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2-18 魔獣八手入門

よろしくお願いします。

※※本日2話目です。ご注意ください※※


 家に帰ると、玄関の戸が閉まった瞬間にすぐさま襲われた。

 長いキスをして、どちらからともなく唇を離す。


「今日のコウヤ、凄くカッコ良かった」


 鼻の頭が触れるほどの距離。

 潤んだ瞳が俺の瞳を覗き込み、甘い息が唇を撫でる。


「いつもは?」


「凄くカッコいいわ」


 その場で伝説の魔獣機バハムートが召喚され、バハムート対蜜技の白熱した戦いが始まった。白くて熱い戦いだ!

 シャ、シャイニングブラスター! ニャーッ絶品ッ!


 3時間ほどロロと休憩し、休憩。

 ……あ、あれ? 言葉がおかしいな。


「ロロ、1時間くらい一人になりたいんだけど、良いか?」


「えぇーどうしてぇ? 寂しいんだけど。やだなぁ、一緒にいたいなぁ」


 眉を八の字にして、ロロが言う。


 そう言えば、ロロはここ数日、全く他のことをしないな。

 例えば、ソシャゲとか、アニメ鑑賞とか、フィギュア鑑賞とか。俺と暮らし始めてから、ロロはそれらに時間を結構費やしていたんだけど。

 それがほとんどなくなった。落ち着いたらまた始めるのかな?


 それはともかく。


「ちょっと調べたいことがあってさ」


「じゃあギュッてしてるから調べていいよ?」


 ロロが俺をコロンと回して、背中に乗ってギュッとしてきた。

 非常に素晴らしい感触だが……


「ごめんね。一人で調べたいんだ。その後、また、ね?」


「ふぐぅ、じゃああと3時間くらいチューしよう?」


「長い長い。10分ね。それで我慢して」


「ひぅうう……」


 チューと言っておきながら、ドレインが始まった。

 シャイニングブラスター! ニャーッおかわりぃ!


 さて。

 本日は非常に疲れているが、ロロが元気いっぱいだ。

 もはや睡眠時間が犠牲になることは間違いあるまい。ふふっ、明日も『ガンバル今日戦士 デトネイション』のお世話になるしかないな。

 フィーちゃんに相談して、明後日は絶対に休日にしよう。死ぬ。


 というわけで、どうせ眠れないならコイツを調べてしまった方が絶対に良い。色々と良い。


 俺は一人で炬燵に潜り、リンゴジュースを飲みながらゼットを開いた。


 魔獣八手。


 俺は早速禁断の扉を開いた。

 すでにロロから施されたチャイルドロックは解除されている。そこら辺は抜かりない。


 まず検索して一番上にあったページを開いてみる。


『魔獣八手 ~今日から始める漢の反撃~』


 いや、別に反撃というほど一方的な感じではないんだけどな。

 まあいいや、レオニードさんの言葉に間違いはないのだ。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<


 初めに。

 このページを開いた諸君は、恐らく同一の悩みを抱いていることだろう。

 すなわち、蜜技には勝てないよ、と。


 確かに、蜜技は強い。

 基礎である壱の愛からして、不慣れな君たちには衝撃的だったはずだ。

『温水宝玉包み』はズルい。あんなの気持ちいいに決まっている。

『スライム爆竜』も単純にして恐ろしい技だ。


 弐の愛になれば、やはり『無限渓谷』あるいは『水門竜』だろうか?

 人気があるのは『流転花』だが、あれは女性も覚悟が必要な分、未だお目に掛かっていない者もいることだろう。


 参の愛に突入したならば、諸君らはもはや虜になっているはずだ。

『天地振動』『不帰の洞穴』『飛天スライム落とし』『桜花竜食陣』『花落ち』……

 多彩な技の数々が諸君を桃源郷へ誘う事だろう。

 特に、桜花竜食陣はダメだ。変な声しか出なくなる。


 その先にはいくつかの奥義が存在するが、それは諸君らの身体で体験してもらいたい。

 なお、奥義は翌日が休日の日にやってもらうのを強くお勧めする。とてもじゃないが仕事など出来ないから。


 ゴホン。


 とにかく、諸君らが魔獣八手を求めるということは、蜜技の強さに困っているからであろう。

 そうであるならば、刮目して読んで欲しい。

 このページは、そんな諸君らの反撃の一助となる技の数々が書かれたものである。


 


