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1-41 それぞれの腕慣らし

よろしくお願いします。

 俺達はウネウネ草を探して歩き出した。

 遠くではすでにエンカウントしている奴もいるようで、魔導装具をぶん回していたり魔法がピカピカしていたり。


 さて、ウネウネ草について少し話そう。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


 ウネウネ草は、草原地帯に生息する植物型の魔獣だ。


 カボチャのような本体と、そこから伸びる触手のように動く根っこで構成されている。

 コイツは本体も根っこも地表に完全に露出しており、根っこを使って移動や狩りを行う。


 根っこは普段、地べたに垂れているが、ネズミ等の小型生物がやってくると動き出して巻き付く。

 巻き付いて絞め殺すと、本体にある口に放り込み溶かすらしい。

 この根っこで移動もするのだが、日に100メートルも移動しないみたいだな。


 根っこの太さは直径2センチ程度で、長さは2、3メートル程度が基本サイズ。

 小型生物未満を想定した食肉植物なので、巻き付かれても人間なら本気で力を入れれば振りほどける。

 早い話がザコである。


 ちなみに、あまり大きい個体はいない。

 大きくなりすぎると、触手も長くなってしまい、殺した動物を口に入れる作業が出来なくなってしまうだって。まるで自分の牙が頭に刺さって死んでしまうイノシシみたい。


 弱点は、カボチャのような本体で、ここを大きく損傷すると簡単に死ぬ。

 コノハスライムと同じクエストレベル3なので、魔導装具が当たれば一撃で倒せるみたい。


 ウネウネ草は割と増えやすく、放っておくと小動物をどんどん狩っていってしまうので、討伐対象に度々上がるらしいぞ。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


 とまあ、こんな魔獣だな。


 さて、500メートルほど歩くと、他の連中と程よく距離が開いた。


「討伐時間は6時間しかないし、サクサク行くわよ。というわけで、チュリルルン、索敵ツール!」


 ロロは謎の効果音を口で唱え、ゼットを俺達に見せてくる。

 ゼットで索敵アプリを取ったのだ。

 早速起動したので、俺とフィーちゃんもロロのゼットを覗き込む。


「ロロ、フィルターが掛かってる」


「あ、そだったそだった」


 ゲームをする時に恥を掻くので、ロロはゼットに覗き見防止フィルターをつけているのだ。

 それを解除してもらい、改めて。


 俺達の回りには、ふむ3体いるな。

 その内の1体は他の人が狙っているみたいだ。


「ちょっと遠景で見てみましょうか」


 索敵の地図を広げると、さらに奥へ行った場所にわらわら生息しているのが分かった。


「すげぇいるな」


「そりゃ大繁殖系の討伐クエストだからね。パーリィーよパーリィー」


「パーリィー言うな」


 だけど、考えてみれば200人も動員しているんだもんな。しかもコノハスライム同様に、今回も一人10匹討伐がクリア条件だ。つまり、この草原南エリアには単純計算で2000匹以上がウネウネしているわけである。大繁殖すげぇ。

