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1-16 第二次魔力覚醒

よろしくお願いします。

約7500文字……まあこのくらいなら分割しなくても……

そこら辺は気分でいきます。

 最近の俺は、朝、目を覚ますとモーニング視姦に精を出している。

 ……いや、待った。精を出しているは普通の慣用句だが語句の相性が悪すぎるので、言い換えよう。モーニング視姦に努めている。よし、少しはマシになったな。


 起床し、まずは今日も抱き枕にされなかったかと残念に思い、それから丸めた布団に足を絡めてイチャつくロロのうっすいパジャマ姿をたっぷり眺める。

 これがまたグッとくる。コートを脱いだエロティレッタモードは直球なエロさだが、パジャマの色香も計り知れない。

 一度などズボンがちょっとずり落ちており、黒と白の縞パンがおはよっしてた時には荒ぶる己の分身を抑え込むのに苦労したものだ。キュッとくびれたピカツヤな脇腹なんかも見えたりするな。

 ふふっ、しかもこの女ツルツルなんだぜ?


 さらには、ふにゃっとしたお口に指を近づけたらしゃぶってくるかななんて想像したりもするし、エロを抜きに髪を優しく梳いてみたいという欲求も湧いたりする。

 早い話、朝っぱらから思春期が暴れまわっているわけだ。


 一方のロロは、ウェムの腕輪を着けて生活していることで毎日泥のように眠ってしまい、こうしてじっくり眺めても起きやしない。

 しかし、変な事はしないぞ。万が一起きたら取り返しがつかないからな。


 朝だけにろくに頭が働いていない状況なのでいつ暴走するか自分でもはらはらしているが、公然とロロの極上パジャマ姿を眺められる瞬間がこの時しかないので仕方がない事なのである。

 そうして色々と元気になり、今日も一日頑張るぞって気分になるわけだ。まあ、異世界に来たのだから、こんな儀式をしなくてもデフォルトで毎日がメッチャ楽しいんだけどね。


 ところが、今日はその神聖なる日課がなされなかった。

 朝、目を開けた瞬間に、明らかに自分の身体が変な事に気づいたのだ。


 身体の中で嵐が巻き起こっているような、得体の知れない症状が襲っている。

 むろん、こうして起きているので実際に内臓が暴れまわっているわけではない。吐血するわけでもない。


 もしかして風土病にでもかかったのかな。

 すげぇ、不安。


「ロロ、ロロ。起きて。ロロ」


 俺はすぐさま相棒に助けを求めた。

 いつもなら、起こす俺を寝ぼけたロロが抱き枕にするといった、ベタなラッキースケベを呼び寄せてしまう可能性を視野に入れて遠くから呼びかけて起こすのだが、今日ばっかりはそうも言ってられない。


 俺はベッドを降りて回り込み、ロロの肩を揺すった。

 ベッドの上で起こすのはなんかムラムラしちゃいそうなので避けた。床とベッド、己が立つフィールドでなんか気持ちが全然変わっちゃう。


「ロロ!」


「……にぇえ?」


「にぇじゃなくて。ロロ、起きて。なあったら」


「っっ…………にゃっ」


「にゃじゃなくてさ。マジで起きて、ロロティレッタ!」


「にゅっ!」


「……おい、お前もう起きてんだろ?」


 たぶん、にゃくらいで起きていた雰囲気だ。ちょっとビクついてたし。

 ロロはイチャついていた布団に顔を埋めて何やら笑っている。


 ……お、おーいおいおいおい。

 そうじゃねえんだよ。今はそういうクッソ可愛いことしなくていいんだって!

 っていうか、男と一緒に寝起きしてるのにその態度はウェルカムとしか思えないんですけど! 襲うぞ!?


