第83話 体全体が大きくなったからだと思う
言霊真神拳
高速乱射両手剛拳停止皆無
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!
変形して、見た目も力もアップしたロボ人の連続攻撃がホスマンを捉える。
「ガハァ!!!!」
それでもホスマンは足をガクガクさせながら、その場にずっと立ち続ける。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!
しかしロボ人は攻撃をやめない。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!
幾重にも放ち続ける拳。何十回、いや何百回か放ったのち。
カション!!
それは1度のパンチの不発であった。
あまりにも変形しなれていない姿での攻撃。ロボ人自身もその感覚を思い出しながらパンチを放っていたのである。そんな中発生した、数百分の1の確率でのミス。ホスマンはその1度のミス。時間にして言えばコンマ数秒。その隙を見過ごさなかった。
最強エルボー
ドガァァァァァァァァァァァァァァンンンンンン!!!!
ホスマンの必殺技がロボ人にクリーンヒットした。
グラァ!!!!
その衝撃でロボ人は体制を崩した。ホスマンはさらにその好機に畳み掛ける。
最強ドロップキック
ズガァァァァァァァァァァァァァァンンンンンン!!!!
ホスマンの必殺技に再び体制を崩したロボ人。その隙をなおも見過ごすことなく、ホスマンはロボ人の背後へと回り、先ほどのようにロボ人の腰に両手を回してつかんだ。
最強ジャーマンスープレックス
バギャァァァァァァァァァァァァァァァァンンンンンン!!!!
ロボ人は自分よりもはるかに小さなホスマンによって投げられた。その勢いは凄まじく、投げ技を決められたロボ人はその上半身が地面にめり込むほどであった。
「はぁはぁはぁはぁ」
とはいえ、投げたホスマンもロボ人からの度重なる連打によって満身創痍であった。
「これで終わってくれると嬉しいんだけどね・・・・。僕自身、ここまで攻撃を受けたのは何年ぶりだろう!!そして、こんなに苦戦しているのは何年ぶりだろう!!本当は戦いを楽しみたいのだけれど、なかなかそうも言っていられないね」
弱音にも聞こえるし、余裕のようにも聞こえる。そんなはっきりとしない感情がほんのり乗ったような口調でホスマンは言った。
「んぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!!」
とてもこもった声が聞こえる。その声の主はもちろん、気をつけをしたまま上半身が地面に埋まっている状態のロボ人であった。
その気をつけをした両手の指の第二関節くらいまでが地面の外に出ている。ロボ人は、その第二関節部分を曲げ、地面に引っ掛けることで埋まった部分を引き抜こうとしていた。
ガラガラ・・・・・・
ガラガラ・・・・・・
ガラガラ・・・・・・
スッポォォォォォォォォォォンンンン!!!!
見事にロボ人の上半身は抜けたのである。
その姿を見ていたホスマンは、まるでアメリカ人がやるような"やれやれ"といったジェスチャーをして見せた。
「さすがでござる!!拙者は正直、このまま力で押し込めばお主に勝てると思っていたでござる。自身のおごりを恥じ、お主の強さを称賛するでござる!!と同時に、これからは本気でいかせていただくでござる!!」
「こりゃあ参ったなぁ・・・・!!!!全然効いていなじゃないか!!」
そう。ロボ人はホスマンのコンビネーション攻撃を食らってはいたが、実質ダメージを受けてはいなかったのである。
「どうやら僕では君に勝てそうにないよ!!残念・・・・」
まるでセリフを読んでいるかのようにホスマンは言った。
「その割には、何やら余裕でござるな!!」
「いやね!!君に勝つ方法がないわけではないんだ!!ただね、これは僕の美学に反するというかね・・・・」
「まどろっこしいでござるね!!!!COFFEE BEANSなのでござろう!!」
「!!!!!!」
えっ??なぜそれを??といった顔をしたホスマンであったが、ロボ人はデスク城の隊長たちはみんなCOFFEE BEANSを持っているのであろう予測を立てていたのである。
「拙者はお主の全力と戦わなければ真の武人にはなれないと思っているのでござる!!」
「はははは!!大丈夫だよ!!だってCOFFEE BEANSを使うってことはドーピングするようなものだよ!!そんな僕に負けようとも、いわゆる反則負けとして、君の勝ちのようなものだよ!!」
「いや、これは試合ではござらん!!勝負なのでござる!!勝負というのは、その人が持っている力をすべて出し切ることこそが、その人の本気になるのでござる!!拙者が変形するために使ったパーツが、拙者の武器であるように、お主のCOFFEE BEANSもまた、デスク軍に所属することで手に入れたお主の立派な武器なのでござる!!少なくとも拙者は、お主がCOFFEE BEANSを使ったからといって、反則などとは思わないのでござる!!むしろ、COFFEE BEANSを使わなかったお主に勝って喜ぶ自分こそ、ズルして世界一の武人を名乗る卑怯者だと思うのでござる!!」
「はぁ〜〜〜〜。君は本当に心まで武人なんだね!!少なくともCOFFEE BEANSを僕が使ったところで、心までは強くなれないよ!!ということはね、心の勝負だけで言えば、すでに君に勝敗が上がっていると思うよ!!・・・・う〜ん、そうだね。それなら、僕も開き直って力の勝負は勝たせてもらっても良いのかもね!!」
そういうとホスマンは自身の履いているパンツの中からCOFFEE BEANSを取り出した。
「どっから出してんのよぉぉぉぉ!!!!」
今まで、固唾を飲んでロボ人とホスマンのバトルを見守っていたイアリであったが、さすがに辛抱たまらず突っ込んでしまった。
ポイッ!!!!
