2-6 超次元魔獣機バハムート、咆哮す
よろしくお願いします。
魔王ちゃんの言葉に従って、俺は奥様連中に混ざってヴァンガード家のホームページを覗いてみた。
トップページには、第三代目である現魔王のステリーナ・デ・ヴァンガードが玉座に座っている絵がドドンと載っている。写真ではない、肖像画だ。
「今、魔王ちゃんのこと可愛いって思ったでしょ?」
一緒に俺のゼットを見ていたロロが半眼で言ってきた。
ついでにロロに抱っこされているクリスちゃんも眠たげな眼でじっと見てくる。
さらに敏感に俺達の会話を拾った奥様方も一斉にバッと顔を向けてくる。
この女は、彼氏になんという試練を与えるのか。
しかし、今の俺はネオ洸也だ。可愛い彼女が出来て自信に満ち溢れている。
俺は大まじめな顔で言い放った。
「テフィナの女性は俺からするとみんな綺麗で可愛いよ。このステリーナさんも、奥さんたちもみんな。その中でも一番可愛いのはやっぱり俺の彼女だな。最高の女の子だ」
「「「ニャーッ」」」
ロロが照れるよりも早く、奥様方が鳴いた。口猫の年季が違った。
その黄色い声の中で、ロロは真っ赤な顔でもじもじ。
ロロの抱っこから抜け出したクリスちゃんが俺の太ももをぽかぁとぶってきた。
ふっ……自分で言っときながら最高に恥ずかしい。
が、ここで照れるのはマイナスだ。俺は引き攣りそうな頬に喝を入れ、ロロに優しく微笑む。
恥を掻いただけあり、奥様方から凄まじい高評価を得た。
素敵な彼氏ね、あなた良い人と出会ったね、とロロが絡まれ始める。
ロロのもじもじがマッハである。
とりあえず、みなさん、ホームページ見ませんかね?
長くなりそうなので、俺はホームページを見始めた。
どうやら魔王ちゃんはブログもやっているようで、フォロワー数が凄い。さらに、現在サイトを閲覧している数も凄い。
ふむふむ、今回の件については特設ページがあるな。
画面をタップしようとした俺のジャケットの裾がくいっくいっと引っ張られた。
「こ、コウヤ、そろそろお家帰る時間じゃないかな?」
太ももをもじもじさせ、上目遣いでチラチラ俺の顔……と乳首の辺りを見ながら、ロロが言った。ド淫乱である。
だけど、今回の件を何も調べてない内に……いや、家でも調べられるか。
「そうだな。じゃあお暇しようか」
俺達は奥様方とクリスちゃんに挨拶をし、家路についた。
奥様方は凄いニヤニヤして見送り、クリスちゃんはぽかぁとまた俺の太ももをぶってきた。こら幼女、自分の彼女をメロメロにして何が悪い!
ロロにぐいぐい腕を引っ張られて家に到着。
玄関の中に入ると、速攻で唇を奪われ、魔力をぶち込まれ、ジャケットを脱がされる。
俺も魔王ちゃん騒ぎで時間を取られた所為でムラムラしていたので、俺も魔力をぶち込みながら荒々しくロロを貪る。
「あ、頭バカになりそうなくらい……っ」
ロロがその先になんと言おうとしたのか、俺の唇に吸い付いたために分からない。
好き? 愛して?
どちらにしても、もう俺達はバカになってるよ。
あぁ、ロロ、ロロ、ロロ。
「ロロティレッタ……っ!」
「コウヤぁ、コウヤぁ……っ!」
みょんみょみょみょみょみょん!
我が家のインターホンが鳴った。
生まれてこの方、これほどタイミングが悪い来客はあっただろうか?