「違うだろうが……っ!」


 煩悩にそれた思考に思わずツッコンだ俺の言葉に、ロロは不思議そうに目をパチパチさせる。

 煩悩の件は置いといて。


「ご、ごほん。なあ、ちょっと聞いて。なんか、身体が変なんだよ」


「え、大丈夫?」


 ロロは眉根を寄せて起き上がる。

 良かった、ラブコメモードから真面目モードにシフトチェンジしてくれた。

 ロロがベッドの頭側に身体を寄せ、俺が座れるスペースを作ってくれる。


 足の裏を合わせて座った事により、股間部分の生地がピンと張って妙なエロさを醸しだしてって違ーう! かーらーだ! 自分の身体を心配しろ! これだから思春期ボーイはままならねえ!


 俺は未だホカホカなベッドに腰を下ろし、極力ロロを見ないようにした。

 そうして自然な感じでベッドに手を置き、布団に残るロロの温もりを手のひらで探……もう俺の脳はダメかもしれんな。


「あ、あのな。なんか身体の中がビュオンビュオンするんだ」


 自分でも何を言っているのか分からないが、そんな感じなのである。


 しかしこのシチュエーション、どこかで……あ。

 自分の身体に起こった変調を近しい人物に打ち明けるこのシチュエーションが、ふと俺の脳裏に懐かしい記憶を蘇らせる。


 あれは小学校5年生の初夏だった。

 夏休みがもうすぐ始まろうとしていたある日のこと、朝、目を覚ますとなんか変なのが出ていたのだ。はわわわと俺は凄く不安になり、じっちゃんに慌てて相談したんだ。あの時のじっちゃんの顔ったらね。


『白いやつが出てきただと?』


 アニメ好きだったじっちゃんの精一杯のジョークを俺は華麗にスルーしたっけな。

 ふふっ、懐かしい。俺の人生で現在最大の黒歴史だ。


 ……これ、そういう感じのヤツじゃないよね?

 女の子にそんな相談してるとか、軽く死ねるんだけど。


 しばらく難しい顔をしていたロロがおもむろに口を開いた。


「身体の中がビュオンビュオンって、それ、もしかして絶死病かも」


「絶対死ぬ病気じゃん!?」


「うん。大変だわ」


「いや、嘘つくならもうちょっと凝った嘘つけや」


 魂の双子は片割れが死ねば、もう片割れも数日内に死ぬのだ。こんな落ち着いて告知できるはずがない。

 ロロは大きな口をにんまりして、嘘よ、と言った。だから言われんでもわかっとる。


「それは第二次魔力覚醒よ。私の時もそんな感じだったもの。朝起きたら、身体の中がドゥルンドゥルンするの。あの時は怖かったわぁ。この私が怖くて泣いちゃうくらいだし」


 お前のゆるゆるな涙腺を基準にして何が評価できるのかさっぱり分からないが、とにかくこれが噂の第二次魔力覚醒期って奴らしい。


「そっか、これが……なあ、何かした方が良いこととかあるのか?」


「語尾にワンをつけて一日過ごすの」


「分かったワン。嘘だった時はお前の痛いツボを押しまくるワン」


「も、もう本気にしちゃって、冗談よ。特にないわ。夜くらいまでそんな感じで、落ち着いてから純魔力を放出すると魔法の使い方が何となくわかるようになるわ」


「ふむふむ。うん、わかった。ありがとうロロ」


「全く手間のかかる子でちゅね?」


「しゅん……ごめんなたい、お姉たん」


「にぇは!? う、ふっふふふ!」


 ロロの冗談に俺がしょんぼりした感じで返すと、ロロはポテンとベッドに転がりお腹を抱えて笑い始めた。

 パジャマ姿のままベッドの上でそんなことして、お前は本当に無防備だなぁ。マジで襲いてぇ。

 男の前で無防備すぎるお前が悪いんだぞ、とか言ってオラオラな感じで攻めてみようか。案外、イケるかも分からないぞ。まあチキンボーイな俺がそんなことできるはずないんだけどな。




