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1-31裏 ワワワッ 4 女子会 前

よろしくお願いします。

 テフィナにおけるインターネットであるマナネット。

 300億の超人口を誇るテフィナだけあり、その情報量の多さはもちろん、運営されるサイトの多さも凄まじい物がある。


 そんなマナネットに大昔から続く有名なお喋りアプリがある。

 名を、『ワワワッ』という。

 コロポックルみたいな可愛らしいアバターを作り、ぬるぬる動くそいつを使って自分の家を作ったり、気の合う仲間と村を作ったりできるのだが、基本的にはそれらはオマケ要素。本質は3Dのアバターを動かしてお喋りするゲームだ。

 アバターは様々な動作や表情が使えるので、反応を楽しむことも可能。


 お喋りルームの種類はアリーナホールから自分で作ったお家、果ては道端までたくさんあり、お喋りの内容によって使い分けることが出来る。


 今日はそんなワワワッで、絶賛人口増大中のとある村……いや、とある町で行われた緊急の会合を見てみよう。


<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<



【わんわんぉ町 広場】

 参加人数 16025人

 男女比 3:7

 参加資格 フリー。


 ※注 以降、《》はアバターモーション。




 ルク:

 俺の世代は、ガルマ4000だったよ。

 ドライエット・ドーナーがカッコ良すぎたからなぁ《うんうん》


 アンゼ:

 ルク氏はガルマ世代なんですね。

 私の頃は、とにかく二刀使いが多かったですね。

 カーツ&リリィの四剣が大流行してましたからね。


 ククル:

 それなのにアンゼ氏はルビカンテ使ってたんですよね?

 超速度主義の中でアンゼ氏だけもっさりWWW


 アンゼ:

 良いじゃないですか、もう。

 私はルビカンテの一撃に魅せられちゃったんですよ。

 ちなみに、君たちがルゥサマシュキーさんの会合で斧を振り回していると腕が疼きます。 


 ククル:

 アンゼ氏にそんな裏の顔が……

 ところでカーツ&リリィって魂の双子ですよね?


 アンゼ:

 そうですよ。夫婦揃って双剣使ってる人たちです。


 ネコネコ:

 あー、私動画で見たことあるぅ《挙手》

 息ぴったりの人達ですよねぇ。


 アンゼ:

 そうそれです。

 ん? おや、あれは……


 ルゥサマシュキー:

 てててて、てぇへんだてぇへんだ!《駆け寄り》

 てぇへんだぁ!《ヘッドスライディング》


 アンゼ:

 どうした、ハチベス。とにかく落ち着け《やれやれ》


 メモたんは俺の嫁:

 アンゼ氏のちゃんと拾ってあげるところ凄く優しいと思う。


 ジーグル:

 マメだよな。


 一部のアバター:

 生ルゥサマシュキーさんキター!《わたわた》


 ククル:

 おい、どうしたルゥサマシュキー!?《駆け寄り》

 今日は約束の日じゃないぞ!?


 ルゥサマシュキー:

 く、ククルさん……っ《手を掴む》

 大変な事が起こった!《くわっ》


 ククル:

 斧は?《斧を掴む》

 斧は振り下ろした方が良い?《斧を振り上げる》


 アンゼ:

 話の前に一度キルしておくスタンスですね。


 ルゥサマシュキー:

 ままま待って。

 たぶん最終的には死ぬと思うけど、まだ早いわ!


 ククル:

 ぬぅ、それほどの事が……《斧を振り下ろす》


 ルゥサマシュキー:

 ひぇっ!


 アンゼ:

 じゃあ、情報流しますんで、5分後で良いですか?

 あ、プレミアムアリーナは今日使えないのか……


 ルゥサマシュキー:

 ちょっと待ってください。

 今日は男子禁制でお願いしたいです。


 ククル:

 お、おい、ルゥサマシュキー、ウソだろ!?《肩を掴む》

 男子に聞かせられないってお前……っ。はやく聞かせて!《ワクワク》


 アンゼ:

 えー女子会かぁ《難しい顔》


 ルク:

 こうなったらもう無理だ、アンゼ氏《肩ポン》

 アイツらは女子会となれば絶対に男子を入れてくれない。


 アンゼ:

 仕方ありませんね《やれやれ》

 とりあえず、段取りだけしといてあげますから。


 ルク:

 アンゼ氏は優しいなぁ。

 おいお前ら、村長……いや、我らが町長の優しさに感謝しろよ!


