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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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111話 滝と光る洞窟。

 お布団がいつもと違うから起きた時少し違和感を覚えた。

 基本的にジュリアスさまを下敷きにしてるんでぐっすり寝たんだけどね☆


「おはよう」

 ジュリアスさまはハグとキスをしてくれてからすぐにニーナを呼んでくれて、洗顔とお着替えをする。

 早めに出るから朝ご飯は断ってあるそう。


 宿を出るとすでに馬たちと馬車が待機していて出発です~。

 中に入ると座席にバスケットが置いてあって朝ご飯にありつけたよ。

 ルルゥがタウンハウスで数食分作ってマジックボックスに入れてくれてたものらしい。

「流石にずっと宿の料理は切ないからありがたいな」

 毎食が塩味の焼いただけ系は辛い。昨日のチーズ料理は大当たりだったけどね。

「このサンドイッチに昨日買った柔らかめのチーズ合いそうです♪」

 私は二つ食べただけで後はジュリアスさまのお腹に納まった。

 

 馬車はしばらく街道沿いを走っていたんだけど、道が地面剥き出しになって来たあたりで街道から外れた。


「少し山に入るんだ」

 話してくれていた絶景スポットに寄り道は山の中だったのね。

「途中から馬車は入れないから馬で入る」

 グレーデン領で見た魔の森とは違った明るい感じの森道を進んで少し登った辺りで停車した。


 少し開けていて野営の後っぽい煤けた場所がチラホラある。

 護衛さんたちが休憩用に簡易テントを組んだり馬を繋いでお世話をしてる。


「ではしばらく待っていてくれ」

 護衛にはルルゥとチェイスさんと騎士の一人アモンさん、ニーナをチェイスさんの馬に同乗させて出発する。


 しばらく細い山道を登っていくと水の香りがして来たので沢があるのかなぁと思ってたらドンドン水音が激しくなって来たので滝かな?

 道が開けてきたらまあまあな高さから水が流れ落ちてる滝が現れた。


 ザザザザザザーーーッ!


 横幅が結構あるから水のカーテンみたいになっていて。光加減も相待って幻想的な風景だった。


「わぁ・・・」


 水面に舞う水飛沫も反射して虹が現れてる。


「滝の裏に行こうか?」

 ジュリアスさまに抱き抱えられて岩場を飛ぶように、霧状になった水の中を進んで滝の横から洞窟みたいになってる滝の裏側に入った。

 ここにはルルゥたちは付き添わないらしい。


「リーシャ、ここは綺麗だろう?」

 滝を見上げてみたら光がいろんな方向から差し込んで乱反射してるみたい。 

 うっすらと森の木々もカーテンの向こう側から見えていてファンタジーのアニメとかでみた妖精とか出てきそうな幻想的な風景なの。

 音はものすごくうるさいけどね!

 濡れたままの服では辛いのでジュリアスさまが〈温風〉で乾かしてくれた。

 

 抱っこされたまま今度は洞窟の奥の方に進む。

 外からの光が届かなくなってきて少し不安を感じた頃、今度は壁や天井がキラキラ光ってる場所に着いた。


「綺麗・・・」

「これは淡蛍石といって石自体はほんの少し光るだけで宝石としての価値はないんだが、ここでは密集しているからこれだけ光って見えるんだ」

 こんなに綺麗なのに価値がないんだ!光る石が鍾乳洞みたいに育って伸びてるみたいでおっきいし綺麗なのにねぇ。


 少しだとあまり光らないならランプにも出来ないから採石しないのかな。

「リーシャ、そこの草は母上が喜ぶからお土産に採って行くか?」

 ん?

 【鑑定】してみたらお肌が綺麗になる薬が出来るって!しかもレアだった。

 もちろんいっぱい採取しますよ。


「くしゅん」

「寒かったか?」

 ジュリアスさまが慌ててマジックバッグからマントを出して私をぐるぐるに巻いてくれた。

 乾かしても空気が湿ってるし、地面も壁から滲みてる水で割と濡れてるしちょっと冷えるかも?