 魔法とは実のところ、非常に簡単な技術である。

 なにせ魔法世界においては、そこらの犬猫でも使用しているくらいなのだ。もはや本能の域で使用できる技術なのである。


 さらに、魔法世界の人は犬猫よりも魔法に対する親和性が各段に高い。

 それは何故かと言えば、そのように進化してきたからである。


 魔法世界は、地球のように集団で木の槍や弓矢を用いれば普通に倒せてしまう生き物ばかりじゃない。

 むしろそんな生き物の方がレアだ。

 咆哮一つで雲を消し飛ばす空飛ぶ巨大トカゲ。火や雷を帯びる毛皮を纏った四足獣。拳一つで巨大なクレーターを作る狒々。

 そんなアホみたいに強い魔獣が跋扈する魔境が魔法世界なのだ。


 そんな世界で怯えて暮らしていたか弱きテフィナ人の遠い祖先は、自分たちが当たり前のように使っている魔法に可能性を見出した。

 魔法の理を知るために知を欲し、知を継承するために手や声を欲した。そうして出来たのが人だという。

 そういうわけで、人の身体とは魔法を使う上で最適なフォルムな上に、時期が訪れれば腕や足を動かすように簡単に魔法が使えるようになるらしい。


 ロロに義務冒険の歴史を教えてもらった際に触り程度にこれらの事を教わったが、ゼットが手に入ってから改めて自分でも調べてみたりもした。


 ネット上には魔法についてそれはもうたくさんの情報があった。

 なにせ魔法ってのはテフィナの核を為す事象なので、その研究はとてつもなく深い場所まで掘り進められている。


 とにかく、魔法とは非常に簡単で、第二次魔力覚醒が過ぎれば誰にだって使用できる物なのである。




 第二次魔力覚醒が始まったが、今日も変わらずレベル教育に参加だ。

 永久脱毛した日を抜かせば毎日レベル教育を受けているが、日を追うごとに一緒に参加する子供たちの年齢が高くなっていく。15歳までにレベル10まで上げる長期計画らしいので、必然的にこうなるようだ。


 ウェムの腕輪の効果で相当に疲れているものの、普通にレベル教育は終わり、時は夜。


 オコタでぬくぬくしている俺に、ついにその時が訪れた。

 身体の中で渦巻くビュオンビュオンがぱたりと止んだのだ。


「はっ!? ロロ、ビュオンビュオンが落ち着いたぞ!」


「んぇ」


「なっなっ、この後は!?」


 まったりぬくぬくモードから瞬時にテンションバカ高モードにシフトチェンジ。

 何を隠そう、俺はVRMMOが実在すれば魔法職をやりたいと思っていた男だ。

 だって魔法だぜ魔法。手からファンタジーが放出されるんだぜ? 剣とか槍とか、その気になれば現実で使えるのだ。それを考えればもう魔法一択なのは当然であろう。

 そんな俺が今、リアル世界で魔法を使おうとしている。それはテンションも上がろうってものだ。


 一方、俺の向かいに座るロロは、ゼットを横向きにしてピコピコピコピコとゲームに夢中。俺への返答だって、んぇ、だけだ。

 はい、出た出た出ましたソシャゲマグロ。人が何を言っても上の空。

 そんな場合じゃねえんだよ!


 俺はロロに純魔力をほんの少しだけぶち込んだ。

 ロロはすぐにポンと顔を赤くして、俺を半眼で睨みつけてくる。

 そして、目を逸らすと、大きな口をムニムニ動かしながら、ゼットを置いた。


「教えてよ」


 再度言うと、ロロはプクッと頬を膨らませた。

 その仕草は実に可愛いんだが、今は違うんだよ。そうじゃねえんだ。分かってくれ。頼む。


「な? お願い、教えて?」


「わ、分かったわよ。もうもうったくもう」


 やっとわかってくれたか。


「はぁ。じゃあまずは、勝手に純魔力を浴びせた事をお姉ちゃんに謝りなさい」


「へ?」


「コウヤは謝れない悪い子なの?」


 え、ええ?

