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<R15>15歳未満の方は移動してください。

現実恋愛、きっとシリーズ。

似たもの同士、僕らはきっと惹かれ合う。

作者: あさだ あさわ

とある少年が中学生になると同時に、ある土地へと引っ越してきた。


そして少年は中学校入学式で、とある少女に出会う。



少年の名前は『鈴木 颯(すずき はやて)』、十二歳だ。


颯は親の都合によりこの土地へと引っ越してきた。



そんな初めての土地での中学校入学式、颯はとある少女に出会った。


その少女はどこか人間離れしていて、近寄りにくい雰囲気を出していた。


きっと彼女自身、あまり人と関わるのが得意ではないのだろう。



少年も同じであった。



親の都合による引っ越しはこれで三度目。


新しい環境に馴染むのは得意ではなく、そして人との関わりをあまり持たない性格であった。


そして颯はそんな少女の雰囲気にどこか自分と似たところを感じた。







入学式が終わり、クラス発表。



颯は自分の名前を探す。


探している時周りは騒がしく、

小学校からの友達などと一緒のクラスになることを願ったりしていた。


だが初めての土地なので颯には全く無縁だ。



それでも、もしもあの名前も分からない少女と同じクラスになれたなら。


そんな少年らしいウブな思いを颯は抱いていた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



颯は自分のクラスを確認し、クラスへはいっていくと周りは少しおとなしかった。


小学校とは違った、中学校の独特の雰囲気に皆緊張していたのだろう。



そして颯は、周りを少しだけ見渡す。


そう 少女が居ないか、そんな淡い期待を寄せて。


しかし 少女の姿は無く、颯は少し残念に思いうつむいた。



そうすると教室の戸を開く音が聞こえる。


教室の戸が閉まると、足音はどんどん自分の方へと近づいてくる。



そこで颯はやっと足音の方を向くと、隣の席にあの時の少女が座った。



少女が隣の席であることを確認すると、颯は再びうつむき微笑んだ。


颯は少女が隣の席であることに安心感と嬉しさを感じた。




それからしばらくすると、クラス担任の教師が入ってくる。


教師が入ってくると緊張感がより一層高まり、生徒の顔は引き締まった表情になった。



その教師は、生徒全員が居ることを確認すると自己紹介を始めた。



「このクラスを担当することになった、『小岩井 育江(こいわい いくえ)』です。」



軽く自己紹介を終えると、中学生活での説明などを始めた。



説明を一通り終えると、クラス全員が一人一人 番号順で挨拶して行く事となった。


一人一人挨拶していく中面白おかしく挨拶する者も出てきて、

クラスの緊張感が少しずつは解けていく。



そしていよいよ自分の番。


颯は緊張しつつも堂々と挨拶をしようと思った。



「鈴木 颯、今年からこの土地に引っ越してきました。 よろしくお願い致します。」



颯が少し堅苦しく挨拶すると、緊張感が解けていたクラスが静まり返る。



そして少女の番。


少女はイスから立ち上がり挨拶をする。



鈴川 沙緒(すずかわ さお)、よろしく。」



必要最低限、それだけの挨拶だった。


しかし颯は沙緒のその透った声に少しの間聞き惚れた。



それから一通りその日の行事が終わり帰ることに。


颯はさっさと家に帰ろうと準備をする。


準備を終え、教室をでる。


―――――――――――――――――――――――――――――――――


颯の帰り道。



帰り道にはずっと沙緒が前を歩いていた。


別に後をつけてるとかそういうことでは無く、帰り道が同じらしい。



そして、颯が家の前に着くと沙緒も隣の家に入っていた。



そう、隣の家の『鈴川』さんの家へ。



そこで颯は沙緒が隣の家である事を知り、嬉しくなった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



颯の入学後から半年。



颯にはまだ友達ができていなかった。


そんな最悪のタイミングで、グループで社会見学へ行くことになった。



グループは友達同士で組む事になり、クラス人数は三十二人。


そう、五人グループであると二人余るのだった。



そして余ったのは颯と沙緒だった、そして教師は二人に言った。



「二人余りましたね・・・。 颯さんと沙緒さんは二人グループでもいい?」



普通 六人グループにするはずなのだが、育江はきっと分かっていたのだろう。


この二人がまだクラスに馴染めていなくて、馴染むつもりもないことを。


そんな二人で組ませればもしかしたら、そんな考えを育江はしたのだろう。



颯は勿論、育江の意見を賛同した。


そして、沙緒も同じく育江の意見に賛同した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



社会学習翌日。



目的地へは少し遠いため、バスでの移動となった。


グループごとに座るため、颯と沙緒は隣同士になることに。



颯は少し緊張していた。


いや、かなりドキドキしていた。



自分が気になっている女子が隣に近距離で座っている。


そんなシチュエーションに颯はドキドキしていた。



そんな時、沙緒は颯に言った。



「・・・ねえ、エアコン大丈夫?」



