1-16裏 ワワワッ2
よろしくお願いします。
ブクマして頂き、とても嬉しいです。ありがとうございます。
テフィナにおけるインターネットであるマナネット。
300億の超人口を誇るテフィナだけあり、その情報量の多さはもちろん、運営されるサイトの多さも凄まじい物がある。
そんなマナネットに大昔から続く有名なお喋りアプリがある。
名を、『ワワワッ』という。
コロポックルみたいな可愛らしいアバターを作り、ぬるぬる動くそいつを使って自分の家を作ったり、気の合う仲間と村を作ったりできるのだが、基本的にはそれらはオマケ要素。本質は3Dのアバターを動かしてお喋りするゲームだ。
アバターは様々な動作や表情が使えるので、反応を楽しむこともできる。
お喋りルームの種類はアリーナホールから自分で作ったお家、道端までたくさんあり、お喋りの内容によって使い分けることが出来る。
今日はそんなワワワッのとある村で持ちかけられた相談……から連鎖した強制尋問会を見てみよう。
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【わんわんぉ村 プレミアムアリーナ】
参加人数 12000000人 満員
男女比 2:8
参加資格 フリー
相談者 ルゥサマシュキー
司会 アンゼ ククル
質問形式 質問受付時抽選
備考 観覧席では囁き設定かフレンドチャット設定でお願いします。石・斧投げ禁止。
転載不可。
前回の動画はこちらから→###########
※注 以降、《》はアバターモーション。
ククル:
みなさん、こんばんは。
フェーディ型になっちゃった女の子の報告会、本日は2回目です。
司会のククルと……《くるんとターン》
アンゼ:
アンゼです。
名目は報告会なんですか? 相談ではなく。
ククル:
相談があればもちろん聞きますとも。
基本はワクテカする会ですよ。
アンゼ:
なるほど、まあそうですね。
ククル:
それでは本日もあの人の登場です。
ルゥサマシュキーさん!
ルゥサマシュキー:
あ、あーわわわわわわわわわわわ《ガクブル》
多数のアバター:
《圧倒的草の嵐》
ルゥサマシュキー:
ちょ、ちょっとククルさん、観客多すぎませんか!?《ガクブル》
ククル:
まあ、はい。そりゃ。フェーディ型だし。何言ってんだコイツ《怪訝な顔》
アンゼ:
飛ばしてんなぁ《遠い目》
ククル:
それより、はいはい座って座って《椅子を引く》
ルゥサマシュキー:
は、はい《座る》
ククル:
それにしても、ルゥサマシュキーが言ったように閲覧者が半端ないですね。
アンゼ:
前回の閲覧者はそのまま今回の予約をしたそうですが、その後の動画を見て一気に予約が入ったみたいですね。今回はプレミアムアリーナなのに一日で閲覧席が埋まってしまったみたいです。
ククル:
《口笛》
フェーディ型はやっぱり運命感ハンパないからなぁ。
ところで、動画と言えば、あれ15禁設定が入ってましたが必要あるんですか?
アンゼ:
あれはルゥサマシュキーさんの要望です。
ルゥサマシュキー:
《目を逸らす》
ククル:
なぜ目を逸らした。
お姉ちゃんに話してみ《胸倉を掴む》《目以外笑う》
アンゼ:
拒否権とは。
ルゥサマシュキー:
ひぅうう《ガクブル》
あ、あの、実は彼がゼットを買ったんです。
ククル:
ふんふん。続けて《離す》
ルゥサマシュキー:
それは前回の相談の日の事だったんですが、その時、彼のゼットを拝借していくつかこっそり設定したんです。
アイツは私のアドレスを入力してただけって思っているはずなんですけどね。
ククル:
ふーん、私、そういうの好きよ《期待の目》
アンゼ:
私も嫌いじゃないですね《にやにや》
で、どんな悪戯したんですか?
ルゥサマシュキー:
えっと、その。
ゼットがあると、魂の双子の魔力交換の味の意味がバレちゃうんで、まずは魔力交換について調べられないように特定検索結果除外設定を。
あと、ついでにチャイルドロック設定もしときました。たぶん、ワワワッで相談すると思ったんで、相談内容がアイツに筒抜けになっちゃったら嫌だし。
ククル:
チャイルドロック設定は分かったけど。
特定検索結果除外設定までやるとは……やりおる《冷や汗》
ということはつまり、魔力交換の味の意味がバレると不味い状況にあったって事ですよね?