 唐突に始まった赤ちゃんプレイにさすがの俺も戸惑いを隠せない。

 一体どうしてこんな事を言い始めたのか……あ、あー、朝のアレか。


「しゅん……ごめ、ごめんなたい。おねえたん」


 俺は特別サービスで胸の前で指遊びをして、上目遣いでロロをチラチラ見てやった。


「ちょ、なによそれ。にゅふ、ふふふっ」


「えっと、こういうの好きなの?」


「べ、別にぃ? ちょっと面白かったからやってもらっただけだしぃ」


 そう言いつつニヤニヤするロロ。絶対に好きじゃん。

 なんだろう、もしかしてショタ好きなのかコイツ?

 そう言えば、以前、ゼットで強そうなショタキャラの乳首を猛タップしてたな。……ガチなのか?


 い、いや、それはともかくとして。


 先ほども説明したが、俺はすでに魔法の使い方を予習済みだ。

 ゼットなんて便利な物を手に入れて、今日に至るまでいくらでも時間はあったからな。魔法が使いたい俺が調べないはずがない。

 だから、別にロロに教えてもらわなくてもゼットを確認しながら予習した事をやればいい。動画とかもあるし。俺のおすすめは『エレノア先生の魔法塾』だ。おっぱいが大きな優し気美女が懇切丁寧に魔法の使い方を教えてくれるのだ。

 だけど、ファンタジーなんだし文明の利器ばかりに頼るのはあまりに味気ない。


 うん、まあ、ここはハッキリ言おうじゃないか。

 俺は女の子とイチャコラしながら魔法を覚えたいのだ! 某映画の幽霊と陶芸する名シーンみたいな感じキボンヌ!


 俺の欲望の被害者は座椅子に寄りかかり、言った。

 俺はニコニコだ。


「アンタ、今、純魔力を出してなんか感じなかった?」


「いや、全然」


「あー、もしかしたらちょっとしか出さなかったからダメなのかも。一杯出して」


 美少女に頼まれたら一杯出すしかないぉ!

 俺はロロの前で一杯出した。


「って、な、なんだこれ!?」


「それが第二次魔力覚醒で起こる純魔力の変化よ」


 見た目も出力も出し方も別に変わっていない。

 だが、純魔力を放出すると、コイツで何かが出来そうな気がするのだ。

 いや、気がするとかあやふやな感覚じゃないな。確信だ。何かが出来ると確信できる。


 今まではこんな感覚ではなかった。

 もちろん、最初の頃は手から出る純魔力を見て、イメージ次第で凄いことが出来るんじゃないかなんて思っていた時期もあったけど、これが全然ダメ。

 まあ、俺と同じ事を思った奴が純魔力を日常家電のエネルギーにする術を発見したわけだから、あながち間違いではないのだが、俺の求める魔法は純魔力じゃできなかった。

 いつしか、コイツはゼットや日常家電のエネルギーとして使うか、ロロを赤面させるくらいにしか使えないものだと考えるようになった。


 それがどうだろうか。

 一皮むけたコイツは、準備は整ったぜ、とドヤ顔を決め込んで俺の元へ現れたのだ。まあ、出しているのは俺なのだが。


 とまあ、何を言っているのか分からないだろうが、これはもはや当事者以外に理解できない域の現象だと思う。

 しかし、それはそうだろう。なにせ、魔法と言うのは根源的には理論ではなく本能で使用するのだから。


「なあなあ、色々出来そうな気がしてきたんだけど!」


「そうでしょうね。あとはイメージよ」


「ああ、それは知ってる。よーし待ちに待ったお楽しみタイムだ。えーとえーと、どうしようかな。何をつかにょぉん!?」


 俺がワクワクしながらどんな属性を使おうか考えていると、炬燵の中で俺の脚が振動魔法によりブルブルさせられた。もちろん、犯人はロロである。


 くそっ、いつもいつも人をブルブルさせやがって、この女。お澄ましした顔してさぁ! そんなにバイブが好きなのかよ!

