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【明晰夢】+【白昼夢】=?

作者: 輪目唯貝

 私、明瀬夢乃(あかせゆめの)は、少し美人な普通の女子高生だ。

 ...明晰夢と白昼夢を毎日見る以外は...


 これには本当に参っていた。

 夢を自由自在にコントロールすることは勿論、現実の五感もある程度コントロールすることが出来てしまう。...まぁ勿論他人の五感は変えられないけど。


 前に何でこんなことになるのか自分で調べたことがある。


 明晰夢は、夢を見ているときに脳の前頭葉という部分が半覚醒状態になると起きるらしい。おそらくそれは私もそうなのだろうけど、私の場合、文字通り夢を()()()()()変えられるのだ。魔法を使えたり、死んだり、一瞬で年をとったり。

 夢なんだから当たり前と思うかもしれないが、私は死ぬ感覚を知らないし、どうやったら魔法を使えるのかもわからない。自分の常識以外のことを再現するのは、夢でも難しいのだ。


 明晰夢はまだ良い。問題は白昼夢だ。

 白昼夢は簡単に言うと、幻が見えると思い込んで、本当に見えていると勘違いしている状態だ。ほとんど精神の病気と同じ。だから正直、かなり心配になる。脳と心がおかしくなってるんだろうか...


 こんな感じでいくら調べてもわからなかった。多分私だけの特殊体質かなんか何だと思う。

 だから私は吹っ切れてこの特殊能力(?)を使いまくって、人生を楽しく生きている。皆には見えていないペットを飼ったり、夢の中で勉強をして好成績をとったり、私以外の生き物が存在しない世界で過ごしてみたり、面白いことが出来た。


 そんなある日、私は暇だった(友達が居ないから)ので、ある一人のクラスメイトの目の前に龍もどきを出してみた。勿論自分以外には見えないので、本来なら何の意味も無いことなのだが...


「きゃっ!? ...え? なに、これ... え? 幻? 夢? え? 私おかしくなった?」


 ...は?


 え... 見えてる?


 と、とりあえず消そう。


 私は急いで龍もどきを消し、急いでその場から離れようとした...が...


「あっ! き、消えた... ヤバい、私疲れてんのかな... ! あ、あの! 今、ここに居たやつ見えましたか!」


 ビクッ!


 それには失敗し、話しかけられてしまった。

 なんとかごまかそうと、落ち着いてキャラをかぶる。


「え、あ、えっと、何のことでしょう? 何かここに居たんでしょうか?」


 こう答える。

 こうすればきっと、相手も自分の見間違いだったと思うはず。ていうかお願いだからそう思って!


「ご、ごめんなさい。多分私の見間違いでした。 ...やっぱり疲れてんのかな...」


 や、やばかったー。

 ごまかせて良かった...


 それにしても...何で急に私の特殊能力が他人にも見えるようになったんだ?

 これは調べなくては!

 私の人生、もっと面白くなるぞぉ、これは!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 まずは、何でこんなことが起きたのか、考えてみる。


 1,あのクラスメイトが本当に疲れてて、本物の幻覚を見た。

 2,私が能力を使ったのと同じタイミングで、本物のお化けかなんかが出た。

 3,私の能力は体質でも何でも無くて、本物の超能力。それが沢山使っていくうちに進化した。

 4,あのクラスメイトが私の体質を知っていて、からかってるだけ。



 4は違うと思う。能力を発動するタイミングがわからない。もしあのクラスメイトが心を読める、みたいな超能力を持ってたら話は別だけど。


 てことで候補は3つになったけど、一番現実的に考えるなら1だ。

 2は、お化けみたいな物が居ることが大前提だし、3は、超能力がこの世に存在することが大前提だ。普通に考えてあり得ない。

 でも、1は確率的に考えるとありえない。

 偶然あのクラスメイトが幻覚を見るほど疲れていて、その幻覚を見たタイミング、幻覚が消えたタイミングが、私の能力のタイミングと同じだった、なんて天文学的確率だ。


 そうなると1番あり得そうなのは3だ。実際、私には他の人には出来ない特別な力がある。この力が超能力である可能性は少なからずあるはず。

 でもそうなると、超能力があれば出来る4が復活するんだよね。


 ...うーむ。やっぱり試してみるのが一番か。

 道ばたを猫が歩いてるとかだったら別に普通のことだから、それで試そう。そして、皆がそれに反応したら、3が正しいってことになると思う。


 とりあえず放課後まで待とうかね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「あ! 見て見て! あそこ猫が居る! さわりに行こうよ!」


 ! 見れるんだ! いや、周りに本物の猫が居る可能性も...居ない!


「おっ、マジだ。逃げねぇかな。 ...よしっと。ふわふわだな!」


 あっ、消すの忘れてた! ヤバい放して貰えるk...触れてる?

 これまでは白昼夢の力で触覚を誤認させて触ってる感触を出すことは出来たけど、実際にそこにあるわけじゃ無いから、手はすり抜けて貫通してしまう。

 それなのに今回は普通に触れてる。


 うん。確信した。これはやっぱり私の超能力が進化したんだ!


 【明晰夢】、夢を自由自在にコントロールする超能力。

 【白昼夢】、夢を現実に持ってくる超能力。

 この2つを使えば、面白可笑しい人生を送れそう!

 これから何しようかな!


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