ルゥサマシュキー:
う、うぐぅ……はい。
わ、私、男の子からあんな好感を持たれたの初めてだったから、心の中ぐちゃぐちゃで。そんな自分でもよく分からない感情がバレるのは凄く恥ずかしいし。
ククル:
つまりルゥサマシュキーは魔力交換する度に顔を真っ赤にしていると《によによ》
ルゥサマシュキー:
あ、あぁあああああああ!《頭を押さえてガクガク》
だ、だけど、アイツは自分の魔力の味が激辛だと思い込んでるからセーフです!
ククル:
なにそれ可愛い。
アンゼ:
ククル氏がチョロ過ぎる件。
ククル:
だって、ルゥサマシュキーのクソみたいな嘘を信じちゃってるんですよ?
アンゼ:
口悪いなぁ。
ですけど、『魔力交換』を除外設定にすると怪しく思われるんじゃないですか?
確かに特定検索結果除外設定を行うと、そのワードが含まれてる記事は全部検索結果から除外されるんですよね?
ククル:
はい、『魔力交換』だったら確実に魂の双子関連の検索結果は出なくなりますね。
ルゥサマシュキー:
そのことでこの前、ちょっとピンチになりました。
ククル:
どうしたどうした!?
ルゥサマシュキー:
アイツの世界にもゼットに似たような端末があったみたいで、すぐにゼットの操作に適応しちゃったんです。
それで、テフィナについて色々調べたり、魔法について調べたり、まあ色々としてたみたいなんですけど。
アンゼ:
魂の双子なら当然、魂の双子について調べますよね《やれやれ》
ルゥサマシュキー:
うっ、まあ、そうなんです。
他のはすんなり調べられたのに、魂の双子については全然検索できなくて困ってました。
ククル:
困ってるところ見て萌えた!?《身を乗り出す》
ルゥサマシュキー:
……ちょっとだけ《目を逸らす》
ククル:
うぁあああああ、私もシャッドきゅん似の男の子をヘニョらせたいよぉおおおいおいおいおい!《蹲って泣く》
アンゼ:
始まったか?《ゴクリ》
それで、困った彼は君になぜ検索できないのか質問してきたのかい?
ルゥサマシュキー:
ええ、してきました。
魂の双子が検索結果に出てこないんだけどどうなってるの、みたいな感じで。
ククル:
《バッと起き上がる》
なんて答えたの?《わくわく》
ルゥサマシュキー:
えっと『そんなはずはないから、多分、機人さんがまだその知識は早いと判断してるのよ。だから見れるようになるまで、待った方がいい』って言っておきました。
ククル:
困った時の機人さんですねわかります。
もちろん、その理由は……
ククル&ルゥサマシュキー:
『機人さんのすることだから深い意味があると思うけど、私達には分からない』
アンゼ:
ネットじゃよくそう言うけど、彼らの行動はちゃんと考えれば分かるからね。前提がテフィナ人のためなんだから。
しかし、魂の双子は魔力交換の味を察知することで二人の関係が良い方向にも悪い方向にもなるみたいだからね。事実を隠したのはあながち間違った行動でもないのかな?
ククル:
いや、何も知らない迷い人の子のゼットに勝手に細工するとか極悪でしょ。
アンゼ:
ははっ、それもそうですね。
ちなみに、彼から味の意味について聞かれたりしましたか?
ルゥサマシュキー:
はい、聞かれました。
その時の体調によって変化するから気にしなくていいって嘘ついておきました。
ククル:
で、自分だけしゅきしゅき風味の魔力を味わって、ホントこいつ私のこと大好きね、ってニヨニヨしてると。最低だな。
ルゥサマシュキー:
《目を逸らす》
アンゼ:
なんてアンフェアな関係なんだ……
というか、思うんですけど、どうせ特定検索結果除外設定するなら、ワワワッもそうすればよかったじゃないですか?
