1/2
羽が生える 数秒前
あと5秒で羽が生える。
もしくは、
あと5秒で殺される。
教室の机の上に
意味のわからないメモが置いてあった。
「おい!山川なにぼーっと座ってる!ササッと立って!!」
先生の怒鳴り声が教室に響き渡った。
俺は顔を赤くして慌ててメモを隠し、席から立った。
「礼!」『お願いしまァァす“』
6時間目の授業初めの挨拶をし終わると、
ねぇねぇ、、とちっさな声が聞こえた。
横の有山 花の声だった。
「ねぇねぇ、さっき慌てて隠したメモは何?」
有山が興味深々に聞いてきた。
「あぁ。別に大したことないよ。なんか、教科書のテスト範囲を移した紙だよ。」
と俺は言った。どうでもいいメモなのになぜか嘘をついてしまった。
すると有川は
「ふーん、、じゃあなんですぐ隠したの??」
と、ウソを見抜くような目で聞いてきた。
「別に隠すようにメモを取ったわけじゃない。」
俺は少しキレ気味で言った。