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お姉様、かっ、可愛すぎです!

投稿遅くなってすみません…

「…ア、アリス、ちょっといい…?」


あの話の後、アリスはディアナに呼ばれ、ディアナの部屋にいた。


「お姉様?どうしたの?」


 お姉様が、私の名前を呼んでくれた!?えっ?声、可愛すぎん?録音したい…ッ


アリスは必死に上がりそうな口角を理性で抑え、ディアナを見ていた。


「ありがとう、アリス…お母様の部屋、そのままに、してくれて…」

「ツンデレかよッ!?」


ディアナが顔を逸らしてありがとうと言う姿に、アリスのハートは撃ち抜かれ、思いっきりガッツポーズをした。


「…ありがと…」


アリスが顔を上げ、何度目かの涙を堪えているディアナを見つめた。


 お姉様…可愛すぎてヤバい…


「えっ?可愛すぎんか?ええ?ヤバい、小動物かよ…ッ!」


アリスが膝から崩れ落ちると、ディアナは目を丸くした。


「ア、アリス…大丈夫…?」

「へ?」

「…さっき、可愛いって…」

「…あっ」


アリスは思ったいた事が口に出てしまい、ディアナに丸聞こえだった事に赤面した。ディアナもそんなアリスを見て、赤面した。


 「あら、姫が2人揃って顔を赤くして愛らしいこと」


アンジェリカが心配になり、部屋を覗いていたのだった。しかし、2人が無事に仲直りをしているのを見て自室に戻っていった。

* * *


 それから3日が経った。


「お姉様!お姉様!こちらに綺麗な花があります!」

「ちょっとアリス!速いっ、待って、」


すっかり仲良くなったアリスとディアナは一緒に庭で遊んでいた。その様子を見ていた使用人らは明るさを取り戻したディアナとアリスが仲睦まじく遊んでいるのに安心し、癒されてもいた。


「お姉様!こっち!」

「ア、アリス!そっちには川が…っ」


ディアナが声をかけた瞬間、アリスは足を踏み外し小川へと落ちていってしまうところだった。


「きゃあッ」

「アリス!」


使用人らが急いで駆けつけた。が、2人の元に到着したとき、アリスは光輝く結界のようなものに覆われて宙に浮いていた。


「…アリス、お嬢様…?」


使用人は全員驚いた。その隣で、ディアナが安心たかのように笑顔になった。


「良かった…ま、間に、合った…」


その後、ディアナはゆっくりと、前に突き出していた腕を下ろした。すると、シャボン玉が弾けるように結界が消え、アリスは穏やかに着地して、自分が全く濡れていないことに驚いた。

ディアナはすっかり安心しきり、


「良かっ、た…成功、した…」


と呟いていた。


「…お姉様…これは…っ?」


アリスが心底驚いたと言わんばかりの顔でディアナに話しかけた。


「えへへ…」


ディアナがアリスを見て、疲れた表情から、愛らしく微笑んだ。


「実はね、練習してたの。“重力魔法”の応用。成功して、良かった…濡れたり、してない?」


アリスはディアナの笑顔にほのぼのしていた。


 お姉様、さっき、“重力魔法”って言った…?


アリスは突然、恐怖に襲われた。


 重力魔法は確か、“闇属性”だったはず… っていうことは、ずっと、私たちのせいで闇魔法に目覚めてしまったって思っていたけど…実は、“お姉様はすでに闇魔法に目覚めていて、あのときは、暴走した”っていうこと…?


「アリス?」

「あっ」


ディアナがアリスのことを心配そうに見つめていた。


「やっぱり、どこか濡れていたり…」

「ううん、大丈夫!ありがとう!お姉様!」


アリスは、無理矢理に笑顔をつくり、ディアナの手を引っ張った。


「ほら!お姉様あっち!綺麗なお花!」


そして、2人は駆け出した。


 もし、そうだったら…1回目も2回目も、私の考察が大きく狂っちゃう…“あの事件”だって…

* * *


 「…お前ら…」


執務室で、レグルスは呆れきり、ため息をついていた。その彼の正面には、ずぶ濡れになったアリスとディアナがいた。


「何故…こうなった…?」


2人の少女は目を合わし、苦笑いをした。


「ええっと〜…」

* * *


 昼食のサンドイッチを食べ終わり、アリスとディアナは再び庭に出て行った。


「綺麗な花!」

「でしょ?」


2人は、薔薇などの色とりどりの植物が植えられた園庭のところにいた。


「この花は何て言う名前なの?」


アリスが、園庭の真ん中にあるガゼボの隣に生えている、小さな青い花を指差した。


「これは、勿忘草?どうしてこんなところに…?」


ディアナが花に近付いて、触った。


「あっ、カエル!」

「きゃっ!」


ガゼボの影から突然出てきたカエルに驚き、ディアナは尻もちをついた。


「も、もうっ!びっくりさせないで、」


ディアナが頬を膨らまして怒る姿を見て、アリスはディアナに抱きついた。


「お姉様!大好きっ!」


アリスがディアナに頬を擦り寄せると、ディアナは嬉しくなり、アリスの頭を撫でた。


 すると…

アリスが抱きついた勢いにより、ディアナはグウッとガゼボの周りにある池の方に傾いた。


「…あ、」

「?」


バシャアン!


大きな水飛沫をあげ、2人は池に落ちたのだった―

* * *


 「今日は水に縁が無かっただけですよ」


セイラがアリスとディアナの濡れた体ををタオルで拭いた。


「…明日は、街にでも行きましょうか?」


セイラが呟いた声を聞き、2人は目を輝かせた。


「「本当!?」」


今に飛び上がらんとする2人をセイラはタオルで捕まえ、ニヤリと笑った。


「また、こんな風に衣服を濡らされてしまっては堪りませんから」

「「やったあ!」」

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