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お姉様、初めての家族でのお出かけ!

 ヴィルクは親に無断でグロリアス家屋敷に来ていたらしく、ガーディナー家の筆頭執事に連れて行かれる形で帰っていった。


「ディアに何かしたら、許さないからな?」

「アンタこそ、暴走しないでよ?」

「ったり前だ」


帰り際にアリスに耳打ちをした。ディアナは少し嫉妬をしたように、それを見ていたが、ヴィルクがディアナの方を向いた瞬間、満面の笑みを浮かべた。


「ディア!また来る!今度はアベルも連れて!」

「ええ!いつでもっ!」


そう言って、ヴィルクはディアナに手を振りながら走って馬車に乗り込み、発進した。


「嵐みたいだったね……」

「そうね…」

* * *


 それからの約2ヶ月は特に何も無い、平穏な日々が過ぎていった。アリスはグロリアス家に来てからしばらくが経ったということで家庭教師による勉強が始まり、アンジェリカもグロリアス公爵夫人として、社交界に出るようになった。


「今日は領地でも見に行くか?」


普段通りに美味しい朝食を食べている時だった。レグルスが食べていた手を止め、3人に言った。アリスとアンジェリカが来てから初めての家族でのお出かけに、アリスは大分浮足立っていた。


「初めての家族でのお出かけ!初めて領地に行くのね!」


アリスはルンルンで来ていく服や髪飾りなどを決めていると、オリビアも嬉しそうにしていた。


「お出かけですかぁ、良いですね。私も同行したいところですが…」

「えっ?オリビア行けないの?」

「はい。アルバとセイラが行く代わりに、私はここに残ってろ、との事で」

「そんなぁ…残念…」

「あっ!この服は如何でしょうか?」

「そうね!これにするわ!」


アリスはピンクサファイアの色をした、金色の装飾が散りばめられたものにした。


 「お姉様あぁぁぁぁぁぁ〜!!」

「あら、アリ…」


アリスは勢いよくディアナに抱きついた。案の定、ディアナはアリスを受け止めた。


「アリス?危ないから辞めなさい」

「えへへ」


そんな様子を微笑ましく見ていたレグルスとアンジェリカが2人を馬車に乗るように促す。アリスはディアナの手を引っ張り、馬車に駆けていった。

 馬車の中では、最近あったこと、領地に行ったらすることなどを話し合った。


「ディアナ、アリス、我が家の領地にはどのようなところか分かるか?」

「ええ、勿論ですわ!」


ディアナが自信ありげに答える。


「まず、我が家が統治する領地は大きく分けて3つ、世界有数の魔石などの鉱石産地国のユンラウス皇国の中でも有数の鉱山地帯とその周辺地域、ドラゴンが生息するといわれているナジェ地方、そして、魔物の出現が多い最北端の地、ガラーゼですわ。他にもいくつかの島や土地も所有しておりますが…」

「そうだ。よく学んでいるな、ディアナ。これから行くのは、そのガラーゼだ。」


アリスはほえ〜と思いながら聞いていた。


 知らないよ〜!グロリアス家の領地も、どんなところかもぉ〜 今までの人生で領地なんて行ったことが無いし、まともに勉強したことも無いよぉぉぉぉぉぉお〜ヤバイヤバイ、3回目の人生にして、ツケが回って来た……

* * *


 馬車は順調にユンラウス皇国の北へと走っていった。昼にはセイラとアルバが持ってきたサンドイッチを御者のグレイと共に食べたりした。最北端の地へ向かうともあり、朝に出た筈が、すっかり辺りは暗くなり夜が来ようとしていた。


「近くの町にでも泊まった方が良いかしら?」


アンジェリカが微睡まどろんでいるアリスとディアナを見ながら呟いた。レグルスが窓から周辺を見回す。


「いや、もう山道に差し掛かっているからな。あまり周辺に町や村は無い。大して魔物の出る地域でも無いから、ここらで野営をした方が良さそうだ。グレイと相談してくる」

「分かったわ」

「アルバ、セイラ、2人を起こしてくれ」

「「畏まりました」」

人物紹介

 グレイ(物語中の現在 24歳)

身長    170cm 

好きなもの 人<馬

嫌いなもの 馬が嫌いなやつ(一生意見が合う気がしない)

特技    馬術、馬車の操縦

* * *


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