 ならば俺もそれをやるしかないだろう。

 っていうか、俺は振動魔法を極めたい。この魔法には他にない煌びやかな可能性を感じる。きっと世のテフィナ人男性はみんな同じことを思っているはず。


 しかし、初めての魔法ってちょっと危険なような気がする。ましてや振動魔法は加減を間違えれば骨が粉砕するらしいし。

 テフィナ人には魔力でダメージを肩代わりするマシルドがあるけれど、今までそんな物がなかった俺からすると暴走した時などを想像してしまい、やっぱり怖い。


 慎重な俺はロロの足を掴んで痛いツボをグリッと押し、ひぎぃと言わせてから炬燵の上に置いてあるティースプーンを手に取った。

 まずはコイツで試そう。


 お返しのお返しを始めたロロが若干ウザいので炬燵から脱出。お前とはあとで遊んでやるからちょっと待ってろ。

 ラグカーペットに体育座りをして、スプーンと睨めっこ。


「生咲洸也の名において命ずる。振動せよ!」


「にゅふえ!?」


 俺の気合の言葉に、怒っていたロロが噴き出すがスルー。

 原始的な技術である魔法は詠唱などいらんのだ。

 イメージを交えた俺の命令に、しかしスプーンはうんともすんとも言わない。完全に痛い人だ。


「あれぇ?」


 首を傾げる俺に、肩を震わせるロロが教えてくれた。


「振動魔法はちょっと特殊なのよ。やり方知らないとできないわ。くふす……っ」


「あ、そうなんだ」


 まあ、確かに振動とかよく分からんからな。


 となると今出来るのは……

 動画のエレノア先生が言うには、初心者は光球を作るのが良いとのことだった。

 よし、じゃあ光球を作ろうか。

 家の前のランプに光を入れる『送り蛍』の光景を毎日見ているし、イメージはばっちりだ。


「清浄なる光よ、闇を打ち払え! はっ!」


 俺は右手首を左手で握り、操〇弾をひねり出すムチャな人みたいな恰好で気合を入れた。

 純魔力の靄が光を発して徐々に球体に変化していく。

 普通の人はポンと光の玉が出るのだが、きっと慣れが必要なのだろう。


 なにはともあれ、光の玉の出来上がり!


「おお! ロロ、ロロ、見て見て出来たぞってお前っ!? 撮影は被写体に断りを入れてからにしてください!」


 ロロはおっきな口を開けてヒーヒー笑いながら、いつの間にかゼットで俺の動画を撮っていやがった。


「行け! 光弾よ!」


 俺はそのゼットに向かって光の玉を飛ばす。

 死にかけの蚊のようにふよふよと光弾は飛び、ロロにペシッと手で叩かれ霧散した。なんて儚い。


「あははははははっ! よ、弱い! くふふっ、魔法ってのはこう使うのよ!」


 ロロはゼット片手にポンと光の玉を出し、俺目掛けて飛ばしてきた。

 やはりテフィナっ子であるロロの魔法操作は上手く、光の玉は俺の周りで縦横無尽に動き回り、時折ペチッと俺の頭や頬を殴っていく。

 それが2つ、3つと数を増やしていく。しかも各球で色が違う。

 最終的には8色分の光球を周囲に浮かべるロロ。完全に実力を見せつけてきてやがる。


 その後、ロロに色々な魔法を教えてもらうも、まだまだ上手くいかない。

 先ほどのように手に纏った純魔力をノロノロと集めて魔法にしてしまうのだ。


 ロロ曰く、単に慣れの問題らしい。

 テフィナっ子は第二次魔力覚醒期を境に、学校の授業から遊びまで、魔法を使う機会に溢れてきたわけで。ついさっき魔法がつかえるようになった俺とは単純に魔法の熟練度が違うのだ。第二次魔力覚醒が12歳前後にくるらしいから、5年分の開きがある。

 まあ、こればっかりは仕方がない。気長にやろう。


 その後、ロロはしばらくの間、俺の詠唱動画を見て爆笑するのがブームになっていた。

 そっちがその気なら、俺もお前の動画撮るからな!


読んでくださりありがとうございます。

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