始まり
久しぶりに遊ぼうと連絡があったのは昨日のこと、そして今、待ち合わせの公園の前にいかにも私は幸せです。というオーラを出して私を待っているのは昌枝だ。
昌枝は、高校の時から子供っぽいと弄られていたが、相変わらず25歳なんて感じさせない幼さがある。しかし、幼い顔の中に大人の色気を垣間見れるのは彼女の恋愛の多さを語っていた。
「昌枝!」
私は少し離れたとこらから声をかける。すると昌枝は満面の笑みを浮かべながら走ってきて私に抱きつく。20センチほどの身長差ですっぽりと私の腕に収まるのは高校の時と変わりない。
私達は近くの喫茶店に入った。
「アイスコーヒーとアイスココアで」
注文を済ませ私は昌枝に向き直した。
「結婚おめでとう。それにしても相談ってどうしたの?さっそく喧嘩?」
ちょっと意地悪を含めて言ってみる。昌枝は、ムキになって
「違うもん!今、めっちゃ順調だし!ってかめっちゃ幸せだし!」
彼女の過去の恋愛の相談をずっと聞いていて居たので幸せになれて良かったと改めて思う。
「嘘だって、でもそしたら何の相談?」
「あんね、あたし占い師やってたけどさ、結婚するから辞めて、お店引き払おうと思ってるんだけど、今辞めちゃったら違約金高いからさ、ひなたがさそこで占い師じゃないけど相談師やってよ!仕事終わった後のちょっとした時間でも良いから!お願い!」
「何であたし?ってか相談師って何よ!」
「相談師は今、あたしが作った言葉。でもアリじゃない?」
「無理よ。それに場所代は?契約はいつまでなの?」
「場所代は暫くはあたしが払うし、契約はあと1年」
後半口ごもる。あまり言いたくなかったな!
「長いわ!ってかそんなしてまで違約金払いたくないの?」
「うっうん…だって違約金80するもん。それだったら、場所代の月4万の方がいいし」
「ってか、場所代安いのね…違約金高いくせに」
「せやろ!やから相談師してや!ひなためっちゃ相談しやすいし、頼りがいがあるし、バイトみたいな感覚でして。ほんまお願い!」
出た。必死になったときに出てくる関西弁。ダメだ、こうなるとこの子は引かない。
既に氷が溶けて薄くなったコーヒーを飲みながらため息を吐いた。
それから、とんとんと話が進み、月曜と水曜、金曜、土曜の営業日ではじめることになり、とうとう初日を迎えた。
長編を書いてみようと思いました。
よろしくお願いいたします。