ククル:
確かに。
ルゥサマシュキー:
確かに! 失敗したわ。
ククル:
じゃあ、ルゥサマシュキーさんの外道っぷりとおっちょこちょいが分かったところで。
恒例となりました今週のキュンキュンチェックです。
ルゥサマシュキーは時間制限がある女だからね。サクサクいくよ。
で、1週間一緒に過ごして何か胸キュンな出来事あった?
ルゥサマシュキー:
む、胸キュンとか。べ、別にアイツの事とか何とも思ってないですしぃ《斧を振り下ろす》
アンゼ:
っっなんで俺!?《ダイビング回避》
【ラナノック調の椅子が壊れました】
アンゼ:
あ、あー!《仰天》
ククル:
アンゼ氏は立ってなさい。
で、で? 本当のところはどうなの?
ルゥサマシュキー:
え、えーと……胸キュンとかではないんですが、ここ最近の出来事を話しますね。
一緒に暮らすことになった翌日からほとんど毎日、レベル教育に一緒に参加するようになりました。
アンゼ:
レベル教育? 彼はレベルが低かったんですか?
ルゥサマシュキー:
はい。ちっちゃい子に混じってスライム倒してます。
まあ、私もちょっとレベルが下がってたんで一緒に参加してるんですけど。
アンゼ:
ふむふむ……あれ?
君たちは学生だと思ったんだけど、毎日レベル教育に行くって事は、もしかして違うのかい?
学生ならそんなにレベル教育のスケジュールを詰め込まなくて良いですよね?
ルゥサマシュキー:
あ、言ってませんでしたね。
私の義務冒険が丁度出会った日に始まったんで、アイツも義務冒険に参加することになりました。
ククル:
ええええええ!
わ、私も義務冒険が今年から始まったんだけど!
ルゥサマシュキー:
わっ、奇遇ですね!
お互いに頑張りましょう!《手を差し出す》
ククル:
ええ!《手を払いのける》
ルゥサマシュキー&アンゼ:
《…………》
ククル:
何よ。
ルゥサマシュキー:
い、いえ。その……握手が……
ククル:
《は?》
じゃあ聞くけど。
一緒に住んでるお二人は夕ご飯どうしてるの?
ルゥサマシュキー:
え、えっと、お外で食べてますけど……あっ、そうそう、ご飯と言えば!
ククル:
……《……》
ルゥサマシュキー:
始めて二人でお外で食べたのが、ドラゴンテイルのお店だったんですけどね。
私はカッカロで、アイツはドラゴンテイルの刺身を頼んだんです。
渋いの頼むなぁって思いながら見てたら、何を勘違いしたのか一緒に食べようって言ってきて、お互いの料理をちょっとずつ分けて食べたんです。あそこの店のドラゴン刺身は美味しかったなぁ。
それから毎日、2皿頼んで半分っこしながらご飯食べてます。同じ値段で二つの味を楽しめるし、アイツにしてはなかなか気が利いた提案でしたね《大仰にうんうん》
アンゼ:
圧倒的挑発行為に帰りたいゲージが跳ねあがったよ《遠い目》
ククル:
ふ、ふっくぐぅ……《泣き》
き、聞いたでしょ、アンゼ氏。これが手を払いのけた理由よ。
二人がイチャイチャしながらご飯を食べてた頃に、私は自炊して『わっ今日は上手に出来た!』なんて手を叩いて喜んでたのよ……っ! 一人でっ!《ひじ掛けドンッ》
アンゼ:
い、いやいや、自炊している義務冒険の子は立派だと思いますよ?《逃げ腰》
ルゥサマシュキー:
そ、そうですよ。私なんてお料理あまりしてこなかったし、素敵だと思います。
あ、お料理と言えば。
アンゼ:
追い打ち一丁入りまーす《信じられないものを見る目》
ルゥサマシュキー:
なんかアイツお料理が出来るみたいで、生活が落ち着いたら自炊するって言ってましたね。
まっ、期待はしてないんですけどね《笑い》
ククル:
《は?》は? マジで、はぁ!?
