釣り場の怖い話・第三話 水面の異界
こんな話を聞いた事があります。
母なる海・生なる海…と呼ばれる海、人は海から生まれ海に帰るのです。
死後の魂は海へ帰り、海の向うにはまた別の世界が広がっています。
それは海だからと言うわけでもないようで、小さい大きいに関係なく水面は全てが異界の入り口になりうる
ようです。
釣りの最中に変な音が聞こえたり、誰も居るはずが無いのに視線を感じるなんて言う時には、水面に注意し
なければいけません。
人生を全うして死んだ生命は未練もなく成仏しますが、生への未練や悔いがある霊魂・自分が知らない間に
死んでしまった魂は、水面でうろついている事が多いのです。
悪気はなく寂しいからと言うだけで、あなたを海の中に誘い込むかもしれません。
それはふ、としたきっかけで起こります。
少しだけ連れと離れたときや一人きりになった時や、たまたま水面に手を浸けた時!その一瞬の隙があなた
を引きこむ瞬間になりえるのです。
その瞬間に見えるものは数々の証言からも垣間見えます。九死に一生を得た人の中には、水中に引きこまれ
たとか、昆布のような髪の毛が足に絡んだ…と言う話は数限りありません。
夜の海…一人の釣行はライフジャケットを忘れずに…