128話 バンブーじゃなくてバブーン
なんだっけ。侍の映画で竹林の戦闘シーンかっこよかったな~。
そんな聖地巡礼してるみたいな気分になる風景。
結構広くて適度に間引きされたような、良い感じの竹林でアズライトとポムとティムがここ掘れワンワンみたいに地面をカシカシしてる。
「何があるんだ?」
ジュリアスさまがポムたちの手元を覗くとタケノコの頭がちょっぴり。
OH~!
これは念願の炊き込みご飯ができちゃう!
っていうか憧れの採れたてたけのこの包焼きが出来ちゃうんじゃ⁉
ってアルミホイルが無いから皮のまま焼くか。
採れたてはアク抜きしなくても良いって聞いたけどみんな大量に食べるから抜いた方がいいよねぇ?
味見分だけそのまま食べるか。
後ろから着いてきてたアランたち木片をちょっと削ってスコップ代わりにして掘り始めた。
「これ食べれるんすか?」
「あー、これうっかり踏んで痛い目に合うやつ~」
なんてこった。よく見つかるっぽいぞ。
「頭がちょっぴり出てるやつを採ってください。育ったやつは不味くなってるのでダメです~」
食べごろをポム達が教え回ってくれるので大丈夫そう。
アズライトはすでに生で食べてる。採れたてなら食べれるらしいけどマジか。
「うーん?上手いかな?」
アランが真似して口に入れたけど、初めてで生で食べても美味しく感じるとは思わないな~。
せめて茹でてお醤油かけたい。
「バブーンならそこらに生えてるから常用できそうで良いな」
今まで食べてなかったのか。勿体無い。
バブーンって微妙にバンブー☆
「今まで狩りや採取の邪魔になる分は切り捨ててたから今後は食べれると思うと捗りそうだな」
マジでかー。
なんでも食べそうなのにねぇ。育ったやつ食べちゃったのかな?
竹は籠とか罠に使ってるらしい。
竹炭は使い道ないかな?
たくさん収穫できたので馬車まで戻った。
ルルゥがピザと魚、肉を大量に焼いて待っていてくれてた。
早速たけのこを網焼きしてもらう。
炊き込みご飯はお家に戻ってからね。
フリュアのソースとネギっぽいハーブ、激辛な唐辛子を粉末にしたものを用意して。
焼けるのを待つ間に出来てる食事をいただきます~。
うまー。自然の中で食べる木串に刺さった焼き魚と謎肉の串焼き。
ルルゥが調合したハーブや香辛料が使ってあるので異国っぽいのがまた美味しい。
こんな中でも私はジュリアスさまの膝抱っこだけどね。
みんな慣れすぎてもう気にしないんだ。
たけのこが焼けたみたいでポムとティムが謎の踊りをしながら騎士さん達にむけ~って催促してる。
あっちっちだからもう少し待ってあげてって思ったら騎士団の鎧の籠手?みたいなの出して使ってる。それアリなんだ・・・
焼けたたけのこを食べやすいサイズに切ってもらって、まずは塩だけふって味見。
採れたて新鮮なのはまず素材の味でいきたい派です♪
・・・美味しい。
流石にあっちの世界では自分で採ってすぐ食べるなんて機会はなかったからテレビとかで食べてるの観て「良いなぁ」って思うだけだったけど、実際食べてみたらやっぱり美味しい。
たけのこの煮物とか大好きでお惣菜屋さんで焼いたのとか買った事もあるけど採れたての焼きたては別格だな~。
ジュリアスさまも一口で幸せそうに口元を緩めてる。
「これは良いな」
お代わりをしようとしたらポムとティムがお皿を抱えて逃げ回ってるし、アズライトはすでに食べるラー油をかけて痺れながら自分の分を確保してる。
ルルゥがすでに追加で焼いてるけど早いな!!
たけのこは受け入れられたっぽい。
「朝一番だと採りやすいはず・・・」
明日の出発前にもう一回収穫できたら良いなぁ?
私につぶやきを聞いたアラン達は早起きを決意したみたい。
奪い合いな夕飯を済ませて、私はジュリアスさまと馬車に乗り込んだ。
「・・・ジュリアスさま」
「うん?」
「海でお酒、飲ませてもらえなかった」
たけのこってお酒のおつまみにも良いよねってチラッと思って思い出してしまった。
少しだけ飲ませてくれるって言ってたことを。
「あ!」
ジュリアスさまも食前酒くらいしか飲んでなかったもんね。悪くないよ。
ただしょんぼりだ。
「すまん」
しまった!ってお顔で宥めようと私を抱っこして背中をポンポンくれる。
駄々っ子扱いなのだ。
「・・・ジュリアスさま、サーキスさまに内緒にしてくれる?」
「ん?」
私はグレーデンの厨房でルルゥと作っておいた、干果物とルルゥが料理酒として置いてたお酒でつけたブランデーケーキもどきをアイテムボックスから取り出した。
「おぉー・・・」
わりとアルコールが匂うな。
こっそり食べる機会を探していたんだけど、基本ニーナがいるし、なんだかんだで食べ逃していたの。
時間経過がないアイテムボックスさまさまだい。
私は一切れだけ、あとはジュリアスさまにって切り分けた。
「悪い子だな」
そう言いつつ、ジュリアスさまも嬉しそう。
トントン!
「失礼しますよ」
え?
返事をする前に扉が開かれた。
馬車にオートロックは無かった!!
「ジュリアスさま、甘やかしは愛情ではありません」
サーキスさまが乗り込んできて良い笑顔でお皿を奪った。
後ろからクラウスさまとルルゥも入ってきて。
「リーシャちゃん、ダメよぅ」
って笑顔で紅茶を出してくれた。
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「これは濃すぎるから一欠片だけね」
さらに切り分けられて、お皿が追加された。
3人ともちゃっかり食べる気らしい。
そういえば、何か作ってたらいつに間にか居るのは、お義父さまとお義母さまって印象だったけどルルゥもそうだったよ。
鼻が良いっていうレベルじゃない気がする。
「せめて香り付け程度なら見逃したんですが」
私に出されたのは一切れを1/3にしたもので、残りは4人と3匹で7等分になった。
いつのまにかポム達までいたの・・・
何ちゃっかり食べちゃうんだよぉ!!
しかも人数増えすぎて一切れすら小さいよ!
「なんかすまんな」
ジュリアスさまは悪くないよ!