シャッドきゅん似で子犬系男子かつ定期的にしゅきしゅき味の魔力を提供してくれる上に、お料理作ってくれるとか。お前、乙女ゲーのヒロインかよ!?《椅子から立ち上がる》
しかもしかも! そんな男の子が作ってくれるお料理を期待してないとか、クソクソッ!《地団太を踏む》
アンゼ:
あ、あわわわわわ……《ガクブル》
ククル:
うぅうううう……っ!
羨ましい羨ましい羨ましい!《寝転がってジタバタ》
一部の女性アバター:
羨ましい羨ましい羨ましい!《寝転がってジタバタ》
妬ましい妬ましい妬ましい!《寝転がってジタバタ》
男性アバター:
《ドン引き》
アンゼ:
き、君たちなんなの、練習してきてるの?
プレミアムアリーナ規模だと揺れが凄いんだけど《ガクブル》
ルゥサマシュキー:
あわわわわわわわわ……《ガクブル》
ククル:
うぅううう、ちくしょうちくしょうちくしょう……っ《床ドン》《床ドン》《床ドン》
同じ日に義務冒険者になったのに、なんで私とこの女はこんなに差があるんだ……っ。
アンゼ:
だ、大丈夫ですよ、ククル氏。
義務冒険中にきっと素敵な出会いがありますから!
ククル:
……ルゥサマシュキーさんみたいにドラマチックな?
アンゼ:
え、ええ!
ククル:
ホントに?《顔を上げる》
アンゼ:
は、はい。
統計によると、義務冒険中に出会った男女はそのまま付き合い、結婚まで至るケースが多いみたいですよ。私の友人の多くも義務冒険中に出会った女の子と結婚しましたし。
ククル:
おお!《キラキラ》
一部のアバター:
《ざわざわ》
アンゼ:
元気が出ましたか?
おや、閲覧席にも義務冒険者が結構いるみたいですね。みなさんも頑張ってください。
それじゃあ、お話を続けましょう、立って立って。
ルゥサマシュキーさんは彼がお風呂から出てくるまでしか時間がないようだし。
ククル:
《無表情》
アンゼ:
……おっと。
ククル:
まあ、良いけど《溜息》
で、他のキュンキュンイベントは?
アンゼ:
キュンキュンチェックを続けるの!?
ホントはメンタル強いでしょ君。
ククル:
アンゼ氏は女の子の心理が分かってないです。
他人の恋バナは、羨ましいし妬ましいけど、凄く聞きたいものなんですよ。
あっ、だけど頼んでないのに話始めるのは駄目ね。最高にメシマズ。
ルゥサマシュキー:
分かる!《うんうん》
アンゼ:
難しい生き物ですね《苦笑い》
ククル:
で?
ルゥサマシュキー:
あ、はい。
えーと……あっ、もうこんな時間か。そろそろ終わりにしなきゃかも。
じゃあ、あと一つだけ話しますね。
今朝の事なんですけどね。アイツとはいつも一緒の部屋で寝てるんですが。
ククル:
いいなぁ……
ルゥサマシュキー:
べっつに良くないですよ《笑い》
ククル:
《ビキビキ》
アンゼ:
彼女は天性の煽り屋なのかな?
ルゥサマシュキー:
で、アイツっていつも早起きで、起こす時は離れた場所から声を掛けて起こしてくるんです。
アンゼ:
毎度のことながら、君が話す彼の人物像は非常に好感が持てる少年ですね。
ルゥサマシュキー:
へっ? 今のところにそんなポイントありました?
アンゼ:
い、いや、分からないならいいです《ドン引き》
ルゥサマシュキー:
ドン引きされてますけど!?
ククル:
も、もちろん私は分かってるわよ!《下手な口笛》
女性アバター:
《疑問符》
男性アバター:
《うんうん》
アンゼ:
さっきの言葉をそのまま返しますよ。君たちは男心が分かってない。
ですが彼には彼の考えがあるでしょうし、私の口から憶測は語れません。自分で考えてください。
ククル:
おい、ルゥサマシュキー、宿題だぞ!
アンゼ:
君もだよ!
ククル:
チッ、乙女ゲーで男心を復習し直すか……
アンゼ:
たぶん、乙女ゲーのキャラクターはこんなことしませんよ。
ククル:
ふぇえええ!?
アンゼ:
ゲームだと起床を促すシーンとか耳元で囁いてくるでしょ?
