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第八十話

 パシアンがライラを呼びに行って数分すると、フィアと優奈、プリムローズの三人が清雅に駆け寄ってきた。


「おぉ、案外早かったな…って、なんで優奈と一緒なんだよ。普通優奈の方が早いんじゃ?」


「最初の戦闘で追いつかれたら…ねぇ?」


 ため息を吐く優奈。どうやら本当らしい。


「最初から追ってたからね。本当はセイガの所に行くつもりだったんだけど、さすがに黒い点を誰かなんて判断できる訳も無く、追いかけたら優奈だったのよ」


「それはあれか?追って来たのは俺が不安だったからか?もしかして勝てないと思われてる?」


「え、いや、そ、そんな訳じゃ…」


「ん~…まぁ、別にそれでも良いけどさ。それはそれで嬉しいし」


「ちょ、な、何言ってるの…!?」


「あ、そうだ。フィア、ちょっといいか?」


「うぇ!?な、なに!?」


 清雅の質問を顔を赤くしながら聞くフィア。


「あそこのデカいヘルハウンドの上にいる少女。知ってるか?」


「え?ん~……いや…知らないわね。なんで?」


 見てみるが、記憶のどこにも憶えは無かった。


「そうか…それならいいんだ」


「そう?それで、逆に私から質問。セイガの言ってるあの人は誰?」


 言われてフィアも気になったのだろう。清雅に聞き返す。


「俺もよく分かんないんだが…パシアンは知ってたからな。それに、お姉ちゃんってのが気になるんだよな…」


「え?ごめん。最後の方が聞こえなかったんだけど…」


「いや、こっちの話。気にしないでくれ」


「むぅ…じゃあ良いわ」


 フィアはそう言って清雅の隣に腰を下ろす。


「それで、今はどういう状況なの?」


「俺があの少女と戦って、パシアンの仲裁で強制引き分け。それで、パシアンが今ライラ達を呼びに行ってる。そんな感じかな」


「ふぅん…なるほど。じゃあ集合待ちなんだ」


「そういうこと。ほら、優奈とプリムローズも座れよ」


「え、あぁ、うん。座るけど…忘れられてると思ってた」


「私も思った。完全に蚊帳の外よね」


「別にそんなつもりはなかったんだけどね?」


「まぁ、結果的にそうなったのは否定できないな。ごめんな」


「いや、別に謝る必要は無いから。まぁ、近くで聞いてるだけでも知りたいことは分かったし、大丈夫よ」


「ん~…まぁ、それでいいならいいんだけど。つか、それなら別に文句言わなくても良かったんじゃ…?」


「何よ。忘れられてなくてちょっと嬉しくなって照れ隠ししちゃダメなの?」


「いや、そういう訳じゃ…って、照れ隠し?」


「セイガ。それ以上突っ込むと痛い目にあうわよ?」


「そ、それは全力で遠慮したい。これ以上はなにも言わない事にする」


 フィアのボソリと呟いた一言に頬をひきつらせながら清雅は言う。


 と、その時、ライラ達がやって来る。


「お~、セイガ君。生きてたか~」


 ライラが声をかけてきて、その隣をルーリスとルーネが走り抜け、清雅に向かってルーリスが飛び乗ってくる。


「なんだそのあわよくば死ねみたいな言い方は」


 ルーリスを受け止め、そのまま彼女は膝の上を陣取ってドヤ顔をする。


「そんなことないよ?ただ、レンカと戦ったっていうからさ。ちょっと気になっただけ」


「心配するほどなの?」


 ルーリスに対して羨ましそうな視線を向けた後、フィアはライラに聞く。


「そりゃそうだよ。だって、初期メンバーの一人だし」


「初代魔王の仲間ってこと?」


「四天王クラスだね。基本魔法を使わないから、属性を知ってるのはあの人と私達くらいだけど」


「え?でも、風を使ってたぞ?」


「あ~…風ね。それはあれよ。武器の性能よ」


「武器の性能…風属性が付与されてるの?」


「まぁ、そういうこと。いやぁ、改めて考えるとすごいと思うのよねぇ…何しろ数分で付与できるんだもん」


「私も作れはするけど…数時間かかるわね…何者なのかしら?」


「……道具に…特殊効果付与…いや…まさかな?」


 嬉しそうに頷くライラに、難しそうな顔をするフィア。遠い目をする清雅の三人を見て、優奈はやれやれと首を振るのだった。



 * * *



「よし。全員集まったな」


「むしろお前が最後なんだけど…何か言うことは?」


「何もないな。進めよう」


 何もなかった。パシアンの中ではそうなっているらしい。特に気にすることでもないので全員は続きを促す。


「え~っと、そもそもこの村自体廃村らしい。家が燃え始めたのは不明。寝て起きたら燃えてたらしい。なんで、逃げる最中だったとか。けど、なんか面倒だから昼寝したら俺らが来たと。そういうことらしい」


「「まるで意味がわからない!!」」


「火事の中で昼寝をするその精神に呆れを隠せないんだけど」


「本能腐ってんじゃ無いの?」


「?…暖かいだけでしょ…?」


「熱耐性高過ぎじゃない?」


「エンの炎に比べたら、ただの温風」


「これが温風でたまるか。焼け死ぬわ」


「変なこと…言う」


 さもそれが当然のように言う少女。


「そう言えば…名乗ってなかった。レンカだよ。よろしく」


「セイガ=シロガネ。セイガで良いぞ」


「フィア=マニュス。フィアって呼んでね」


「ん。よろしく」


 その後に他の皆も自己紹介をし、パシアンが話を進める。

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