第1話 エイエンマン
2008年
じこしょうかい
あかほ りゅうた
しょうらいのゆめ
エイエンマン
「お!龍太くんエイエンマンになりたいのね!」
「そうなんだ!先生!龍太、エイエンマンになって世界の人達を悪いやつから救うんだ!」
「なれるわよ!龍太くんなら!」
2020年
進路希望
赤穂 龍太
エイエンマン
「…おい、赤穂。これは何だ?」
「エイエンマンです。」
「いや、そうじゃなくて」
「エイエンマ」
「赤穂ぉぉぉぉ!!オマエは高校生にもなって◎△$♪×¥●&%#?!」
…
「田島(先生)のやろー、怒鳴るこたぁないよな?」
「いや、龍太も決まってないんなら適当に進学希望とかって書いとけばいいんじゃないの?それとも本気でエイエンマン(笑)になるつもり?」
「バーカ、んなわけないだろ」
とは言ったが、正義の味方にはなりたいとは思っている。なんでもいい。誰かを救う何かに。ただ頭は良くないし、身体能力だってそれほど良いわけでもない。
ちゃんと決まらないと書きたくないんだよあんなもん。
俺の名は赤穂龍太。高校2年生。普通の。
小さい頃から「あ!ベンチャーズ!」のエイエンマンが好きだった。チームのリーダーで市民の危機に必ず現れる正義のヒーロー。今も部屋にはエイエンマンのグッズでいっぱいだ。エイエンマンになりたい。小さい頃は本気でエイエンマンになれるって思ってた。
その影響もあってか、強くもないくせに困ってる人がいたら助けたくなる。
「じゃあな、エイエンマン笑」
「うるせー、エイエーキックくらわすぞ笑」
とりあえず何も考えず、自由気ままに暮らし
何か目指すものが見つかり、何かしらの正義の仕事をする。
俺の人生、そんな感じだろうと思っていた。
この日までは。
「ぎゃぁぁぁ!!」 「うわぁぁぁ!!」
ん?叫び声?まさか…通り魔か!?
俺は声がする方に走った。誰かが助けを求めてる!
こうゆう時の為に俺は格闘技を(かじった程度)習ったんだ。絶対に大丈夫。
そして声のする方についた。
俺はその光景に目を疑った。
目の前に怪物がいる。
なんだこれ?映画の撮影?
だが建物やらが壊れてるのを見る限り
これは本当に起こっている事かも…
俺は逃げた。
猛ダッシュで逃げた。
ヘタレとかその次元じゃない。これは逃げないと死ぬ。そう思った。
追いかけてないかと後ろを見てまた目を疑った。
女の子が怪物の目の前に立っている。
え?なんであんな所で突っ立ってんの?
怖くて動けなくなったのか?
怪物が女の子を襲おうとしていた。
おい。逃げるのか俺。
女の子が襲われようとしている。
でも俺が行ったって死ぬだけだ。
しかし、ここで俺の頭の中で
エイエンマンが頭をよぎってしまった。
『私はエイエンマン!人々を守るのが私の使命!』
「う…うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
その辺に落ちてたパイプを持って俺は怪物に向かって走った。女の子の前に立ち、怪物に攻撃した。
が
俺は空高く飛ばされた。
一瞬すぎてわからなかったが、たぶん殴られたんだろう。地面に体がぶつかった。あ…たぶん死んだはこれ…。そう思った。
あの女の子は…?大丈夫だろうか…
力を振り絞り、怪物の方に目をやった。
すると怪物は死んでいたのだ。女の子の前で。
え?女の子が倒したのか…?どうやって…?
あ…わかってもしょうがないか…もう……し…
「あーあー。派手にやってくれたねーセイラちゃん。まぁ市民に被害者は出てないからいっ…」
「ってええええ!?この子死んでんじゃん!え!?セイラちゃんどしたの!?え!?初回から被害者が出ちゃったら国や組織からなんて言われるか…」
「知らない…突然目の前に現れて自殺した」
「…もしかしてこの子、セイラちゃんを助けようとして…はぁ…この令和の時代にこんな正義感の強い男がいるなんて…」
「しかし私の計画が甘かったのも事実。まだ認証されてないけど…一か八か、使ってみるか」
「未来の技術で生まれた、この薬を」