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灼熱領域と影絵

よろしくお願いします。

これ以降は、明記されない限り、時系列を追わない話です。

 今日もロロにゃんとお風呂でイチャコラ中だ。

 洗い場で激しくイチャコラ、少し疲れたらお風呂の中で彼氏座椅子でまったりイチャコラ。

 時間帯によってはオイルマッサージもメニューに入る。


 お風呂とは何をする場所だったか。

 お風呂ってこんなにぐちゃぐちゃした音がする場所だったか。


 17年間で培ったお風呂の使用法が、ロロにゃんとの甘い日々で忘却の彼方に消え去ろうとしている今日この頃。


 お湯の熱とは一線を画す中毒性を纏ったロロにゃんの温もりを身体の前半分で堪能し、今日あった事などを話して笑い合う。

 時にそんな笑い声は悪戯を誘発させ、お互いのテンションを再戦に向けて上げていく。


 そして、いつものように再戦ゲージがマックスになったロロにゃんが、ざばぁっと立ち上がった。

 水面から浮上して俺の眼前に現れた水滴を纏う桃。


 何度見ても、ワクワクドキドキする光景だ。


「ロロにゃん、俺ね。この隙間が凄く好き」


 すると、ロロにゃんはくるんと身体をこちらに向けた。

 うーん、凄い光景だ。


「どこ?」


 俺は、ここと、股の下、太ももと太ももの間を指さした。


「にゃん、んふふ。ここ? サイギャップのこと?」


「さい……なんだって?」


「サイギャップ。太ももと太ももの隙間のことよ」


「サイギャップ……そんな名称があったのか」


「またの名を灼熱領域って言われるわ」


「灼熱領域……絶対領域的な?」


 普通に話をしているけど、コウヤにゃん殺しが目の前にあって、俺の理性をガンガン攻撃してきているぞ。


「絶対領域は服とソックスの間でしょ。灼熱領域ってのは……ちょっと待ってね」


 ロロにゃんはそう言って言葉を切ると、亜空間収納から取り出したタオルで、股と太ももの間を拭いた。

 さらに俺の手を水で濡らし、その手も拭く。


 そうして準備が整うと、ロロにゃんはサイギャップを俺に見せつけてきた。


「その手を縦に揃えて、太ももに触らないように灼熱領域に突っ込んでみてください」


「ふむ」


 俺は言われた通りに手をチョップの形にして、灼熱領域に差し込んでみた。

 途端、俺の手が両サイドにある太ももの輻射熱により、ぽかぽかしだす。


「なにこれ凄い!」


「んふふぅ!」


 むしろ普通に太ももに触れるより熱い気がする。

 完全に気のせいだが、そんな気がしてならない。


「こんなん冷凍食品がチンできるぞ」


「ぐふすっ!」


 ロロにゃんからややウケゲットだぜ!

 

 しかし、この遊びにおける手の維持の大変さよ。

 両サイドにはもちもちな太もも、真上には魅惑のコウヤにゃん殺し。

 その場に待機しても灼熱。移動させても灼熱。

 まさに灼熱領域……っ!


 そんな事を考えていると、手首がガッと掴まれる。

 エレベーターは上に参りまーす。


「にゃん! すぐそうやってぇ!」


「違うんです! この人が僕の手を勝手に!」


「そんな風に指立ててるくせに、言い訳するの?」


 ふむ、確かに言い訳出来ないな。

 なんでこの指だけ立っているんだろう?

 もはや条件反射。


 さあ、ハチミツ搾取に取り掛かろうか!


 再☆戦!




 お風呂から出ると、ロロにゃんがファッションショーを始めた。

 サイギャップが好き、という俺の言葉は、ロロにゃんに火をつけたのだ。


 まずはいつものショートパンツ。

 上半身はワイシャツで、腰にベルトを斜めに着けている。

 何を着せても素敵なロロにゃん。


 様々なポージングを取ってくれるロロにゃんを、俺は激写しまくる。

 時にはCVFを展開し、気分はロケでの撮影だ。


 ロロにゃんクラスのスレンダーさんだと、足をクロスさせても股の下にちゃんとサイギャップが出来上がる。

 昔はアニメキャラのイラストを見て、この空間に想いを馳せたものだ。端的に言えば、フェチである。


 撮影は俺もロロにゃんも熱が入りだし、サイギャップにこだわらずに様々なポージングがなされていく。

 ロロにゃんは足が長いので、足の躍動感がある絵が実に素晴らしい。


 夢中でカメコをしていると、水着姿のロロにゃんがツカツカと俺に歩み寄り、撮影機器であるゼットを取り上げてきた。

 ツカツカ歩み寄ってくる姿すら写真に収めている俺はカメコの鏡!