 ルゥサマシュキー:

 あっ、町になったんですね。おめでとうございます。


 アンゼ:

 他人事なんだよなぁ《苦笑い》



―――――――5分後―――――――


【わんわんぉ村 アリーナ】

 参加人数 453691人【空席あり】

 男女比 男子禁制

 参加資格 女性のみ可

 相談者 ルゥサマシュキー

 司会 ククル ルナルナ

 質問形式 質問受付時抽選




 ククル:

 こんばんは、ククルです。

 本日はルゥサマシュキーの緊急自慢会にお集まりいただきましてありがとうございます《お辞儀》

 本日は女子会なので、アンゼ氏に代わりルナルナさんにバトンタッチです。


 ルナルナ:

 初心な話からドスケベな話まで、愛ある話ならなんでも好きです。

 ルナルナです《お辞儀》


 ククル:

 へへっ心強い!《鼻をこする》


 ルゥサマシュキー:

 もうちょっとソフトな人はいなかったんですか?《不安》


 ククル:

 ルナルナさんディスってんのか!?《腕まくり》

 ルナルナさんはエッチなこと色々知ってんだぞ!


 ルナルナ:

 ククルちゃん、さらりとハードルを上げないでね?

 上には上がいるのが世の中なんだから。


 ククル:

 あ、すみません。

 それじゃあ前置きはこのくらいにして。

 やい、ルゥサマシュキー! 何があったんだ、言ってみろ!


 ルゥサマシュキー:

 そうなんです、聞いてください!

 えっと、今日から義務冒険の特別訓練が始まったんです。

 特別って言っても、クエストがちゃんとクリアできるようにする訓練なんで恥ずかしいんですけどね。


 ククル:

 私も今日から行ってきたわ。

 みんなしょんぼりしてて、私も引っ張られてしょんぼりしちゃった《しょんぼり》


 ルゥサマシュキー:

 それな。私ももうちょっと賑やかなのかなって思って行ったら、全員しょんぼりしててビビったわ。


 ルナルナ:

 ほら、本題本題。


 ルゥサマシュキー:

《こくり》

 それでですね、訓練自体は凄くタメになったんですけど、魔力を凄く使ったんです。もうヘロヘロになるくらい。

 家に帰ってももう何もやる気が起きなくて。そんな中、お風呂から出たあとに事件が起きました。ついさっきの出来事です。


 ククル&観衆アバター:

《ゴクリ》


 ルゥサマシュキー:

 いつもお風呂から上がると、アイツ、私の手や足の裏をマッサージしてくれるんですけどね。なな、なんと! 今日は、全身マッサージをされてしまったんですぅ!《顔を手で隠す》


 ククル:

 な、なんだってぇ!《驚愕》


 一部のアバター:

《ざわざわ》


 ルナルナ:

 おお、相棒君は凄く頑張ってるね!《ワクワク》


 ルゥサマシュキー:

 はい、なんか頑張ってマッサージしてくれました。


 ルナルナ:

 いや、そういう……うん、まあそうね。君のこと頑張ってマッサージくれたのね。


 ククル:

 き、気持ち良かった?


 ルゥサマシュキー:

 ……クッションにちょっと涎が出るくらい気持ち良かったです。


 ククル:

 なにその状態、どんな気持ち良さなの!?《困惑》

 ルナルナさん、涎が出たって!《袖を引っ張る》

 ねえねえ、涎が出たってぇ!《混乱》


 ルナルナ:

 軽アヘね。


 ククル:

 かるアヘ……これが……《恐れ戦く》

 ど、どこが、どこが一番気持ち良かった?

 わかった、お尻でしょ!?《前のめり》


 ルゥサマシュキー:

 あぅ、その、お尻は恥ずかしいから揉まないでって言いました。だからやってもらってないです。


 ククル:

 バカかよ、この意気地なし!《机ドン》


 ルナルナ:

 じゃあどこが一番気持ち良かったの?


 ルゥサマシュキー:

 えっと、太ももの付け根辺りと肩甲骨のみぞのあたりです。

 あっ、あと頭のツボを押されるのがヤバかったです。


 ククル:

 はわっ、太ももの付け根と肩甲骨のみぞ……なんか、なんか、想像がつかないよ!《頭を抱える》


 ルナルナ:

 幸せな感じになった?


