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2-4 愛月の過ごし方

よろしくお願いします。

 クーファ家からの帰り道。

 俺と腕を組むロロに、言った。


「なあ、ロロ。今度さ、お前のご両親にご挨拶したいんだけど。都合はつかないかな?」


 俺は、ロロと出会った次の日に挨拶をしたいと言った事がある。

 その時は、娘さんと魂の双子になっちゃったことで、報告に上がるべきだと思ったから。

 だけど今は、それに加えて恋人になったわけで。


「お母さんとお父さん?」


「ああ。愛月が深まるまでに、出来れば」


「うん……うん、そうね。私も報告したいかも。じゃあ、来週の闇と光の日辺りでどう?」


「あちらの都合がつけば。俺は今週でも大丈夫だよ?」


「私と初めてイチャイチャする連休なのに?」


「うん、来週にしよっか」


 凄く魅力的なロロの提案を、俺は一瞬で受け入れた。


 クーファ家から我が家までゲートを使わないくらい近いので、そんな会話をしている内に到着だ。

 お互いに身分証をドアに押し当て、家の中に入る。


 後から入った俺が玄関を閉めると、その瞬間、ロロがキスをしてきた。

 目を白黒させたのもつかの間、俺もロロを強く抱きしめて応戦。


「好き好き好き好き好き好きコウヤ大好きぃうにゃーん。しゅきぃ」


 ついこの前までちょっと生意気なことを言っていた女の子とは思えないデレデレぶりだ。

 恋人が出来たテフィナ人がみんなこうなるのか、それともロロが実は凄く男に溺れやすい子だったのか。あるいは発情期のメス猫みたいになっているのか。

 まあいずれにしても、俺に損はない。

 10分くらい玄関でキスをした。


 ブーツを脱いでだいしゅきホールドを決めてきたロロをそのままリビングまで運ぶ。

 ロロは一端降りると、脱いだコートをくるんと回して手に巻くシュシュに変形させる。

 俺もジャケットを脱いで同じように黒いリストバンドに。


 今日のロロは、肩口が開いた白いチュニック。裾丈が長いので、穿いてるのか疑わしい感じになっちゃってるが、ショートパンツを履いている模様。


「ねえねえ、どうする!?」


 興奮した様子のロロの問いに、とりあえず10分ほどゴロゴロイチャイチャしておいた。


「じゃあ、シャワー浴びよっか?」


 別にエロい意味ではない。

 俺達はクエストが終わると、外の汚れを落とすようにしているのだ。冒険は汚れるし。

 時間が時間なら、そのままお風呂タイム。今日はちょっと時間が早いのでシャワーだ。


「うん。行ってくぅ」


 ロロはとろんとした顔でふらふらとお風呂に行った。


 そうして30分後、俺もロロも外の汚れを落としてさっぱりすると、寝室に入った。


 ロロはいつものアニメ柄パジャマではなく、羊の毛みたいにふわふわしたパジャマだ。ただし、下はセット装備のショートパンツ。凄まじく可愛い。

 俺はいつもの家着だ。ちなみにスウェットである。


 俺はベッドの枕元に背を預け、ロロに、おいで、と言う。

 ロロははにかんだ笑顔でいそいそと俺の股の間に座った。

 ロロの肩越しに見える魅惑の太もも様に、思わずゴクリと喉が鳴った。


「じゃ、じゃあ、今日はこれを読んでみましょう」


 俺はそう言って、愛月の過ごし方を亜空間収納から取り出した。


「お役所で貰ったヤツ?」


「うん。せっかくだし、二人で読んでみよう」


 レオニードさん曰く、凄く仲良くなれるらしいし。


「キスリングもつけないとね。きっとそのことも書いてあるはずよ」


 ロロに言われ、キスリングも取り出して、横に置いておく。


 彼氏座椅子は最初の一回目だけ抱きしめ方などに注文が付けられるが、二回目以降はただイチャイチャするだけのものだ。とはいえ、ロロが喜びそうなので俺は抱きしめることに専念。

