魂の復帰
ここは、、、どこだ。てか胸が切られたように痛い。涙がながれている感触がする。だんだんと痛みが引いていく。そして、ゆっくりと目を開けた。そこに広がっていたのは、見慣れた風景でもなく、家でもない。そこに広がっていた光景は、、、、
遊園地だ。?
俺の名前は刃金 柔。ちょ、ちょちょちょとまって誰か。チョーっとここどこですの。説明してくれよー。ついさっきまでの記憶がない。俺家にいたんだけどな。てかなんで俺泣いてんだよ。そっと体を起こす。夜か。ここは、、、。すると後ろから風が吹いてきたと同時に誰かが来た。
「!大丈夫?起きたんだね、あ、あの私はリン。え、えっとね。君の仲間の人たちは、ここから逃げるための船を作ってるの。」
自分より背の高い女性がやってきた。ちなみに俺はちびじゃない!
「え、えっと、まずここはどこなんですか?」
と恐る恐る聞いてみる。するとリンは顔に?マークがついたかのような表情を浮かべた。
「もしかして記憶がないの?」
頭を少しかしげながら聞いてくる。勘のいい女だ。年上っぽいし敬語を使うか。
「多分そうかもです。」
リンという女性は驚きながら今の状況を説明してくれた。とりあえず信頼しよう。
まず、今何が起きているのか。話を聞いた感じ俺の住んでいた国「クロエ」が内部から攻撃されたらしい。能力持ちの腐人による攻撃によって。いったん記憶を整理しよう。腐人とは、人間が腐化した状態。腐人の腐液が体内に入ることによって腐化する。腐液とは緑色の液体、唾液と切り替えて腐液を出せる模様。腐人になったものは、理性はない。ただ人間を腐人にするようになる。なぜ、そのような行動をとるのかは不明。しかし腐人には弱点がある。それは人間の時よりHPが少ないため小さいダメージでも負わせると致命傷になりやすい。今まで腐人は無能力者しかならない病気とされ、腐人の数はごくわずかだったので、危機感がなかったらしいが最近多発になっていたため腐人を倒すために結成されたタッグを腐撃団と呼ぶ。俺はそのタッグの一人であった。それも腐人が襲撃しに来る前日が初日だったらしく、まあ簡単に言えば新人の部隊らしい。リンさんの話によると襲撃時、俺の部隊の隊長に運ばれてきたらしい。気絶でもしてたのかな?そして我々の部隊と筆箱隊、魔術隊の3部隊で内部にいた敵と戦ったものの腐人の数が対処できる数ではなくなり、筆箱隊は1人以外壊滅、魔術隊も2人以外壊滅、我々の隊は、隊長と副隊長の二人だけで逃げる時間を作ってくれたらしい。目指すはクロア島という島。ここには最後の防衛が敷かれているらしい。しかしそこに行く道に大量の腐人がいるのため、その横の島、そう今いるククク島ということだ。ククク島は北側がクロエと海を挟んで面している。ので、北から多数来ているらしい。ちなみに俺はその時の大量の腐人の中の一人に切られたらしいがギリのギリで命までは取られず、意識不明の重体だったらしい。能力持ちの理性があってもやることは変わらないらしい。すぐに仲間が助けてくれたみたいで感染せずに済んだらしい。感謝しないとな。でもおかげで、今日のことをぼんやりと思い出しつつある。俺の部隊の人たちにお礼言わないとな。
「色々とありがとうございます。船ってもしかしてククク島からクロア島に行くために作ってるってことですか?」
「そうだよ。柔君でいいんだよね?」
ドキっ。柔君、、君づけ,、、、照れてててんないよ。そ、そんなね。
「何の音?柔君顔赤くなってるよ。大丈夫?」
「へ?全然。全然大丈夫っす。」
慣れないな。柔君呼び。
「何か弟ができたみたい。」
リンさんニコニコなんだが。弟だと。俺16なんだけど―。
「それ、遠回しにちびっていってますよね?」
慌てた様子で訂正してくる。
「違うよ。後輩的な感っ」
その瞬間近くで爆音がなった。リンさんの顔色が変わった。俺にも予感があった。ここももう侵略されつつあるんだと。
「柔君戦えますか?体調が悪いのであれば、南の火山のエリアを抜けた先にみんながいるのでそこまで走ってください。」
もしかしてリンさんだけで戦うのか?さすがに無理があるだろ。一人にはさせられないな。いくか。
「リンさん。僕も戦います!」
一人称俺なのに初対面だと僕になっちゃうな「照」 THE コミュ障かぁー。
リンさんは少しうれしそうだった。
そういえばリンさんは魔術隊の1人だから俺の先輩なのか。見た感じ風の魔法なのかな?
「前からくるよ!」
リンさんが叫ぶ。3体か。俺は刀に手をかける。そう俺には刀がある。
「人間みーっけ。行くぞ兄弟!」
腐人が叫ぶ。しゃ、しゃべったのか。やるしかない。剣を素早く構える。ん?
「火炎魔法 火球【かきゅう】」
魔法持ちの腐人!!理性あるし。火の弾が俺めがけてやってくる。
「柔君ためらちゃだめ。理性があっても話が通じないの。目的は同じみたいだから。」
そうか。やるしかないか。火には火を。
「火炎魔法 炎炎【えんえん】」
俺の魔法は炎。俺の剣に炎を宿らせる。そして火球を真っ二つに切る。切った間から走って懐へ。逃げようとした相手の首を剣で切り落とす。
「風魔法 風狼【ふうろう】」とリンさんが唱えると風で作られた狼の形が残りの2体を後ろから噛みちぎった。
倒した敵は、灰のようにちりじりになり消えた。
「柔君、火の魔法なんだね。うちのリーダといっしょじゃんかー」
「(そs、そうなのか。)はい!」
おかしい。そうか俺たちの国クロエが襲撃に敗北した理由が魔法持ちの腐人。しかも理性まで。理性持ってんだったらやめてくれよ。
「私はこの島の北、そう前線に援護しに行くから。まだ人々が避難しきれてないの。南の船まで護衛しないと。」
少し焦った顔をして言ってくる。ここまで腐人がきているからか。どうせ行くなら誰かの役に立ちたいから俺も行くか。
「俺も行きます」