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011 『危機と飢餓』

 馬場和子です。


 幸いにも全員無事離脱できましたので当初の目的を果たしたいと思います。



 ベヒモスってば最上位精霊なんですってー。


 誰の陰謀ですかー?

 話が大きすぎて処理に困る案件ですね。

 ヘアバンドを元に戻します。

 処理できそうな案件から片付けることにします。



 ――――――――――――――



 ■帝国歴308年 春の一月、五の日(午後)■



 色々と聞き取り調査を行います。


 街を自然に作る以外は精霊さんの力を借りる。

 ふむふむ。

 それで?

 精霊さんは力を溜めて昇格できる。

 なるほど。

 精霊の力が増した分、あたし達も恩恵に授かれる。

 なるほどー。


 精霊さんが重要って所は理解しました。


 うちの街の精霊はそのなんとかっていうやつなんですね。


 なんでしたっけ?

 フォーセリア?


 そうですかー。


 昇格って何ですか?


 下位精霊は上位精霊に、上位精霊は大精霊になれるかもしれないとの事です。


 スケールが大きすぎて「ふーん」と返事しておきました。


 思ったほど興味はわきませんでした。現実感がなさ過ぎます。さっきのは夢だったのかもしれません。夢だと思いたいだけです。



 あたし達は話をしながら目的地に向かって進んでいます。


「見えてきましたねーあれですか?」


 (ひど)い目にあったので、ゆっくりさせてもらえるといいですね。



 ダメでした。アウトでした。

 こちらもそれどころではありませんでした。

 一難去ってまた一難とはこのことですか?



 夜更けに近づいた頃なのに到着した村には、全く人気ひとけがありません。

 灯りの一つも灯っていません。ですが、死臭まではしない気がします……知らないだけですが。

 もっと無臭に限りなく近い感じです。生活臭がゼロです!


 村人はどこかに避難ひなんか隠れているかもしれません。なにせ近くにベヒモスが居ましたしね。あり得る話です。


 一番大きなお家にお邪魔することにしました。


 寄り合うような状態で人々が倒れ込んでいます。


 声を掛けてみますが返事できる状態の人が全くいません。

 だれもかれもが力無くグッタリとしています。

 わずかながら反応がある少年に水を差し出します。

 ほとんどの水がこぼれ落ちましたが、若干ながら補水できた様で反応が少し強くなりました。

 何かを伝えようとしてきますが声が出てこない様子です。


 姫さまと私以外の2名+1は他の家々に向かいました。


「姫さまどう思います? 病気か何かでしょうか?」


 首を振る姫さま。

 やはり分かりませんか?

 首をさらに振る姫さま。


餓死がし寸前だと思う」間延び口調でない姫さまがいいます。ベヒモス以上の衝撃なのでしょう。


 魔獣云々ではなく、飢餓キガによる餓死寸前だと姫さまがいいます。

 確かに外傷はなさそうですし。顔色は悪いですけど。皮膚の色が変わっているような感じは見受けられません。

 ほぼその状態で間違いありません。

 では? どうすればいいのでしょう?


 姫さまがスペインさんを呼び戻してきました。

 そして、試験管の様な容器から赤い液体を少しずつみんなに飲ませていきます。

 赤い液体を含むことが出来た人から顔色が良くなっていきます。

 根本的な解決法は食事をさせるしか無い様で炊き出しの要請があたしに入りました。

 最初は固形物の無いスープが必要との事です。

 お任せください!


 この家の台所をお借りします。

 棚には食材はおろか調味料らしき物まで見当たりません。

 あらゆる入れ物が空です。

 あたしは自らのポーチからお肉の塊を取り出し大きな鍋に入れます。

 スペインさんの赤い紙でかまどに火を入れます。薪は《まき》はありがたい事に残っていましたので助かりました。

 お水。お水。ひとまずあたしの分の飲み水を鍋に入れます。

 火をくべた鍋から湯気が上がり始めます。

 お野菜を短剣で小さく切っていきます。種類はニンジン・タマネギ・ジャガイモです。

 お腹にやさしくするためにお味噌を投入です。

 味噌があるので醤油もあるのですが。今回は味噌だけの味で豚汁系のお味噌汁です。

 ちなみにカレーのスパイスは高くて今のところ購入出来ていません。

 お肉が獣の肉なので獣汁です。

 固形の具はあたし達のご飯にでもしましょう。必要なのは栄養素です!

 丁寧に混ぜ小さいジャガイモ達が崩れるぐらいまで煮込みます。

 何人分ぐらい必要なのでしょうか?

 ともかく一度に作れるだけの目一杯の量を作っていきます。


 姫さまが匂いにつられてやってきました。

 そろそろいい感じですよ? 味見します?

 前髪が邪魔になったのでヘアバンドでたくし上げます。

 あ! 姫さま姫さま?

 確か、村って他にもありませんでしたっけ?


 姫さまが慌ててつまずいて、こけそうになってらっしゃいます。見ていませんよ?

 非常時ですが可愛いです。ドジっ娘属性もありそうですね。でも、コケるのはあたしの近くにいる時にお願いしますね。ラッキーすけべを期待していますので……。



 アイスさんとスペインさんが個別で残りの村に向かう事になりました。

 こちらが落ち着き次第、あたし達も合流する手筈です。

 暗い道中ですが大丈夫ですか?


「アシュ。あと二つ村があるの……それで」アシュリーに出来る事。この後の言葉を考えます。


「わかったのー!」そういうとベヒモスの時のように高く飛び上がります。

「見えたのー!」びゅーんと飛んで行って消えました……。


 高くからだと村が見えるようですね。

 方角も間違いが無いようです。


 あちらも同じ状態か分かりませんが二人は二手に分かれ早急に駆けつけるそうです。

 赤い液体を2人で分けたあと一目散に走って行きました。


 他の村が無事である事を祈ります。


 炊き出しの栄養価が高そうなスープを完成させました。

 お肉の表面も炊きあがっていい色になりましたので限界まで薄く切って少しだけ入れてみました。

 村の人々は液体は飲むことができましたが、やはり固形物は含むことができなかったようです。

 あたし達はロースト状態になったお肉付きを食べます。

 美味しいので明日以降食べれる様になったらいっぱい食べて頂きたいです。

 大鍋には大量のスープが残っています。

 他の村も心配ですが二人の報告……もしくはアシュリーの帰りを待ちましょう。


 今日の所は各家から掻き集めた毛布などで村人に寝台をあてがい就寝の準備をします。



 ――――――――――――――

 ■後書き■

 現在の人口:5名

 やりたいことリスト(今日の達成した出来事)

・達成なし(新しい村人候補に会う)


 ■後日談■

 スペインさんに聞いたのですが。

 なんでも赤い液体は体力を回復させるポーション。

 ポーションの効果は色により違うそうです。

 病院でする点滴のような代用食が可能なポーションが無いのか聞いてみた所、残念ながら存在しないとの事。

 スペインさんは盲点だったらしく帰ったら作製するとの事でした。


 正直に言います!

 本文でポーションの説明を書きたくても書けませんでした!……カズコです。

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