第2話 新たな目覚め
「…ほさん …あかほさーん…あかほさーん!」
「…ん?こ、ここは…?」
「目覚めましたか。ここは病院です。赤穂さんはあの謎の怪物の目の前で倒れてたんですよ。」
そうか。俺、生きてたか。よかったー。絶対死んだと思ってたわ。
「龍太!」「龍太!無事か!」
「おー母さん父さん。大丈夫だぁ。」
「あんたはホントにもう!どうせまた正義がとかわけわからん事いってあんな所いったんでしょ!親の気持ちも考えなさいよ!」
さすがは我が親。よくわかってらっしゃる。
「それでもよかったな。あんな怪物の目の前にいたのにかすり傷程度で気絶してただけだなんて。本当によかった。」
え?かすり傷?
確かに痛みはちっとも無かった。
しかしそんなはずはない。あの時、怪物に空中に飛ばされるくらいの強さで殴られたんだ。
爪もあり、大きな傷をつけられた感覚もあった。
かすり傷程度で済んでいるわけがなかった。
「今日は念の為、精密検査で1日入院しましょう。」
「はい。よろしくお願いします。」
俺が気絶して半日は経っていた。
世間はあの怪物の話題で持ちきりだ。
ただあの女の子の事は何の情報もなかった。
怪物が建物を破壊し、謎の死を遂げた。
そして近くにいた男子高校生(俺)が軽傷。
ニュースなどで報道されていたのはこれだけだった。
怪物は一体どこからやってきたのか
これからまた現れるのか
全ては謎に包まれている。だいたいこんな感じかな。
翌朝、俺は何も問題なかった為退院した。
特にやる事もなかったから昼から学校に行く事にした。
「柊様、例の高校生が学校に向かってます。」
「人気の無い所で捕まえなさい。」
ガバッ!
「んあ!?ちょっ!お前ら!な、に…」
…
「ん…ここは」
誰かに捕まった。まさかあんなベタな拉致り方で捕まるとは、、。最近変な事が多すぎて全然動揺しなかった。
「目覚めたわね。」
「あんた…誰だよ?」
「私の名前は柊 佑。あなたの命を救った人って言えばわかるかな?」
俺はハッとした。
俺はやはりあの時、怪物にやられて死んだか重傷を負ったんだ。それでこの…
「オカマ?」
「違うわよ!バイよ!」
どうやら違うようだ。
「あんたが俺を助けてくれたのか?」
「ええ、そうよ。初回からいきなり被害者が出ちゃったら大問題だったのよ。私のミスでもあったし、」
「あなたを救ったのはこの薬。一か八かだったけどあなたは生き残った。自分の生命力に感謝しなさい。」
薬?生命力?何を言っているんだ?
「この薬は細胞超強化薬。細胞を活性化させ、通常ではあり得ないくらいの力とエネルギーを手にする事ができる。これであなたの傷もすぐに癒えたのよ。」
「そんな事あり得るのか!?」
「この薬は現代の医学ではまず作れない。これは未来の技術で作られたもの。そして…この子も」
「あ…!あの時の女の子!!」