「な、なにすんだよ」


「撮影料の取り立てに来ました」


「えぇ、そ、そんな。俺、お、お金なんて……」


「は? じゃあ身体で払いなさいよ」


「ひぅううう……!」


 素敵椅子、召☆喚!

 ロロにゃんの取り立ては苛烈を極めた。

 いっぱい料金分働かないと! しゅきしゅきー!




 ゼットには、当然待ち受け画面がある。

 ネットから素材をダウンロードして良し、自分で撮影した画像を設定して良し。ここら辺は地球と変わらない。

 レオニードさんのゼットを前に見せてもらった時は、奥さんと娘の写真だったっけな。


 ロロにゃんの今の待ち受けは、俺とロロにゃんがカメラ目線で笑っている待ち受け画面だ。めっちゃラブラブなのである。

 俺のは、ロロにゃんが笑ってる待ち受け画面だ。自分の待ち受けに俺の写真はいらんのでロロにゃんだけ。


 さて、この待ち受け画面を、本日撮影しまくったロロにゃんのものに差し替えよう。

 待ち受け画面に移動する度に、色々な服装のロロにゃんが楽しめるギャラリー仕様だ。もちろん、元々の笑顔写真も組み込むぞ。

 早速開いてみると。


 おっ、白いワンピースのロロにゃんだ!

 光によってワンピーズが透け、ロロにゃんの長い脚が透けて見える素敵な一枚だ。この影になった脚にもサイギャップがある。すげぇぜ!

 なお、背景は浜辺。もちろんCVFだぞ。


 Q、なんでそんなCVFを持っているんですか?

 A、浜辺背景でラブニャーするためです。


 素敵椅子に寝転がりながら、俺はその画像を見て癒された。

 その癒しを提供してくれた娘は、足をプラーンとさせてお布団を演じているぞ。

 ぬくぬくのやわやわのぐちょぐちょだ。またお風呂に入らなくては……


 ワンピースから透けて見えるロロにゃんの足を見つめ、俺はふと閃いた。


 画像フォルダに移動し、ロロにゃんの画像を1枚ピックアップ。

 水着姿で、足を広げ、両手を曲げて髪を弄る姿だ。腰がクイッとやや斜になっているのが実に良い。

 挑発的かつ妖艶な眼差しをカメラに向けている。滅茶苦茶ノリノリなロロにゃんである。


 その画像をコピーし、コピーした方を画像加工する。


「むっ、待てよ」


 とりあえず、本命の加工の前に、さらに思いついた悪戯加工をしてみる。


 水着部分を少し雑に黒で塗りつぶしていく。

 するとどうでしょう。まるで何も着ていないみたいになるのだ!

 やっていることはまるで中学生である。


「ふふふっ」


 俺はロロにゃん布団を被っておきながら何をしているのだろうか?

