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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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3/6

3話  突然辺境へ。騎士さんはイケメン揃いだよ!

 王様からお借りした馬車はとても素敵な外装で乗り心地も最高。

 騎士さんたちもカッコいい。

 名乗ってくれたけど、送ってもらった後、次会うことも無さそうだから割愛!

 王様の直属なら多分滅多なことで会えないよね?


 私は長距離移動を考えての町娘風エプロンワンピース。わりと着倒した古着。って言うか良い服持ってないからね!

 貴賓扱いの令嬢は長距離移動で軽めのドレスとか着てるみたい。だからか着替え中、ニーナがもう少しマシな物をとクローゼットの中を探してくれたけど、そもそも着替えが極端に少ないんだよ。

 迎えに来てくれた騎士さんも微妙な顔してるなぁとは思ったけど、仮に良い衣装を持っていたとしても、長時間コルセットを着用して移動するのも、宿で着替えが大変だったりとかが耐えられないからこれで良いの。

 しかも衣装なんて義姉のお下がりで趣味の合わないお胸パッカーンなドレスしか無いしね。ほとんどオレイユ家に置いてきたよ。生地を使うにしても色合いが派手だからね。


 お茶会や何かはまだ数えるほど出てなかったからなんとかお直ししたもので凌いでた。派手な色合いはどうしようもなかったけど、胸元に別布でフリル作ったり涙ぐましい感じで。

 普段着はなんとか買ってもらえてて良かったよ。町娘の着るようなものだけど☆

 義姉は家でもゴテゴテの衣装を着てたし夜着は透ける素材で、お下がりは着れるものじゃなかったよ。流石に私の幼児体型であんなの着ていたら可笑しさが爆発しちゃう。


 亡くなったお母様の衣装にはあまりお直し入れたくなかったから成長したら着ようって思っていたのだけど、はたしていつか着られるくらいに成長できるんだろうか?


 実はこの世界の鏡が高級品で姿見くらいのサイズは男爵家になかった。

 鏡台でなんとなく確認したけどちんまいかったよ!

 お顔は前の私より全然可愛い!灰色の髪に薄い水色のくりくりな瞳。お母様によく似てる。

 記憶に残るお母様は多分平均的な身長だった。お胸はたぷたぷ。

 だからいつか育てばイケる!!

 王様が栄養が足りてないからって言ってたから辺境で食べまくれたらきっと! 


 馬車が王都を抜けて、少し開けた道に出た。

 リーシャはオレイユの領地から12歳で学園に入るために王都に出てきたくらいで他の場所を全く知らない。

 そして私も当然この世界は全部未知。


 せっかくなら旅を楽しまないとね。

 ニーナと二人景色を眺めながら過ごした。

 夕方近くなって街に到着したと言うことで宿に案内された。野営じゃなかった! 良かった。


 そこでやっと騎士さんに日程とか詳しいことを聞こうと思い立ったダメな私。

 どうやら旅程は七日から十日間くらい。途中で辺境伯家からのお迎えと交代するらしい。

 なんかこんなに良くしてもらえて良いのかしら。


 ニーナに軽く体を拭いてもらって食事タイム。

 ここ二日でマジで心が折れたよね。

 リーシャは食べられるだけマシって思ってたみたいだけど、私はやっぱ飽食の時代の人間なの。

 料理は基本的に塩味で焼くだけ。

 日本の品種改良された美味しいお野菜とかそんなの夢のまた夢。原初の味ってこんなのかってぐらい固いえぐい。お野菜の甘みとか素材の味とかそんなの楽しめないよ。

 米はどこだ。醤油は? ナンプラーとかないのかー!

 パンだけは好み。ライ麦パンみたい。ちょっと固いけど。


 見た目がちんまい私が夜動き回るのは危ないそうで街の繁華街が楽しそうなのにどこのお店も覗けず就寝。

 16歳はこの世界では一応お酒飲めるらしいのに何たることだ。酒飲ませろー!


 そんな感じで馬車移動四日目、辺境伯家からのお迎えと合流した。 

 王様の騎士さんたちもむっちゃカッコよかったけどお迎えの騎士さんたちもっとすごーい。

 なにがって筋肉! プチマッチョからガチマッチョにクラスチェンジだよ!

 クミちゃん、クミちゃんの至高の天国はここにあったよ。


 騎士さんが王様からのお手紙を辺境伯家の代表さん? に渡して、私のささやかな荷物をお迎えの馬車に載せ替えて。

 私とニーナも乗り換え。


 ここまで付き添ってくれた騎士さんたちにお礼を言ってお別れ。爽やかに笑顔をくださって去っていかれた。

 こんな男爵家の小娘の護衛なんて絶対するはずがない人たち、最後まで優しくていい人たちだったよ。






 

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