 あっ、ちなみに報酬は8000テスだ。


「じゃあ適当にやってこうか。まずは一人ずつやって調子を見ようぜ」


「良いですね! まずは誰から行きますかぁ?」


「コウヤ、出番よ」


 フィーちゃんの質問にロロが答える。

 俺か。まあ妥当だな。

 ロロでも良いけど、少なくともフィーちゃんは2回目以降に回してあげたい。見た目がめっちゃか弱いんだもの。


 一番近いウネウネ草といざ対峙。


「あ、ちょっと待って!」


 さあ、始めようか、という段になりロロが待ったを掛けてきた。

 そうしてゼットをあれこれ操作する。

 すると、ロロの近くにホロウインドウが出現し、索敵マップを表示。さらに、何やらゼットを浮遊させる。ゼット使いこなしてんなぁ。


「なにしたの?」


「撮影したいから索敵マップをホロモードにしたの」


 なるほど。よく分からんから後でやり方教えてもらおう。

 っていうか、浮遊しているゼットは撮影しているらしい。


「撮影すんの?」


「わ、悪い? これはアレよ、反省会用」


「別に悪くはないけど。じゃあ、カッコよく撮ってね?」


「それは被写体の素材に依存してるので私に注文つけないでくださーい」


 ぬぅ……


「じゃあ、カッコいいポーズで魔導装具展開してね!」


「息を吸うだけでカッコいいって評判の俺に、カッコいいポーズとか……ならば刮目せよ!」


 ロロが煽ってくるので、俺は両足をカッコいい感じで揃え、腕を左右に広げた。


「古の盟約に従い、いでよヴァルドナの鎖」


 その体勢のままヴァルドナの鎖を展開。クール系のラスボスをイメージした余裕のある声色。


 手首に嵌ったリングが帯状の魔法陣となって手袋に変わっていく。なお、これは遊び機能で、普通のヴァルドナの鎖はすぐさま手袋になるぞ。


 手袋が完成すると同時に、くいっと手首を捻って演出にアクセントをつける。


「さあ蹂躙の時間だ」


 決まった。


「見た見た、なにあれ!?」


「ださカッコいいですねっ!」


「ぶひゅーっ! あははははははっ!」


 おかしいな、めっちゃ笑われてるぞ?

 あと、フィーちゃんがさくっと抉ってきやがった。

 おのれぇ。


 まあいい、今はウネウネ草だ。カメラは意識しちゃダメ。それこそダサい。


 俺は10メートルほど離れたウネウネ草へ近づく。

 草原地帯の草は膝丈ほどあり、俺の位置からではカボチャの姿は見えない。

 なので非常に分かりづらいが、草原の草が倒れている辺りに本体や地面に枝垂れた根っこがあると予想。


 5メートルほどまで近づくと、まるで俺を威嚇するようにばさぁっと触手根っこが天に伸びてウネウネした。

 俺は盛大にビクついてバックステップ。


「頑張れぇ! 頑張れぇ! 怯えちゃダメよ! アンタならやれるわ!」


「そこですぅ! やってしまうですぅ!」


「自分に負けないで! 自分を信じてぇ!」


「先制ですぅ! 先の先ですぅ!」


 う、うるせぇ……

 ロロは完全に俺を辱めに掛かってきているみたいだが、フィーちゃんも武闘派スイッチが入っているのかグイグイ来てやがる。

 しかし、理由はどうあれそれでも女子が声援を送ってくれているという事実に、少なくない感動を覚えてしまう自分が可愛い。


「覚醒した我が力を喰らうがいい!」


 ヴァルドナの鎖・覚醒モデルが火を噴くぜ!


 俺は手のひらをウネウネ草へ向け、魔法の鎖を放出。

 それに伴って帯状の魔法陣が腕や鎖の周りに円環となって出現する。


 鎖が天に向かってウネつく根っこに絡みつく!