ドアを見る俺の頬がロロの手に挟まれてぐいっと元の位置に戻され、すかさず舌を突っ込まれた。
「りょ、りょりょ、んっ……ロロ、お客さん」
「はぁはぁ……無視に決まってんじゃん」
「魅力的な提案だけど、そういうわけにもいかんだろ」
ついさっき魔王ちゃんの件があったし、ただの訪問客でない可能性が高い。
ロロは涙目で俺を見つめた。
「わ、私とお客さん、どっちが大切なのよ」
「お客さん」
「ひぅ……ンチューッ!」
めっちゃ舌を突っ込まれた。
服の乱れを整え、火照った顔を落ち着かせる。
そうしてから、俺は玄関を開けた。
「やっほーっ! 来ちゃ……って本っ当にごめん!」
いつもの調子で挨拶してきたレオニードさんが、速攻で謝ってきた。
俺自身では気づけなかった残滓が残っているのだろう。
「冗談抜きで邪魔したよね、これ」
「い、いえ、大丈夫ですよ?」
「……ごめんね?」
レオニードさんがこれほどしゅんとしてるのも珍しい。
「レオニードさん。俺達は歳は離れていますが、友人なんですから、そんなこと気にしないでください」
俺はこの前言われて嬉しかったことを、そのまま返した。ウインク付きだ。無理した。
レオニードさんは、一本取られたとばかりに、はははっと笑った。やはりこの人には爽やかスマイルが似合う。
「まあ、愛月が深まった初日に来られたら困っちゃいますけどね」
「くはっ! それは確かに怒って良いよ!」
そんな冗談を言い合って俺達は笑いあった。
レオニードさんの好感度が、+5された気配。
「ふぅ。とはいえ、要件はちゃっちゃっと済まそうか。あー、このままでいいよ。すぐに終わるから。愛月の恋人を邪魔する奴は、猫に引っかかれるって言うからね」
そんなことわざが。
いや、今のロロならガチで引っかきかねないな。
まあ、変に気を遣わせるのも逆に迷惑だろうし、俺は玄関の前で要件を聞くことにした。
「魔王城攻略戦の告知は聞いたよね?」
「はい」
「君たち3人……君、ロロちゃん、フィーちゃんに、それの参加権が与えられたんだ」
「参加権ですか? それはフェーディ型だからでしょうか?」
「いや、義務冒険者のルーキー枠だね。君は知らないかもしれないけど、世間じゃ君は割と有名なんだ」
「……へ? そ、そうなんですか?」
「うん。君、以前女の子を助けただろう?」
女の子……あ、シルなんとかって子か。
草原で、でっかい牛に突っ込まれそうになったところを助けたな。
「あの子は、『俺のサーガ!』っていう動画ブログをやっていたんだけど、君に助けられた件もばっちり投稿していてね」
テフィナは、有名人も一般人も顔出し余裕な連中だ。普通に自宅までの道中を撮影する有名人もいる。
むしろ顔出しNGという奴の方が珍しい。
だから、無断で俺のことをブログに載せたのか、と思わないでもないけど、呑み込んでおく。
これをきっかけにして俺に災難が降りかかることは、まずないみたいだし。
「その動画に映っていた君の活躍がかなり評価されていてね。僕も見たけど、上手い事対処したじゃないか」
「咄嗟の事だったんでよく覚えてないですけど、そう言ってもらえると嬉しいです」
「はは、照れるなよ。で、しかもだよ、その後にロロちゃんの登場も映ってるんだ」
あ、あー、アレか。
あの頃からロロは俺の事好きだったんだよな。
じゃあやっぱりアレは、絶対に取られまいとシルなんとかさんを威嚇したんだろうな。俺が言われてるんじゃないのに、ひゅんとするほど怖かったからね。
「期待のルーキーで魂の双子ってね。というわけで、ルーキー枠で参加権がゲット出来たんだけど。どうする? 参加するかい?」
「ちょっとよく分からないんですけど、魔王城攻略っていうのはサークの命運を賭けた危険な闘いというわけではないんですよね?」
雰囲気的に考えると絶対に違うと思うけど、ロロを一緒に連れて行くとなると聞かずにはいられない。
「はははっ、ただのイベントだよ。怖い思いをすることもあるけど、ケガ等の危険はないから心配しないで大丈夫」
「それなら大丈夫か。えっと、ロロとフィーちゃんと相談したいんですけど、いつまでに返事をすれば良いですか?」
「明日中には欲しいかな。メールか電話でいいよ」
「分かりました。ちなみに、面白いですか?」
「見ている方は少なくとも面白い。だからきっとやっている方も面白いと思うよ」
「そうですか。俺は出てみたいかな。二人に聞いてみますね」
「じゃあ、そういう事で。邪魔したね」
苦笑いでそう言ったレオニードさんは、文字通りの意味で邪魔したと思っているのだろう。
「いえ、気にしないでください。それではまた、お疲れさまでした」
俺達は、挨拶を済ませて別れる。
俺は礼儀としてしばらく玄関前でお見送り。足がそわそわしてヤバい。
お見送りを終えた俺は家の中に入った。
ロロはいなかった。
居間へ行くと、洗面所の扉が閉まっていた。さきにシャワーを浴びているらしい。
そわそわしながら待つこと10分。
ロロが出てきた。
最近のロロはアニメ柄のパジャマを止め、もこもこの女の子らしいパジャマだ。上は長そでなのだが、下はショートパンツというちょっとエロいパジャマである。
俺はすぐに抱きしめようとしたのだが、クエストから帰ったままの汚れた格好だと気づく。
「パジャマが汚れちゃうな」
なので啄むようにキスだけする。
それを受けたロロはもじもじチラチラしながら、言った。
「じゃ、じゃあ、シャワー浴びてきて?」
「うん。ちょっと待っててね」
俺は光の速さで服を脱いで、洗濯乾燥機にぶち込む。
急げ急げとドライヤーポットを通過してお風呂場に入り、シャワーを浴び始める。
急ぐのは、良いけど身体はしっかり洗う。
汗の匂いとかして、臭いと思われるのは絶対に嫌だ。
そんな風に俺が丹念に身体を洗っていると、ドライヤーポットの戸がいきなり開いた。
「っっっ!?」
反射的に股間をタオルで隠した俺は思わず悲鳴が出そうになるが、声が出るよりも先に目に飛び込んできた光景に文字通り言葉を失った。
そこには、バスタオルを身体に巻いたロロが、もじもじしながら立っていた。
「す、ステップ5しよっか?」
愛月の過ごし方・ラブ3・ステップ5『一緒にお風呂に入ろう』
ちなみに、昨日すでにステップ4『ステップ3で発見した気持ちが良い場所にキスしてみよう』はクリアしている。凄く美味しかった。
はたとして湯舟を見れば、いつの間にかお風呂が沸いている。
なるほど、さっき洗面所のドアが閉まっていたのは、この準備のためだったのか。
俺はゴクリと喉を鳴らした。
もう、これはアダルティックバトル前哨戦が始めちゃうんじゃないだろうか?
