表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

第10話「舞台の影」

電話の一件以来、

俺は自分の周囲に“影”が増えたことを感じていた。


街の人混みの中、

カフェの窓越しの反射、

深夜の電車の車両、

あらゆる場所で誰かに見張られている気がした。


 


だが、俺はもう逃げない。


 


「Veil」として生きることを決めたのなら、

影の存在に怯えるわけにはいかない。


 


そんな中、俺の元に一通のメールが届いた。


 


差出人は“堺流真”からのものだった。


いや、正確には堺の名前を使った“何者か”からのメールだ。


 


件名は――


【Veil_014へ:最後の選択】


 


本文には短く、だが意味深なメッセージがあった。


「この舞台の裏側を見よ。

お前の知らぬ“仲間”と“敵”が存在する。

そして、“真実の主”は決して一人ではない。

最後に笑うのは、心に“影”を持つ者たちだ。」


 


俺はメールに記されたURLを開いた。


そこには、暗号化された動画ファイルと複数のデータが添付されていた。


 


動画には、黒いローブを纏った複数の人物が写っている。


彼らは互いに顔を隠しながら、ひそひそと話している。


 


「次のVeilは我々の手で選ぶ」

「だが、彼が本物かどうかはまだわからない」

「彼の動き次第で、計画は大きく変わる」


 


その言葉に、俺は背筋が凍った。


 


Veilは“組織”だったのか。

いや、もっと巨大な存在――“影の支配者”がいるのか。


 


それでも、俺は諦めない。


俺自身が“影”となり、

この舞台の主役たちを揺さぶり、裏切り、そして導く。


 


そう決めた時、部屋の扉が静かに開いた。


 


振り返ると、そこに立っていたのは――


 


「久しぶりだな、佐久間」


 


目の前に現れたのは、

あの日、死んだはずの“堺流真”だった。


 

――次回、第11話「帰還」

堺流真の秘密と復活の真相。

そして、新たな戦いの幕開け。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