「って、いや待て待て。根っこに絡めてどうすんだよ」


 コイツの弱点はカボチャのような本体だ。狙うならそこを狙わなければ意味がない。

 俺は鎖を途中で分離させ、仕切り直しする。


 武器がウネウネ草向きでないことは間違いないが、やりようはある。

 俺は鎖を長く伸ばし、横薙ぎで振るう。


 俺の予想通り、それだけで天に向かってウネウネしていた触手根っこが全て千切れ飛んだ。

 あとは本体をぶっ殺すだけだ。


「油断しないで! まだやってないまだやってない!」


「言われんでもわかってるわ!」


「まあっ、人が親切に教えてあげてるのに何て言い草なんでしょう!」


 と文句を言いつつもロロは楽しそうに笑っている。可愛い。


 ウネウネ草にはもはや攻撃手段が残っていないので、俺は本体に近づいた。そろそろと。やっぱり何かあると怖いし。

 しかし、心配は杞憂に終わり、難なくカボチャが見える位置まで近づけた。  

 あとは。


「喰らえぃ!」


 俺はカボチャに鎖を叩きつけた。

 鎖はカボチャを叩き割るだけに留まらず、ズガンと地面を少し抉る。魔導装具強い。


 ウネウネ草を倒したことに嫌悪感も爽快感も湧かないけれど、万が一の窮鼠猫噛み攻撃が始まったら怖いので、早々にその場を立ち去ってロロ達の下へ向かう。


「ふぅーっ!」


「ふぅーふぅーっ!」


 ロロとフィーちゃんが陽気な声でお出迎え。

 どうやらハイタッチの掛け声のようなので、俺はかざされた手にハイタッチしていく。フィーちゃんの手はちょこんと。


 女子たちとワイワイするなんて最高にリア充してる。

 オタ友の吉中の奴に見せたら、きっと絶交されるんだろうな。俺達はいつまでも二次元しか愛さないぜ、なんて約束したもんな。すまん、あれは嘘だ。


「決め手となったのはやっぱり私の注意喚起ね。アレが無かったらアンタ危なかったわ」


 ロロがニヤニヤしながら言う。

 戦場の空気に当てられたせいか、ロロを見ていると非常にムラムラする。いや、考えてみればいつもムラムラしてるか。あー、ニヤニヤお口に二本指入れてクパクパかき回したい。


「そうだな、危うく相手の演技に乗ってしまうところだった。助かったよ、ありがとう」


「でしょーっ!? お礼はお菓子ね!」


「え」




「それじゃあ、次は誰行く?」


「じゃあ私やって良い?」


「はい、良いですよぉ!」


 ロロが行くようだ。


 俺はすぐさまゼットを構えた。

 浮遊させるのがどうやるのか分からないので、手持ち撮影。


「なっ、と、撮るの!?」


「いや、お前だって俺のこと撮影したじゃん」


 少し顔を赤らめて言うロロに、俺は正論をぶつけた。

 ロロはもじもじ。


「じゃあ、カッコよく撮ってね?」


「被写体の素質というものがありますので、俺に注文されても困りますね」


 光球が飛んできた。

 解せん。


「はいはい、最初はカッコいいポーズで魔導装具展開してね」


 ロロはニャギーッと歯を見せて威嚇した後、カッコいいポーズを始めた。


 ロロの買ったビットオーブは、待機状態だとデフォルメされたキーホルダーサイズの人形だ。

 それを手に取ったロロの下方からぶわりと風が巻きあがる。魔法で演出しているのだ。


 髪の毛が程よく広がり、ロングコートの裾がはためく。自然、ショートパンツとロングブーツの間の太もも様がこんにちは。ちなみに今日のロロのショートパンツは白だぞ。


 古の大魔術師とかやってそうな顔立ちをした女だけに、周りを取り巻く風が凄い力を秘めてそう。思わずゴクリと喉が鳴る。めっちゃ抱きしめたい。何に喉を鳴らしているのか自分でも謎だ。


「さあ、あなた達のお披露目の時間よ。目覚めなさい、ララ、リリ、ルル」


「なんだかんだ俺が付けたあだ名気に入ってんじゃん」


 人形たちにつけた名前を聞いた俺が思わず突っ込むと、ロロはポンッと顔を赤くした。

 しかし、舞台はすでに始まってしまっているので、そのまま神秘系美少女面を貫き通す。


 ロロが魔導装具を展開する。

 キーホルダーサイズだった人形が、光に包まれ20センチ程度のフィギュアに変形し、ロロの回りに浮遊する。


「ふわぁ、カッコいいですぅ……」


 俺の時とは打って変わって、フィーちゃんがうっとりしたような声で称賛。

 待ってよ、そんな風にガチでうっとりされると俺が冷やかし声援送れないじゃないか。完全に滑るよ、それ。


 ロロは、3体のフィギュアを携えて、威風堂々としたモデル歩きでウネウネ草へ近づいた。

 ウネウネ草まで10メートルほどまで近づくと、俺の時と同じようにバッと触手根っこが立ち上がる。


「っっっ!」


 それを見たロロは、びょーんと跳ねて硬直した。

 とてもじゃないがモデル歩きしていた女とは思えないコミカルな動きだ。


「頑張ってぇロロちゃーん!」


 やっぱりガチな応援なんだよなぁ!?