「た、タオル、外す?」
俺はコクコクと頷いた。
ロロは少しもじもじと身体を揺らすと、おもむろにタオルを取った。
キュッとくびれた腰に程よく引き締まったお腹。
男のロマンを十分に満足させてくれる胸は、昨日大変美味しく頂いた。
そのまま下半身に目を向けると、ほっそりした美しい太ももと小ぶりだけれどしっかりと女を意識させるお尻。
そして、魅惑のデルタゾーン。
ツルツルな女神が降臨した。
「あぁ、ロロ、凄く綺麗だよ」
昨日おっぱいを見てなかったら、たぶんこれほど冷静に言葉は出てこなかっただろう。
俺の言葉に、されど女神様は恥ずかしがり屋なようで、すぐに手で隠してしまった。
「わ、私ばっかりズルい。アンタのも見せて」
「ああ、いいよ」
ロロの言葉に、俺はタオルを取った。
そうして現れたモノを、かつてレオニードさんと脱毛してくれたお医者さんはこう評した。
昔アニメで見た超次元魔獣機バハムートを思い出したと。
あの後、俺もゼットで画像を見たさ。今の俺の形態は、超覚醒を遂げた魔獣機バハムートが雄たけびを上げているシーンによく似ている。
そんなモノとご対面したロロは。
「ヒニャッ!?」
目をまん丸に開いて凝視。
さらに、大きな口もポカンと広げ、頬をひくひくと痙攣させる。
え、これマジで、そんな内心の動揺がありありと表情に浮かんでいる。
きっと、想像していたやつじゃなかったのだろう。すまん。
しかし、ロロはこんな有様だが、俺の方はもう辛抱たまらん。
硬直するロロに近づく。
ロロは俺の顔と下半身に行ったり来たり。
ビックリしたあまりにロロの手は胸の前で畳まれて、自然、隠していた部分は上下共にフルオープン。
そのまま俺はロロを抱きしめた。
いつもならすぐに抱き返してくるのに、ロロは胸の前で腕を畳んでいる。ちょっと距離感のある抱きしめ心地だ。
「ロロ、愛してるよ。だから怖がらないで。ゆっくりで良いから、なっ?」
「ひぅぐぅ……ちょ、ちょっと想定してたのよりヤバいかも。私、死んじゃわない?」
「ちょっとずつ慣れてこう。愛月が深まっても、お前の心が準備できてなかったら無理しなくて良いからさ。ゆっくり、俺とロロのペースで愛し合おう」
俺はロロの額に自分の額をくっつけ、優しく語り掛ける。
そのまま、頬へ一つ、唇に一つキスをした。
それでロロは少し安心したのか、少し控えめな力で抱きしめ返してきた。
ロロの柔らかな胸が俺の胸板にもにょんとくっつく。
そのお返しとばかりに、紳士の下着に封印されていたバハムートがロロの下腹部を外からぐにぃした。
「ヒニャァッ!? にゃ、にゃぅう……」
「ロロ、好きだよ」
「ひぅ……ビックリしちゃってごめんね、コウヤ。私も好きよ。キスして?」
「うん」
そのまま一緒に風呂に入り、彼氏座椅子をしながら甘い言葉とキスを繰り返してたら、一瞬にしてエスカレートした。
読んでくださりありがとうございます。