 ルゥサマシュキー:

 え、し、幸せかどうかはよく分かんないです。でも凄く気持ち良くはありました。


 ククル:

 良いな良いなぁ《手をブンブン》


 ルナルナ:

 それで、彼は今、お風呂に入っているのよね?


 ルゥサマシュキー:

 はい。いつも長湯なんですよ。


 ルナルナ:

 そうみたいね、ふふっ。長湯……ふふふっ。


 ククル:

 なんか笑ってるよ?


 ルゥサマシュキー:

 どういうこと?


 ククル:

 私が分かるわけないだろ、過大評価しすぎだ!


 ルゥサマシュキー:

 いや、過大評価はしてないですよ《笑い》


 ククル:

《ぽかぽかぽか》


 ルナルナ:

《ゴホン》

 ところで、ルゥサマシュキーさんはマッサージとかしてあげないの?


 ルゥサマシュキー:

 え、考えた事もなかったです。


 ククル:

 いや、考えろよ! なに自分だけ気持ち良くして貰ってんの!?


 ルゥサマシュキー:

 ひぅうう、だけどだけど……

 うぐぅ、考えてみれば確かにちょっとないかも《しゅん》


 ルナルナ:

 じゃあ今日からやってあげればいいのよ。


 ルゥサマシュキー:

 今日から……よ、よし、わかりました。やってみます!《ふんす》


 ククル:

 ふわぁ、良いな良いなぁ!《手をブンブン》

 男の子の身体を公然とモミモミ……良いな良いなぁ!《手をブンブン》


 ルナルナ:

 ククルちゃんもその内良い人が見つかるわよ。

 義務冒険はそういう出会いがそこら中に転がっているから大丈夫。


 ククル:

 はい、頑張ります!

 へへっ、アンゼ氏とは言葉の重みが違うわね!


 ルゥサマシュキー:

 アンゼさん……《泣き》


 ルナルナ:

 うーん、昨日も講演したし、今日の報告はこれで終わりかしら?


 ルゥサマシュキー:

 えっと、まあ……そうですね。


 ルナルナ:

 じゃあ提案なんだけど、彼にマッサージしてあげた後、もう一度報告会しない?


 ルゥサマシュキー:

 もう一度ですか? うーん、はい、1時間くらいなら大丈夫です。


 ククル:

 おお、平気なんだ。


 ルゥサマシュキー:

 えっと、毎回はちょっと。


 ルナルナ:

 うん、毎回は止めた方が良いわ。魂の双子は二人の時間を大切にしないとダメだと思うわ。まあこれは男と女なら大体当てはまると思うけど。


 ククル:

 フェーディ型って言っても話のネタが無限に出てくるわけでもないからね。

 ほどほどの時間が一番かもしれません。


 ルゥサマシュキー:

 じゃあ、一旦落ちてからまた来ますね。


 ルナルナ:

 お風呂から上がったら、正座待機で迎えるのよ。


 ククル:

 感触もしっかり覚えておくんだぞ!


 ルナルナ:

 気持ち良いですかとかいっぱい声かけるのよ!


 ククル:

 お尻! お尻を揉みほぐすんだよ!


 ルゥサマシュキー:

 ぜ、善処します。それじゃ。



【ルゥサマシュキーさんが退室しました】



 ククル:

 うぐぅ、羨ましい……《肘置きドン》


 ルナルナ:

《よしよし》


 ククル:

 それにしても1時間か、結構たっぷりありますね。


 ルナルナ:

 マッサージの報告だけだと余るだろうから、質問会をしましょうか?


 ククル:

 良いですね! 質問したいって要望が結構あるんですよ。

 だけどルゥサマシュキーは制限時間約30分の女だから難しかったんですよね。

 よし、みんな、時間が余ったら質問受け付けます!

 質問は投稿方式で、抽選に当たった物を読み上げる感じで。ご了承ください!


 ルナルナ:

 今のうちにおトイレ休憩等を取っておいてねぇ!

 だけど、退室すると入場できない可能性があるから、アバターはそのままにすること!


 ククル:

 あ、ホントだ。もう90万人超えてる。

 やっぱりフェーディ型は注目されるんだなぁ《しみじみ》

読んでくださりありがとうございます。

明日後編です。

ブクマがちょっとずつ増えて行って嬉しいです。ありがとうございます。


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