 フィーちゃんの声援を聞いて正気に戻ったロロは、人形の一体を上空に飛ばす。


 そうしてから、光球を人形に当てた。

 ちなみに、魔導装具解説動画で見る限りだとビットオーブでの戦闘の初手は、すぐ近くにいる人形に魔法を当ててから飛ばす。近くにある人形に当てるのが当然ながら簡単だからだ。遠くにいる人形に魔法を当てるのは、初手以外の戦術だ。

 まあ、練習だと思って好きにやらせよう。


 魔法が当たった人形は、オーラを発しながら剣を構えた。


「塵になりなさい」


 ロロがぺすんと指を鳴らした。

 やっぱり鳴らせていないのだが、カッコいいに憧れがあるロロはよくアレをやる。


 ロロの鳴らした間抜けな音に反して、人形はカッコ可愛く剣を振るう。

 振るった剣の先から、レーザー光線が大地を穿つ。


 ドシュンッと小気味良い音を鳴らしたかと思えば、光の柱は消え、数瞬後に一本だけ残った触手根っこがへたりと大地に倒れた。


「つまらないわね」


 ふさぁと髪を耳の横に払ったロロはドヤ顔マッハ。

 とてもじゃないが、そのセリフを口にする人間がする顔じゃない。


「おつかれぇ。ふぅーっ!」


「お疲れ様ですぅ! ふぅーふぅーっ!」


「ありがとう、にゃふぅーっ! にゃふふぅーっ!」


「あ、これの返事ってにゃふぅーなのね」


 さっきやってもらって嬉しかったので、俺もハイタッチをしてやると、ロロが掛け声と共にハイタッチ。

 にゃふぅーと言いながら、と。メモメモ。




「じゃあ、最後はフィーね」


「押忍ぅ! 殺ってやるですぅ!」


 フィーちゃんが元気に十字を切った。

 だけど、なんかやってやるのニュアンスに殺気が滲み出ていたような気がするぞ。


 というわけでフィーちゃんが戦うことになった。

 一番近くは先客がすでにいるので迂回し、適当にターゲットを選ぶ。


「動画は撮って良い?」


「はい、どうぞ撮ってください!」


 フィーちゃんは前髪で目を隠しているのに恥ずかしがり屋さんではない様子。


「ロロ、あのカメラを浮遊させるモードはどうやるの?」


「ショートカットのこんなマークの奴を押すのよ。で、こうして……こうすれば被写体を自動追尾するわ」


「ああ、これって温泉マークじゃなかったのね。ふむふむ……なるほど……オーケー分かった」


 ロロに教えてもらいつつ、ゼットを操作して浮遊させてみる。

 おおっ! なんだかドローンを初めて飛ばした時の感動に似てるな。だけど自動追尾なのでその後は操作もないので、これといって感動も面白味もなかった。


 ウネウネ草と接敵し、フィーちゃんだけ前に出て戦闘開始。

 フィーちゃんは飛べるので、まずはピューンと上空へ上がり、すぐに戻ってくる。


 ふむふむ、と一人で納得した様子のフィーちゃんは、ハッとした様子で俺達を見た。

 そうして、キリと口元を引き結ぶ。


「タンポポ真拳トットコ道場門下生、フィー! いざ参りますぅ、押忍ぅ!」


 びしぃとカメラ目線で十字を切るフィーちゃん。

 なるほど、カッコいいポーズを取ってない事に気づいたのか。サービス精神が旺盛な子だな。


 ポージングを決め終えたフィーちゃんは、自身の頭を彩っている花冠から一本の花を抜き出した。

 説明求ムとロロを見ると。


「妖精八拳はお花魔法に通ず、という言葉があるわ」


「俺もその場に居たから知ってる」


 この前ガリオン教官が言っていたやつだ。


「じゃあ黙って見ててよっ!」


 ぽかぁっ!