 採取も結構頑張っちゃったので外に向かうことに。

 来た道を戻って行ってもう一回滝の裏の景色をジュリアスさまとしっかり堪能してからまた岩場を移動してみんなの元に戻った。


「楽しめたぁ?」

 ルルゥが何やらお肉を捌きながら聞いてきた。

「そのお肉どうしたの?」

 血の滴る生々しいお肉・・・

「たまたま出てきたのをチェイスが狩ったからオヤツに焼こうって思って」

 採れたてのオヤツに・・・猪・・・出てきた場所が悪かったね。

 ルルゥはサクサクと処理して、滝の影響が少ない水場で皮と内蔵を洗いに向かった。


「リーシャちゃん!ちょっと良い⁉」

 川縁からルルゥが呼ぶもんだからまたジュリアスさまに抱き上げられて運ばれる。

「どうした?」

 ジュリアスさまがルルゥに聞く。

「これ!これは食べられそうな気がするのよぉ☆」

 指差された先には水場に青々と茂った葉っぱが。

 あれ?これってもしかして?って【鑑定】したらば。

《パバブ・葉や根茎は食用。ピリピリした味。ワサビより辛め。初めて食べた人が「パバブッーッハブェウェェーと咽せたのでパバブと名付けられた」》


 ・・・地球の誰か、翻訳ありがとう?ヒデブとかじゃなくて良かったよ?

「ルルゥ、これ根っこからたくさん採って欲しなぁ」

「あら♡」

 ルルゥの目ガキラキラと輝く。

「胡椒の木くらいの素敵食材なの」

「「!!!!????」」

 ルルゥとジュリアスさま、二人とも一瞬ピシャーンと電流受けたみたいになって、慌ててチェイスさんたちを呼んで採取を頼んだ。

「うへぇ、水つめてぇ!」

 チェイスさんは文句言いながらも結構なスピードで引き抜いていく。

 ジュリアスさまも私を降ろしてから水辺に入って行った。


「これどうやって使うの?」

 ルルゥが採取しながら聞いてきたので簡単に説明する。

 お刺身やステーキにちょっとつけて食べたりしか思いつかないけど。

 葉っぱはお浸しっぽく食べる。

「へぇ、じゃあさっきのお肉で試してみましょうねぇ」

 みんなで見つけた場所に群生していた八割くらいを採取したら終了。


 ホットプレートを出して温めてる間にルルゥがアモンさんをお手伝いにして肉を切り分けてアランとジェイクが焼く。


 パバブの根茎の皮を軽く剥いてチーズのおろし器で擦る。

 サメ皮とかないからね。

 ツーンとした匂いが漂ってきた。

 みんなちょっと眉間に皺寄ったよ☆


 葉っぱは湯通しして、ルルゥが持ってきたフリュアの実を煮詰めた醤油もどきで浸してもらって。

 猪ステーキは岩塩で。

 別皿にフリュアソースとパバブを乗せて。

 本当は牛肉で試してみたかったけど、猪っぽいのもきっと合うはず。


「では食べてみよう」

 私はとりあえずソース無しで岩塩とワサビで味の確認。

 ちょっとツーーン!マジで辛めだ。ちょっとにしておいて良かった。でもちょっと野生の臭みがあるお肉がワサビの香りで中和された?


「ッパ!ブゥ!ブェー」

 惜しい!パバブじゃない。

 チェイスさんとジェイクが身体を仰け反らせて咽せた。

 どうやらパバブ一匙分を一気にお肉に付けちゃったみたい。一応説明したんだけど?

「もう!貴方達、本当思い切りが良いわねぇ」

「ふむ。これはなかなか癖になりそうだ」

 ジュリアスさまが気に入ったみたいでお肉に葉っぱのお浸しを巻いて食べたりしてる。


『これ、そこな娘、我にもそれを食べさせてくれんかの?』


 ん?


 どこからか聞いたことのない声が聞こえてきたよ?





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