたちがすごく楽しそうだから私も楽しい気分になってきた。ゆっくり温まってから今度は軽いマッサージと香油？ を塗り込み！
セレブのエステかな？
オレイユ家にお風呂はあったけど滅多に使わせてもらえず、リーシャは魔法使えるから生活魔法の〈洗浄〉で済ませてたみたい。
お風呂に入れたら入れたで、用意されていた石鹸とかも質が悪かったんだと思う。化粧品とか香油もね。
義母義姉の髪は艶やかだったけど私の髪と皮膚はパサパサ。栄養も足らんかったしな！ そこまでランクに差を付けなくてもだよ。
「まぁぁ！愛らしい～」とかむっちゃ持ち上げられながら、街でサーキスさまとニーナで選んでくれた、少し良いところのお嬢さん的なドレスワンピースを着せてくれて髪の毛をツインテールにされて巻きも入れてくれておリボン結ばれて。「お化粧はいらないですね」って口にリップをちょんとしてくれて鏡の前に。
鏡がとても大きい！映りもとっても鮮明。辺境伯家すごいお金持ちだーって感動も束の間。
鏡に映るのはお人形みたいな女の子。
むっちゃ甘ロリ！ 犯罪級可愛さなんだけど？
リーシャの灰色髪がツヤツヤっと淡いめの銀髪に輝いてる！！
ツヤって大事なのね！
22歳の平凡顔OLがツインテールでフリフリは私的には無理だけどリーシャはめっちゃ天使だよー。
ただやっぱり侍女さんたちに比べたらかなり身長体格が小さいみたい。
侍女さんたちは仕上がった私を応接間のような部屋に案内してくれた。
「きゃぁあ！女の子って良いわねぇ！！」
お部屋に入った途端スノウリリィさまがまた突進してきた。流石に視界ゼロではないけど柔らかさのない二の腕と迫力のある柔らかなお胸にサンドされてソファに運ばれちゃった。ニコニコと私を膝に乗せてご機嫌さんである。
「リーシャちゃん！お疲れだと思うけどリーシャちゃんのサイズのお衣装は好みのもの用意したいから明日仕立て屋に来てもらうわね。楽しみだわぁ！うちはむさい男ばっかりでいつか可愛いお衣装選ぶの夢だったのよぉ」
途中の街で色々買ってもらったから大丈夫なんだけど断れない空気。
「リーシャ嬢、食事の前にうちの医師に一通り体調を確認させておくれ。魔術の循環や栄養状態の改善には予定を立てて無理のないように進めねばならんからな」
ルドガーさまは優しく話してくれた。
おっきな体からは優しさが溢れてる。あのハゲ親父に見習ってもらいたい。
「あとね、入籍は済んじゃってるけど。こんなに可愛い娘の結婚式を見れないなんていやだから半年後までに準備してお式とお披露目しましょうねぇ」
長男さまの結婚式がないとか確かに良くない。私もせっかくなら体験したいな。花嫁衣装...やっぱ着たいもの。
嬉しくってスノウリリィさまのお顔を見上げてニッコリ笑ってみたら「んまぁ⭐︎」って感動されてギュウウって抱きしめられた。
・・・ギブです。