そんなイアリのツッコミを誰も拾うことはなかった。そして、そのままホスマンはCOFFEE BEANSを飲口に入れた。
カリッ!!
モグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグモグ・・・・
「いつまで咀嚼してんのよぉぉぉぉ!!!!」
今まで、固唾を飲んでロボ人とホスマンのバトルを見守っていたイアリであったが、さすがに辛抱たまらず突っ込んでしまった。Part2
ゴックン!!!!
ホスマンのCOFFEE BEANSを飲み込む音が広間に力強く響いた。
ピカーーーーーー!!!!
COFFEE BEANSを食べたホスマンからまばゆい光が放出された。
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
ピカーーーーーー!!!!
「いつまで光ってんのよぉぉぉぉ!!!!」
今まで、固唾を飲んでロボ人とホスマンのバトルを見守っていたイアリであったが、さすがに辛抱たまらず突っ込んでしまった。Part3
そんなイアリのツッコミも虚しく光は広間をなおも照らし続けた。
そして、ようやく光が落ち着いてきたかなと思いはじめたのだが、今までの光の収まり方と比べるとなんだか遅い。
その謎は、そんな中でも少しずつ弱くなっていく光を見ていてはじめて理解することができた。
「あいつ光ってね????」
バンプは光の中にいるホスマンのシルエットを捉えるなり言った。
「どうやら輝いているようでござる!!」
COFFEE BEANSを食べたホスマンの体型は変形したロボ人と同じくらいにまでパワーアップした。しかしシルエット的には先ほどまでとさほど違わない。ただ明らかに変わっている点があった。それがホスマンの全身から放たれている光である。
そうホスマンの異形さとはその全身の色だったのだ。まるで金粉でも塗ったかのようなピカピカした全身は、薄暗かったはずの広間を影がはっきり見えるほどに照らした。
「これもまたこれで、異形といえば異形よね!!」
「あぁ、そうだな!!」
イアリのつぶやきにバンプがさらっと答えた。
「あれ????あそこ見てみ!!!!」
バンプがイアリに言った。
そう。実は皮膚の色以外にも、明らかに先ほどと変わっているところがあった。それはホスマンのパンツの色である。変身前までの蛍光色の強い青色とは異なり、今のパンツは真っ黒になっていた。さらに、そのパンツの真ん中には"ピンそば10cm"と書かれていたのである。
「ちょっとピンから離れたな・・・・」
バンプがぼそりと呟いた。
「えぇ、体全体が大きくなったからではないかしら・・・・」
イアリも冷静にバンプの言葉に返した。
「いやいやいやいや!!!!この輝き!!まさしくエンターテイナー!!君の言葉に甘えさせてもらったけれど、そこに恩を感じて手加減をするつもりはないからね!!」
金色に輝くホスマンは、今まで以上のテンションの高さで言った。
「もちろんでござる!!拙者も全くそんなつもりはなかったのでござる!!全力で来てくれて構わないでござる!!」
「はははははははは!!では、そうするとしよう!!」
超最強タックル
ドギャラバガズガバーーーーーーーーンンンン!!!!
金色ホスマンのタックルがロボ人に直撃した。
ズガラガラガラガラバガズガーーーーーーンンンン!!!!
金色ホスマンによって弾き飛ばされたロボ人は広間の壁に激突した。
「いやぁ〜!!!!金キンに体があったまってきたよぉぉぉぉ!!」
金色ホスマンは、ピカピカの顔で余裕の表情を浮かべて言った。