 まず、魔獣八手とは、男たちが蜜技に対抗するために編み出した技である。

 魔獣の行動や習性、特技などを見た男たちが、それをヒントに編み出したという歴史がある。


 魔獣八手は、6体の魔獣を模した48の技だったのだが、大冒険者時代以降は多くの魔獣を見る機会に恵まれ、その技の数はかなりの数となっている。

 もちろん全てを覚える必要などない。

 相手の性格や性癖などを踏まえた上で、取捨選択してほしい。


 では、これを読んでいる君と相手の女性の関係と段階を教えて欲しい。


>>『愛月の恋人』『流転花 済』※洸也が入力


 流転花が済んでいる愛月の恋人であるならば、君はまず2体の魔獣八手を覚えよう。

 これは愛月の恋人用の基礎の魔獣八手だ。

 愛月の恋人用の魔獣八手は他にもあるので、機会を見て覚えてみるのも良いだろう。

 とにかく、まずはこの2体だ。


 魔獣八手・ピヨピィの章


>>>>>>>>>>>>>>>>>


「ピヨピィだと?」


 ピヨピィはクソでかいシティバードだ。中型犬くらいある。

 一応は魔獣だが、人に危害を加える魔獣ではないので、野生でも結界の中に入って良いことにされている稀有な魔獣である。


 正直ガッカリだった。

 まさかあんな鳥をお手本にしてるなんて。

 これは本当に読み進めるべきなのだろうか?


「だけど……」


 レオニードさんが勧めてくれた『愛月の過ごし方』も役に立った。

 いずれはロロと今みたいにイチャコラしただろうけど、その速度を加速させたのはアレのおかげだっただろう。

 ならば、レオニードさんが教えてくれた魔獣八手も……


 俺はゼットをスクロールした。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<


 魔獣八手・ピヨピィの章


 ピヨピィは大地に潜むミミズを捕まえる際、くちばしで大地をリズミカルに叩く。

 これにびっくりしたミミズが、土から顔を出すのだ。

 驚くべきことに、ピヨピィはリズムを刻むことによりミミズだけを土から出す技術があるのだ。

 そんなピヨピィの行動をラーニングしたのが、『ピヨピィビート』系の技である。


 これを使うには振動魔法が必須だ。

 蜜技に挑む年齢ならば恐らく問題ないだろう。


『ピヨピィビート』を振動魔法で刻みながら、相手の気持ち良いところを攻めてみよう。

 驚くべき効果が望めるはずだ。


 では実際に『ピヨピィビート』を聞いてみよう。

 ビートは全6種類存在する。

 まず一つ目。


>>>>>>>>>>>>>>>>>


『ピヨピィピッピッ!』


「ピヨピィピッピッ」


 ゼットから流れる音を口で反芻して、俺は必死で覚えた。

 もちろん、前提となる振動魔法はすでに出来る。なにせキラキラした可能性が振動魔法にはあったから、ロロと付き合う前から練習していたんだ。


 ピヨピィビートは、どうやら『ピ』の音のところで振動魔法を強く、それ以外で弱くするみたい。

 結構難しいぞ。


『ピヨヨピッピ! ピヨヨピッピ!』


「ピヨヨピッピ! ピヨヨピッピ!」


『ピヨッピィ! ピヨピヨピヨッピィ!』


「ピヨッピィ! ピヨピヨピヨッピィ!」


     ・

     ・

     ・

     ・


「ふふっ、成功だ」


 俺は己の指先をコップの中に突っ込む。

 どうやらこれがピヨピィビートの練習法らしく、振動魔法により、コップの中の水面がコップの壁でグルンと小さく波打てば成功らしい。


「しかし、本当にこんな物が使えるのか?」


 魔獣八手はまだ一つしか覚えていないが、時間を見るとすでに1時間経とうとしていた。

 丁度良いし、早速使ってみよう。


「ピヨピィピッピッ……ピヨヨピッピ……」


 俺はビートを反芻しながら寝室のドアをノックした。

 ノックとかする必要はないのかもしれないけど、親しき中にもってやつだ。


「いいですよー!」


 ロロの返事を聞き中に入ると、すぐさまロロがびょーんと俺にだいしゅきホールドしてきた。

 凄い薄着だった。


 その身体を片手で支え、俺は早速ピヨピィビートを試してみた。

 狙うは肩甲骨のライン。


 ピヨピィピッピッ……


「にゃっっぁっっんっっ!」


 ビビビビクンックンッビクン!

 と、効果は抜群だった。


 凄まじく白熱したバトルが繰り広げられた。

 魔王軍侵攻戦のノリで熱くなった俺の前で、ロロはお花にたくさん水を上げ。


 今日は俺が勝利したことで、寝る時間が確保されたぞ!

 だけど凄く物足りなくなった。


 おい、ロロ、まだシャイブラ8回だぞ!?

 起きてよ、ねえったら!

読んでくださりありがとうございます。

ブクマと評価ありがとうございます。大変うれしいです!

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