ククル:
当たり前じゃないですか! 息が吹きかかる距離でのお目覚めボイスです。
私のおすすめは、デオクラのサイアス様のトロ甘ボイスですね。ルゥサマシュキーは?
ルゥサマシュキー:
私は断然、テンオチのメフィルダーツ様ですね。ニャーッてなります。
ククル:
メフィルダーツ様はヤバいね! フニャフニャになるよね!
一部の女性アバター:
《うんうん》
アンゼ:
ま、まあ、よく分かりませんが乙女ゲーのキャラクターを参考にしてたら答えは導き出せません。
この話はまたの機会にして、ルゥサマシュキーさん、続きをどうぞ。
ルゥサマシュキー:
え、あ、はい。
えーっと、なんだっけ……
アンゼ:
いつも離れた場所から声を掛けて起こしてくれるって話です。
ルゥサマシュキー:
あ、そだったそだった。
で、ですね。今日はいつもと違って肩を揺すられて起こされたんです。
アンゼ:
ふむ。
ククル:
なんだかアンゼ氏に威厳が戻ったな。
ルゥサマシュキー:
目を開けたら近くにアイツの顔があって、起き抜けだったしちょっとびっくりしたんです。
ククル:
絶対ちょっとじゃないじゃん。口に猫何匹いた?【注1】
ルゥサマシュキー:
ま、まあ、アイツ、顔はシャッドきゅんに似てるし……10匹ぐらい……
ククル:
またまた。絶対1万はいたね。
で、で。恥ずかしくて枕に顔を埋めたの?
ルゥサマシュキー:
その時の状況見てたの!?
ククル:
私だったらそうすると思うからね!《親指を立てる》
アンゼ:
甘酸っぱいなぁ《苦笑い》
で、結局、近くで起こされたのに理由はなかったんですか?
ルゥサマシュキー:
それがですね、お腹の中がギュオンギュオンするみたいで怖くなっちゃったみたいで。
ククル:
ギュオンギュオン? はっ!《ピキーン》それは……絶死病ね。
ルゥサマシュキー:
それ私も言いました《笑い》
アンゼ:
ん? それって、第二次魔力覚醒が始まった子供に言う冗談ですよね?
ルゥサマシュキー:
はい、ふふふっ《笑い》
ククル:
ん? あれ、そう言えばそうですね?《疑問符》
アンゼ:
ちょっと待ってください《手で静止》
もしかして、君のパートナーは、まだ第二次魔力覚醒が始まってなかったんですか?
ということは君達は12歳前後……いや、義務冒険が始まったのか……ん?
ルゥサマシュキー:
あれ、言ってませんでしたっけ?
アイツは、5型世界の人で、ルーラ様にテフィナ人の身体にしてもらったんです。
だから、ま
全アバター:
えぇええええええええええ!?《驚愕》
ルゥサマシュキー:
にゃあああああああ!?《驚愕》
って、あ、ヤバイ。アイツがお風呂から出てきそう《あわあわ》
すみませんけど、今日はこのくらいで終わりにしてください。
ククル:
ちょ、ここで!?
アンゼ:
私もかなり気になりますけど、ゲストを引き留めるわけにもいきませんよ。
ククル:
ぬぅ……仕方がないか。
じゃあ、ルゥサマシュキー、次の回の連絡してな!
ルゥサマシュキー:
は、はい、また数日後にでも。
それじゃあ。
ククル:
ルゥサマシュキー、帰るの早いなぁ。くそぉ、ウキウキした感じで帰りやがって……っ
アンゼ:
ツンデレみたいなセリフを口にしてますが、今の生活が楽しいんでしょう。
ククル:
そりゃそうでしょうよ!
彼の萌え属性が凄いもん。
シャッドきゅん似で、子犬みたいにいろんなことに興味持って、お料理作ってくれて、おかずを半分こにしてくれて、手や足のマッサージしてくれて、その上定期的にしゅきしゅき成分補給してくれ……なんだこの男子!?