そんな事を言われて颯はドキッとした。


そして、颯は沙緒に言った。



「あ、うん。 平気だよ。」



そう言うと沙緒は。



「・・・そう。」



沙緒らしいクールな対応だった。


颯は沙緒に勇気を振り絞って話しかけてみた。



「鈴川さんは、二人グループでもよかったの?」



沙緒は答えた。



「別に、人が少ないほうが私も嬉しいし。」



そして颯は話しかけ続けた。



「俺はここに引っ越してきたばっかりだけど、鈴川さんは友達・・・いないの?」



それを言った後、少し失礼な事を言ったかなと反省したが沙緒は答えた。



「いないんじゃなくて、作らないの。 自分と合う人間が居ないから。」



颯は気付いた。


自分と沙緒は全然違う人間だということに。


自分は友達ができないのに対して、沙緒は作らない。


そんな違いがあるということに気がついたのだ。



そして颯は言った。



「羨ましいな、俺はただ単に友達ができないから。」



そう言うと沙緒は颯に言った。



「アナタも私と同じだと思うけど、きっと自分に合う人間が居ないのよ。」



そして颯は少し冗談交じりに沙緒に言った。



「じゃあ同じもの同士、俺達は仲良くできるのか?」



そう言うと沙緒は颯の方を向いて言った。



「もしかしたら、仲良くなれるかもね。」



真顔で言う沙緒に颯はまたドキッとした。


友達を作ろうとしない沙緒が、自分とは もしかしたら友達になれるかも。


そう答えられた事が嬉しいと同時に恥ずかしかった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



それから一ヶ月後。



あれから颯は席が隣同士ということもあり、沙緒と話すようになった。


二人共部活にはいっていないため一緒に帰っていたりもしていた。


そして、意外な事に沙緒との共通点も多かった。



趣味や好きな分野、アーティストや映画や本。


そんなものが以外にも沙緒と同じな物が多かった。



その為、颯と沙緒は毎日共通の趣味に関して話していた。



それなのになぜか、二人の話は尽きなかった。


勿論共通点が多いと言うのもあるのだが。



二人は話すトーンなどが似ていて、話していてとても楽だったのだ。


だから二人は月日を追うごとに、仲良くなっていた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして二人が中学二年生に上がる時の始業式。



二人はクラスも一緒になり、そしてもちろん二人共名前が『鈴』であるため席も隣。



クラスに着くと、沙緒はもう既に席へと座っていた。


颯が隣に席に座り、沙緒に言った。



「また同じクラスだな、よろしくな。」



そして沙緒も同じくして言った。



「よろしく、鈴木くん。」



二人は素っ気ない挨拶ではあったが、内面安心していた。


また一緒のクラスになれたことに、安心した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



中学二年生の秋。



颯はあることを決断する。


沙緒を遊びに誘おうとしたのだ。



二人は学校内では休み時間、グループになると一緒なのだが。


まだ遊んだことはなかったのだ。


颯はどんなふうに沙緒を遊びに誘うか試行錯誤した。



その結果やはり、普段通りラフに誘うことにした。




そして、当日。


学校の休み時間、いつも通り沙緒と趣味の話をしている時に颯は切り込んだ。



「なぁ、鈴川今度の休日暇か?」



沙緒は少し動揺した。


それが颯にも分かるくらいに。


そして沙緒は答えた。



「暇だけど・・・。」



そう答えた沙緒は少し恥ずかしそうだった。


颯は沙緒をこれ以上恥ずかしがらせないように、いつも通り言った。



「そうか。 それなら一緒に本とかCDとか見に行こうぜ。」



颯がそう言うと、沙緒は冷静になり言った。



「別にいいわよ。 休日って土曜日と日曜日どっちに行くの?」


「そうだな・・・、土曜日にするか。」


「分かった、それじゃあお昼1時に家を尋ねるわ。」



そう会話を終えると丁度休み時間終了のベルがなり、授業が始まった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして当日。



颯は12時頃にはもう出かける準備をしていた。


外出用の服をきて、髪は整えず、アクセサリーなどもつけなかった。


颯はこれを『デート』と意識するのが恥ずかしかったため、あえて飾らなかった。



1時頃ぴったりになると、インターホンが鳴った。



颯は早々と玄関を出た。


そして出た瞬間、すこしドキッとした。



いつもとは違う沙緒。


髪を結んでお洒落をしている沙緒に、ドキッとしたのだ。



「鈴川もお洒落するんだな。」



そう言うと沙緒は顔を赤くした。


そして少し怒り気味で颯に言った。



「こんなのがお洒落に見えるなんて勘違いも甚だしいわよ。」



怒り気味の沙緒に颯は言った。



「そういう意味じゃなくて・・・。 けどそれ普通に可愛いじゃん。」



そう言うと沙緒は顔を真赤にした。


そんないつも冷静な沙緒が赤面しているのが面白くて颯は少し笑った。



しばらくして沙緒が落ち着いてから、二人は目的地へと向かった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