 ロロに愛月の過ごし方を開いてもらった。


『おめでとう!』


 まず最初のページには、そんな言葉がハートの中に大きく書いてあった。


「またお祝い言われたね。こういうの嬉しいわ」


「うん。嬉しいね」


 ロロはんふーっと笑うと、俺の横顔にキスをした。

 俺はすぐさまその唇を奪い、イチャイチャしまくる。

 昨日から、一事が万事そんな感じだった。


 ページを一枚めくると目次。

 各項目は、ラブという単位で表され、横にはページ数。


 まずはラブ1『キスリングをつけ合いっこしよう』


 ロロと一緒にキスリングの説明を読んでいく。


 キスリングは、前回説明した通り、2つの効果がある。

 1つは、愛月が深まるのを視覚的に教えてくれる。

 もう1つは、イチャイチャが盛り上がりすぎて一線を越えないように、女性に結界が張られる。愛の結果悲惨な事になるのを避けるためだ。


 キスリングは、どうやら足の薬指につけるらしい。


「ねっ、コウヤつけて?」


「いいよ。俺のはロロがつけてね?」


「うん!」


 キスをして、しばし離れる。

 何をするにもいちいちキスをするこの光景を高校の友人が見たらどう思うだろうか。きっと憤死してくれるはずだ。


 ロロの美少女な足の指が準備運動するようにもぞもぞ動く。

 どうぞ、というので俺は薬指にキスリングを嵌めた。

 少しサイズが大きかったけど、嵌めた途端とサイズが丁度良くなる。


「痛くない?」


「ふふっ、こういうのは痛くないくらいに縮まるのよ。大丈夫よ。心配してくれてありがとう」


 次に俺の足に取り付ける。

 ロロは俺の親指の先端をくにくに動かして、んふふふ、と笑う。

 何がそんなに楽しいのか分からないけど、俺も自然を笑顔になった。


 ロロは、俺の薬指にキスリングを嵌める。

 外の音が遮断されて、お互いの出す以外に音のない一室でこんな事をしていると、凄くいけないことをしている感じがする。


 お互いにキスリングを嵌め終わり、ロロは俺にキスをしてから彼氏を座椅子にした。


 愛月の過ごし方をまた開く。


 ラブ2は『愛月ってどうやって過ごすのかな?』というタイトル。

 これは期待。


「イチャイチャしまくるに決まってんじゃんね?」


 ロロが、何を当然なことをとばかりに言う。


「まあまあ、そう言わずにちゃんと読んでみようぜ」


「おっ、私の彼氏は真面目さんなのである。そういうところも好き」


「俺も俺の彼女がそういう冗談言うところ好きだよ」


「私の性格に高評価入りました。これはトゥルーエンドも近いかニャー?」


「もう確定してるから大丈夫」


「ひぅ、しゅ、しゅきぃ……」


 キス。

 もはや動物みたいな感じ。


 しかし、ラブ2はロロの言う通り、要約すると、イチャイチャしまくって愛を深めましょう、という内容だった。

 ふーむ、いつ、もっと仲良くなれるような内容が出てくるのだろう?

 これでは、俺の想像する、あまりタメにならない無料冊子の類とそう変わらないんだが。


「ラブ3、どうやって仲良くすればいいのかな?」


「むむっ」


 ロロが読み上げる章タイトルに俺は思わず声を出して注目する。

 するとロロがほっぺをくっつけてきた。そのままスライドさせて、ほっぺにキス。


 続きをロロが読み上げる。


「この章は、ステップを一つずつ、ゆっくり行っていきましょう。一日置きにクリアしていくときっと愛月が楽しくなりますよ」


 ロロの声を聞きながら、俺も文章を目で追っていく。

 そして、ロロがページをめくると、そこには男が女の頬を撫で、女が男の太ももを撫でている可愛らしい絵が。これは……っ!


「ステップ1、まずはお互いに触れてみましょう」


 もうやっとるわ!

 肩透かしを食らった気分の俺は、心の中で叫ぶ。

 ムカついたのでロロの首筋にキスをした。ロロが甘い声をだす。


 だけど、よく考えてみれば、レオニードさんは俺達が全身マッサージをする仲だとは知らない。

 もしかして、これのことを言っているのかもしれないな。おいおい、レオニードさーん。


 しかし、よく考えてみれば所詮は役所で貰える冊子なんだよな。

 薄い本バリの内容なんて指南するはずもないか。

 俺はかなりがっかりするのだった。


「ふふっ、これはクリアね。最近は全身マッサージしてもらってますから」


「そうだな。今日もやろうね?」


「うん。昨日みたいに途中から抱き着いてゴロゴロしちゃうかもしれないけど」


 俺は昨日、つまり恋人になって初めてのマッサージタイムを思い出した。

 こういうエロさもあるんだな、と思うような凄い時間だった。

 っていうか、もうこんな冊子はやめてイチャイチャしたいな。


 しかし、ロロは俺がちゃんと読もうと言った事を健気にも守り、次のページへ。

 そこには、服の上から女の子のおっぱいを揉んでいる男の姿が。もちろん可愛らしい絵でだ。

 キタコレ!