 いや、しかし、これはこれでアリだな。なんか分からんけど、アリだ。


 さて、脱線してしまったが、本番だ。

 被写体がすでに最高なので、ごく単純な加工である。

 ロロにゃんの身体をただ、黒く塗りつぶすだけ。

 そして、背景を単色にして……


「超カッコいい」


 予想以上にカッコいいロロにゃんの影絵が出来上がった。


「おいおい、芸術品かよ」


「にゃにぃ?」


 ムチュッとこめかみにキスをして、ロロにゃんが復活。

 少し身体を動かして、色々なポジションを調整。ロロにゃん殺しがサイギャップ最上段で天を仰ぎ見る形でフィッティング。


「これ。さっき取ったロロにゃんの写真を加工したの」


「ほほう、どれどれ見せてみなさい」


 ロロにゃんに影絵なロロにゃんを見せてみる。


「ふふっ、なにこれ。女性用商品のCMでありそう」


「良いでしょ?」


「自分がモデルだし、良いかどうかは分からないわ。だけど、コウヤにゃんが私の事を好きすぎるのだけは分かっちゃった」


「バレちゃったかぁ」


 甘ったるい時間が過ぎていく。




 翌日、いつものメンバーでクエストに向かう。

 俺は女子ズにアート作品を自慢した。


 俺のゼットを受け取ったククルさんを中心にどれどれぇと女子たちが顔を突き合わせる。


「おー。なんかのCMでありそうなアレだな」


 ククルさんがロロにゃんと同じようなことを言う。

 俺は胸を張った。


「これロロでしょ? 足長いわねぇ」


 シルニャンが、もじもじしながら俺に肩パンしてくるロロにゃんを見て、言う。

 俺はむふーと胸を張った。


「ロロちゃんノリノリですぅ。ちょっとこのポーズしてくださいー」


 フィーちゃんがそう言い、ロロにゃんは顔を赤らめつつポージング。しかし、やはり恥ずかしいのかサッと終えてしまった。

 そんな可愛い彼女がいる俺は鼻高々で胸を張った。


「これをプリントしたTシャツを着ようかなって思うんだけど、どうだろうか?」


「んぇえっ、こ、コウヤにゃん!?」


 俺が大真面目に尋ねると、ロロにゃんが困惑しだした。


「文字ね。文字を入れれば違和感がないと思うわ」


 シルニャンから貴重な意見が飛び出た。さすがモテ娘。

 確かに文字を入れればそれっぽくなりそうだぞ。


「ラブニャー狂い、が良いかと思いますぅ!」


「おバカ!」


 フィーちゃんが豪速球を投げてきた。

 ククルさんがツッコみ、シルニャンと共に顔を赤くする。


 そういう頭おかしい文句のTシャツは、確かに地球では割と存在するよな。

 しかし、女神ロロにゃんを背景にしているにも関わらず、そんな文字はダメだ。


「ロロにゃん命、くらいが良いんじゃないかなって思ってる」


 テフィナ文字にすると、丁度納まりの良い文字数だし。


「う、うん。コウヤ君が良いなら、それで良いんじゃないかな?」


「き、着る人が気に入るかが一番だものね」


 ククルさんとシルニャンがそう言って、笑顔で同意してくれた。


「じゃあ背中側は爆散背景にして、ロロにゃん命って達筆で書きましょう!」


「フィーちゃんはセンスが悪いな」


「この人、尋常じゃないですぅ!」


 フィーちゃんに驚愕されたぞ。

 

 そして、肝心なロロにゃんから。


「コウヤにゃん、そんなの作ったら怒るからね?」


 真っ赤な顔でそう言うロロにゃん。


「なんでさ!?」


「コウヤ?」


 おっと。

 にゃん付けじゃない時のロロにゃんは、気持ち良い時か、薄っすら怒っている時だ。

 俺は、素直に言うことを聞くことにした。




 後日、ワワワッに行くと、アンゼさんが一つの画像をみんなに見せて自慢していた。

 嫁の影絵と嫁しゅきしゅきな文言がプリントされたTシャツの画像であった。


 情報源はククルさんで、メイド・イン・アンゼ。


 ポージングのセンスと、カメラで一瞬を切り抜く集中力が必要なそのTシャツは、インナーとして密かにブームとなった。


「やっぱりカッコいいんだってロロにゃーん!」


「だ、だって恥ずかしいし……っ!」


 カメラの前でだいしゅきホールドしながらキスしまくるロロにゃんが今更恥ずかしいとかっ!


 ロロにゃんは、本当に自分の容姿については低評価になっちゃうんだよな。

 二人きりの時に可愛いって言うと凄く嬉しがるんだけどな。そこに他者が介在する余地があると、途端にもじもじしちゃう。


 まあ、いいか。

 とりあえず、今日もロロにゃんの耳元で可愛いって言ってあげよう。


読んでくださりありがとうございます。

ブクマ、評価、ありがとうございます。

本編完結の感想も頂き、大変嬉しく思います。

ちょろちょろ書いていきますので、読んでいってください。

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