二人は某レンタル店に着くと、互いに映画やアーティスとなどを勧めあった。


しかし二人は趣味が合いすぎるが故にどちらも知っている物が多かった。



その颯と沙緒の会話の中で、こんなものがあった。



「そう言えば、こんどこの映画の続編が公開されるらしいな。」



そう颯が言うと沙緒は言った。



「・・・それじゃあ。 今度一緒に見に行く・・・?」



沙緒からの誘いだった。


颯は意外にも思ったが、勿論賛同した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



二人はその後書店にも行き、一通りの買い物が終わった。



「今日は付き合ってくれてありがとうな、鈴川。」



そう颯が言うと沙緒は答えた。



「ううん。 私も楽しかった、また一緒に見に来ましょう。」



そして、家の前に着くと二人は軽く手を振ってそれぞれの家に入っていった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして、二人が中学三年の夏。



クラスもまた同じになり、隣同士ということもあり一緒に受験勉強をしたりしていた。


二人共成績はとても優秀で、基本的にどこの高校にも行ける成績であった



そんな時、颯は沙緒に聞いた。



「鈴川はどこの高校を受けるんだ?」


「・・・。」



沙緒は答えなかった。


勉強に集中しているのかとも思ってそれ以上は聞かない事にした。



それから数分、二人は少し休憩することにした。


そして、颯は沙緒に言った。



「そう言えば、あの映画の公開一週間後だな。」



颯の遠回しな誘いだった。


そう言うと沙緒は言った。



「そうね・・・。 約束もしていたし、息抜きで来週映画見に行きましょうか。」



そうして、二人は一週間後に公開される映画を見に行くことになった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



当日。



二人で遊ぶことにもすっかり慣れた颯と沙緒。



いつも通り沙緒が家を訪ねてきた。


そして学校外で見る沙緒にも完全に颯もなれた。


そして、二人は映画館へと向かった。




映画館に着くと、沙緒は少し動揺していた。



多分、映画館に来たことがないのだろう と思った颯は沙緒に言った。



「あそこでチケットを買って、あそこでチケットを渡すんだぞ。」



そう颯がいうと沙緒はつよがりで言った。



「知ってるわよ、それくらい。 さっさと買いましょう。」



そう言って沙緒が小走りに行くと、沙緒が人にぶつかった。



そして、颯が倒れそうになった沙緒を抱えた。



「大丈夫かよ・・・。」


「・・・ええ、大丈夫。」



沙緒はドキッとした。


颯が自分を抱きかかえてくれたのが、嬉しかった。



その感情を沙緒はとても不思議に思った。


初めての感情だった。


颯に抱きかかえられた時、ドキドキした。



その感情の名前をその時の沙緒は知らなかった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして、映画を見終わった。



ずっと沙緒はドキドキしていた。


颯と至近距離で座り合っていた為、何故か映画に集中できずに颯を意識していた。



それは颯も同じだった。


しかし颯はその感情をどういう物なのかを知っていた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして、夜の帰り道。