 おいおいおい、お役所!

 おっぱい揉んどるぞ、これ。いいんか、それで!?


「ステップ2、相手が気持ちいいところを探してみましょう。人によっては嫌がるところもあるから、少しずつ慣れていきましょう」


 ゴクリ。

 気持ちの良いところか……

 もう、絵を真似するしかないんじゃないのかなぁ?


 ロロも何やらもじもじしてだんまり。

 静寂が舞い降りた。

 ロロはどう出るのか、俺はどう行くべきか。

 ロロを抱きしめる腕に力が籠る。両者間で高度な駆け引きが無言のうちになされていた。

 そうして、先に口を開いたのはロロだった。


「おっぱい触っとく?」


「うん!」


 恥ずかし気に言うロロの言葉に、俺は元気に答えた。


 では早速、と腕を解く俺だが、ロロは何故だか身体を離す。

 ああ、なるほどこの絵はお互いに向き合ってるから、それを真似するつもりか。


「あのね、恥ずかしいから目を隠して欲しいな?」


 ロロはもじもじチラチラしながらマフラーを取り出して、俺に渡してきた。


 め、目隠しプレイだと?

 ぬ、ぬぅ……しかし、恥ずかしいなら仕方ないか。

 だけど、お前、昨日はキスしながら俺の太ももを使ってビクンビクンしてたじゃないか。たぶん、おっぱい触られるよりも恥ずかしいと思うぞ。


 俺はしぶしぶながら目隠しをした。

 すると、ロロは何故だか俺を仰向けに寝かせる。


「あ、あれ? ロロ?」


 疑問符を盛大に浮かべる俺だが、女の子と付き合った事のない俺は女の子のおっぱいを触る作法について詳しくない。もしかしたら、最初はこういう風に触るのかもしれん。


 なるほどなるほど奥が深いんだな、と思いながら、俺は手首を縛られた。しかもベッドの柵に繋がれる形で。


「あ、あれ? これだとちょっとおかしいかな?」


「おかしくないよ。じゃあ始めるね。大丈夫、怖くないから。ねっ?」


 トスンと腹部に魅惑の重みが。

 ロロが跨ったようである。


 そうして、おっぱいを指先で押し込んだ。

 ロロが。俺のを。


「あっ! って、ロロ!? あぁっ! くっ、ロロティレッタさん、これは違くないか!?」


「ハッ!? そ、そうだよね。ごめん、これじゃないよね」


 分かってくれたようで、ロロは俺の上から退いた。

 そして、ホッとした俺の上着をペロンとめくるともう一度腹部に腰を下ろした。


「全然わかってあぁあっ!? やめ、ちょ、ロロ、ちく、やらぁっ!」


「ひゃへへへへへ、じゅるっくぅ、にゅふふふふふへへへへ」


 閉ざされた視界の中で、俺の網膜にある光景がフラッシュバックする。

 それはそう、以前、ロロがゼットのゲームで強そうな少年の乳首をだらしない顔で猛烈にタップしている姿。


 そして、目の前にはだいしゅきな彼氏。強ショタで鍛えられた彼女の手技が、今、その彼氏を襲う!

 この女は、そう、きっと昨日からこの機会を狙っていたのだ……っ!


「もうそんなに涎垂らして! ぇへへへ。お、おお、お、お姉ちゃんに謝りなさいっ!」


 ここでまさかのショタプレイ!?

 が、引っ張られたり、弾かれたりされている俺に抗う術はなし。


「ご、ごめにゃ、あぁっ! お、おねえたん、ごめにゃしゃ、う、うぁーっ!」


「むっはーっ! なにこれなにこれ萌えるぅ!」


 滅茶苦茶キスされた。

 なお、途中からロロの片方の手の所在が分からなくなり、俺の意識も途中でなくなった。


読んでくださりありがとうございます。

ブクマありがとうございます。励みになります。

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