アンゼ:
確かに彼のことを挙げていくと、男の私でも戦慄する物件ですね《笑い》
ククル:
絶対にあの女、早く告白されないかなぁとか思ってるわ《確信》
アンゼ:
魂の双子だとこれからずっと一緒に居るわけだし、そこらへんは臆病になってしまうこともあると思いますけどね。
ククル:
あー、『絆クエスト』な。少女漫画の傑作ね。
アンゼ:
それそれ。
ククル:
アンゼ氏も読んだの?
アンゼ:
ええ、私も昔は恋に恋した時代がありますからね。
おっと。えー、そういうわけで今日は終わりです。
申し訳ありませんが、来週の予約は抽選式にしたいと思います。
詳細は明日以降、わんわんぉ村のホームページで確認をお願いします。今見てもまだ更新されてませんので悪しからず。
ククル:
それにしてもわんわんぉ村の来村数がヤバい事になってますね。もう町になっちゃいます。
アンゼ:
わんわんぉ村は元々ひっそりとした村だったんですけどね。
ルゥサマシュキーさんもたまに来るくらいだったし。
ククル:
えっ、ルゥサマシュキーって前から来てたんですか?
私、一度も会ってない。
アンゼ:
来てましたよ。
『ランマールの塔』のストーリー談議が一時期わんわんぉ村で流行りましてね、ルゥサマシュキーさんはその時からわんわんぉ村に来てくれるようになりました。
ククル:
あー、ありましたね、そんな時期。
私は乙女ゲー専門だったから凄く所在なかったです。
アンゼ:
なんかすまん。
ククル:
いえ、別に良いんですが。
……よしっ、二次会だ!
乙女ゲーについて語りたい人、わんわんぉ村の大会議場に集合な!
今日の議題は『お目覚めボイスは誰が一番ヤバいか』にしましょう。
一部の女性アバター:
《アップを始める》
アンゼ:
じゃあ私は、丁度良いので5型世界の勉強会をしましょうか。
マニアックな世界ですからね、ほとんど知らないって人が多いでしょう。
私は広場を借りますね。
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ロロティレッタの文化案内
・【注1】 【口に何匹猫いた?】
女の子に搭載されているドキドキゲージが臨界点を突破して、ニャーッて言いそうな時の心境を現わしているわ。実際に言ってもよし。
元々は、『口の中で猫が鳴く』という慣用句が発祥なんだけど、『口猫した』とか省略されたり、猫の数を付け加えてこんなにドキドキしたと強調したり、『鳴く』の部分を他の動詞に変えたりするわ。
例文》 「彼が不意にとったその仕草に、私の口の中で猫が盛大に鳴いたのでした」
これが本来の使い方。鳴くの前に、強調する言葉を差し込むのは普通。
学校のテストにも出るから覚えておくように!
変化形1》 「ちょっまっ、はわわわっ! あ、アンタ、私の口に猫を住みつかせるつもり!?」
変化形2》 「きゃー、マジマジ!? ねえねえ、口猫何匹鳴いた!? 2万? 大合唱じゃない!?」
この二つは変化形の例。
こっちはテストにはでないからね!
・【わんわんぉ村】
ワワワッじゃ珍しくない、これと言ってテーマのないなんでも雑談が目的の村ね。
村長はアンゼさん。副村長はルクさん。
村民は基本的に300人前後なんだけど、たまに爆発的に多くなる村としてちょっと有名ね。まあ、この手の村は割と多いんだけどね。
私がここの村民になったのは、ゲーム《ランマールの塔》が原因だったわ。
ランマールの塔に出てくるラクシスとメジカの二次小説がわんわんぉ村で作られているって聞いて読みに来たのよ。この時も爆発的に村民が増えてたわ。
そんで最近も滅茶苦茶村民が増えたわ。アンゼさん、ごめんね!
・【シャッド・シャモン】
上質な食べ物を食べ、世代を重ねて顔立ちが綺麗になった昨今では、絶滅危惧種と言われているモブ系の顔の男子の代表格。
大昔の大冒険者時代とかだとたくさんいたみたいだけど、今は超絶レアね。
背伸びをして大人っぽく振舞うけど、すぐに子供っぽさが露見する男の子。
一緒にいる幼馴染のレナを守る強さを求めて、ルゥ様に弟子入りするの。
『フェーディ物語』8巻はほぼこの子の成長物語ね。
読んでくださりありがとうございます。