 カッコつけるばっかりで説明になってないんじゃあボケェ!


 俺達がイチャイチャしていると、フィーちゃんがお花の茎を両手で握り、気合の言葉を唱えた。


「お花さん、力を貸して! なぁああっ!」


「「きゃわわ!」」


 幼稚園児のお遊戯会で見られるような必死可愛い感じに、俺とロロの感想が一致した。

 しかし、これは幼稚園児の妄想ではなく、ガチなファンタジー生物の行動だ。効果がしっかり現れる。


 フィーちゃんの身体から真っ赤な光のオーラが放たれる。


「あれぞ、妖精が使う特殊な魔法。お花魔法じゃ」


「ロロ老子、アレが!?」


「うむ。妖精八拳はお花魔法に通ずるのじゃ」


「それ言いたいだけだよね?」


 ロロの謎キャラに萌え始めた脳みそを、謎の拳法タンポポ真拳に意識を切り替える。


 オーラを纏ったフィーちゃんは、己の拳に宿った力を確かめるように手を開閉する。覚醒感がヤバい。どっかの紛い物とは大違い。

 そうして、一つ頷くと風が吹く方向を向く。そちらにウネウネ草が。


「タンポポ真拳、壱の拳」


 甲高くも可愛らしい声でそう呟いたフィーちゃんは、次の瞬間猛烈な速さでウネウネ草の本体に向かって飛んでいった。


「綿毛流しっ!」


 ドパンッ!


 俺達が立っているところからは草のせいで決定的瞬間は見えなかったが、ウネウネさんに何か酷いことをしたのだけは分かった。

 だって、カボチャが内側の消化液を撒き散らして爆散したんだもの。

 爆散に遅れて、衝撃波が周囲の草を揺らし、俺達の足元を涼やかにする。


 全てが終わり、周囲の草も平常通りに起き上がった後、草むらの中で『押忍ぅ!』と気合の声が。


「もしかして妖精って凄く強い?」


「うむ、奴らは強いのじゃ。防御力が紙過ぎるのが難点なのじゃが、攻撃力と素早さがエグイのじゃ」


「それただののじゃキャラだぞ」


 新たな真実よりもロロのキャラが可愛くて意識が持っていかれる。とりあえず夜にやってくれないかな。マッサージで、気持ちいいのじゃ、とか言わしたい。手はダブルピース維持な。


「終わりましたぁ!」


 満面の笑顔を振りまいてフィーちゃんがぴゅーんと飛んできた。

 ロロがすかさず。


「ふぅーっ!」


「ふぅーふぅーっ!」


「にゃふぅーっ! にゃふふぅーですぅ!」


 なんだこれ最高に楽しいぞ?

 ヘイッとかアメリカナイズでハイタッチする奴の当社比24倍は楽しい。まあ、あっちの世界じゃ男としかハイタッチした事ないけどなっ!


「それにしてもフィーちゃん凄いね」


「私なんてまだまだですぅ。課題は尽きません」


 真面目かよ。

 おいロロ、お前も見習えよ。見習って俺と捕縛師の練習してください。


「それじゃあ、お互いに今回のクエストはさくさく行けそうかな?」


「そうですね。亜空間収納にお花さんもたくさん入れてきたので、このクエストなら大丈夫そうですぅ」


「そう言えば、お花を使ってたけど、あれってなんなの?」


「あれはお花魔法ですね。妖精は自力で属性魔法を使うことが出来ないんです。代わりに、お花さんから属性を摘出して魔法を使用することが出来るんですよ。お花さんの種類によって使える魔法が変わったりしますね」


「覚えとけよ。テストに出るのじゃぞ」


「語尾がブレてんぞ」


 話しに割り込んできたロロに構ってやりつつ、意識を変える。


「んじゃまあ、みんな問題なさそうだしどんどんやろうか」


「おっけー」


「分かりましたぁ!」


 というわけで、これからはバシバシ倒していくぜ!

読んでくださりありがとうございます。

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