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003 『出立と熟睡』 春の一月、二の日

 馬場和子です。


 昨日、天使さまに出会いました。

 何やら新しく村を作ったので村人を募集しているようです。

 そんな天使さまのアフターケアに便乗してあたしはお引越しを開始です。


 と、言いましても荷物などがあるはずもなく仮住まいに挨拶を済ませるぐらいなのですけどね。



 ――――――――――――――



 ■帝国歴308年 春の一月、二の日■


 翌日になり都市の正門で天使さまと待ち合わせです。

 どこから聞きつけたのかお世話になった方々があたしを見送りに来てくださいました。

 そりゃ~あれだけ盛大に表立ってビラ撒いたらわかるさ~ですって。確かに!

 来てくださったのは便利屋稼業でお仕事をさせていただいた方々ですね。

 アレもコレもと色々な物を頂いてしまいました。

 食べれるものが大半なので嬉しいです。

 どうしましょ? 結構な量で持ち切らないどころではなくなりました。

 あたしってば……こんなに好かれていたんですね? 知らなかったです。

 あたしはヘアバンドをクッとあげていつもの決め台詞を放ちます「便利屋カズコにお任せを!」見送りに来ていただいた人々ありがとうございます。

 深々と頭を下げヘアバンドを元に戻します。


挿絵(By みてみん)


 あ! いいところに天使さまが!


「ちょっと餞別をお貰いすぎちゃいまして……アハハ」


 目を見開いて驚く天使さまが横にいた執事風の老人に何かを告げています。


 しばらくすると赤い馬に引かれて馬車がやってきました。

 何やら食料が積まれている荷台に餞別の荷物を追加させていただき、新しい村に向かうことになりました。


 盛大にそして大勢に見送られたのは恥ずかしかったです……。


 都市の正門からでた馬車はいきなり道をそれて右へ右へと向かいます。

 どこに行くんでしょうか? というか村でしたね。


「村ってどこにあるんですか?」


 村の所在地なのですが魔界ZONEにあるそうです。

 さすがは神様・天使さま! 悪魔にも喧嘩を売る所業ですね。

 伊達じゃありません!! GODっす! ザッツ!にならないことを祈ります。


 川を隔てて手前側は人界ゾーン、奥側に村があり魔界ZONEに該当するのだそうです。

 人界ゾーンと魔界ZONEの違いは月と太陽なんですって。

 人界ゾーンは太陽の影響が強く、太陽の事をホーリーサンと呼びます。

 魔界ZONEは月の影響が強くて、月の事はバッドムーンと呼びます。


 どれぐらいの影響なんでしょうねー?


 ちなみに村は魔界ZONEの中で人族エリアを確立しているそうです。

 さっぱり何のことなのだか分かりません。

 そんなときは、お絵描きですね!


「位置関係など分かりやすく地図など書けますか?」


挿絵(By みてみん)


 天使さまありがとうございます。

 あとで右隅にでもサインをもらっておくとします。


 ん~。

 これはちょっと危険な場所なのかもしれませんね。

 と思いながらも昨日の夜更かしが(たた)りウトウトと――。


 ん? 何だか声がしますね。

 夢でしょうか?



「わたくし、ようやく見つけられました。今までビクトリア様だとばかり思っておりましたので。申し訳ないです」


「そうなの~ちょっと焼けちゃうけど? それで? どうするの?」


「どうもしませんな、ただ見守るだけにございます」


「私もこの子のステータスを覗いてびっくりしたもの~」


「左様でございましたか」



 子守歌のような喋り声が微かに聞こえていたのが良かったのかぐっすりと寝れました。


 アレですよ!

 旅行前の日にワクワクしてしまって寝れなかったという噂の体験ができました!

 その代償で当日の旅を寝て過ごしてしまうという失態。シーンかむばーく!

 もちろん返ってくることが無いのは知ってますけどね?

 どれぐらい寝てたのでしょうか?


「おはようございます……で合ってますか?」


「あってるわよ~よく寝てたわね。もう朝よ?」


「えっと~朝に出発しましたよね? まだ朝なのでしょうか?」


「そうよ~次の日のね?」



 ――――――――――――――

 ■後書き■

 今日の達成した出来事

・丸一日寝る


 正直に言います!

 寝て起きたら次の日でした……当たり前です。

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