二人はなぜかずっと無言だった。


きっと、意識し合ってしまったせいだろう。


映画の感想を話したい、だけどキマズイ。


そんな初々しい二人はとてもほほえましいものだった。



そして、颯はその時とっさにあることを伝えようと思った。



「・・・鈴川。」


「・・・どうしたの?」


「俺、鈴川の事好きだ。」



そう、告白したのだ。


沙緒はそれを言われた瞬間、頭が真っ白になった。



まさか、颯が自分のことを好きだとは思っていなかった。


そう言われてようやく颯の言葉の意味をわかると、沙緒は胸が苦しかった。



自分も颯のことが好きだ。


多分、抱えられた時に抱いた感情はそういうものだったのだろう。


やっとその時沙緒は理解した。



いや、沙緒は理解しないようにしていたのだ。



そして沙緒は颯に言った。



「・・・私も、私も鈴木くんが好き。」



沙緒は言った。


きっと、言ってはいけない事を言った。


なぜなら・・・。



「だけど、鈴木くんとはまだ付き合えない。」



そう言った瞬間、沙緒は泣いた。



「きっと 今鈴木くんと付き合えば、私も鈴木くんも辛い思いをする・・・。」


「・・・なんでだ?」



そう颯が言うと沙緒は答えた。



「私・・・、私・・・、引っ越すことになったの・・・。」


「・・・。」



颯は黙って沙緒の話を聞いた。



「親が離婚して・・・、それで母方の実家に行くことになって・・・。」



そう言われた颯は言った。



「そうか・・・。 ここから遠いのか?」


「うん、凄く遠い。」



そう言われて、颯は悔しかった。


やっと想いを伝えられて、沙緒も好きと伝えてくれたのに。


いや、最悪のタイミングで自分が告白してしまったことが悔しかった。




それから二人は、口を利かなくなった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



中学三年の2月始め。



受験も無事終わり、部屋に引きこもっていた颯。


久々に外を出ると、隣の家の荷物が積まれていた。



颯は内心凄く焦った。


だが、ここで沙緒に会ってしまったら尚更つらい。


だから颯は無視してそのまま外へと出かけた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



中学三年の2月の中旬。



母が颯にある事を伝えてきた。



「今日、隣の家の沙緒ちゃん。 午後六時に電車に乗るって。」



母がそう言うと颯は焦った。


そして、後悔した。



何故あれから沙緒と口を利かなかったのか。


もっと話しておけばよかった。


そう後悔した。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして、午後五時。



颯は決意した。


これ以上、後悔をしてはいけないと。


きっとここで最後、沙緒に会わなければ更に後悔する。


そして、颯は沙緒の居る駅へと走った。




駅へ着くと、颯は急いで沙緒を探す。



沙緒の面影、沙緒の髪型、沙緒の服装。


そんなものを頼りに人の多い駅を走り抜ける。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



そして、それから十分。



結局沙緒を見つけることを颯はできなかった。


颯は泣きそうになり、うつむいた。


後悔とともに、純粋に沙緒に会いたい。


そう思ったのだ。



颯が泣きそうになっていると、声が聞こえた。



「・・・鈴木くん?」



そう、間違いない。



この透った声の主は間違い無く沙緒だ。


中学入学の時、聞き惚れたあの声。



そして、颯はうつむいた顔をあげる。


それと同時に、沙緒に言った。



「ごめんな、沙緒。 最後だけ会いに来るなんてずるいよな。」



そう言うと、沙緒は泣いた。


泣きながらにも颯に言った。



「そうだよ、ずるいよ。 ずっと話したかったのに!!」



そんな沙緒に颯は申し訳無さを感じた。


そして、颯も泣いた。



それは申し訳無さから来る涙ではなく、嬉しい、悲しい、寂しい。


そんな感情が別れ際に一気に押し寄せてきた。



「鈴木くん、私後五分しか時間がないの。」



そう沙緒が言うと、颯は涙を拭いて言った。



「分かってる、だから最低限のことだけ話そう。」


「うん あのね、私颯くんが好き。」


「俺も、沙緒のことが好きだ。」


「だから、これで最後になんてするつもりはないの。」


「・・・もちろんだ。」


「だから、コレ。」



そう言われ渡されたのは、一枚の手紙だった。


そして沙緒は颯に言った。



「言いたい事は全部そこに書いてあるから読んで。」


「・・・もう行くのか。」


「時間、間に合わなくなっちゃうからね。」



そう言って沙緒は駅のホームへと向かった。



そして最後に、沙緒は颯に大きな声で言った。



「ずっと大好き! だからまた会おうね!」



そう言って、電車が閉まるギリギリに電車の中に入り去っていった。



―――――――――――――――――――――――――――――――――



家に帰り、早速颯は手紙を開ける。


『鈴木 颯くんへ。

 

 最後に、鈴木くんが来てくれることを私は信じていました。

 この手紙を読んでいるということは、そういうことですよね。

 私は引っ越します、一旦鈴木くんとはお別れってことになります。

 しかし、これで別れて最後だと思っていません。


 鈴木くんは、私のことを好きと言ってくれましたね。

 私も、鈴木くんのことが大好きです。

 もし、鈴木くんがまた私に会った時。

 その時もまだ私のことを好きで居てくれたらそれは()()だと思います。


 だから、私は大好きな鈴木くんを信じます。

 もしも、鈴木くんが高校卒業してから私のことを好きであれば、

 引越し先の住所を添えておきますので会いに来てください。


 大好きです ずっと ずっと。        鈴川 沙緒』



―――――――――――――――――――――――――――――――――



あれから、三年少したった。



俺は高校を卒業し、バイトでためた金で一人で旅行に行くことにした。


旅行に行くための道のりは長く感じ、どこかワクワクしていた。


それは旅行が楽しみとかそういうことではなく。


きっと『彼女』に会えることが楽しみなのだ。




俺はとある自宅のインターフォンを鳴らす。


そうすると、ガチャリと扉を開けると少女がでてくる。


出てきた少女は俺を見ていった。



「颯くん、ずっと待っていました。 付き合ってください!」

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