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第四話

 清雅の作り出した透明な馬鹿でかい球を前に固まっていた清雅達だったが、フィアがハッ!と我に返る。


「えと、とりあえず、この球、戻してくんない?」


「えっと、戻すって、どうやって?」


「あ~っと、まぁ、手順はさっきの逆、感覚的には、球が自分の手の中に入るようにイメージして。すると、手の部分が温かくなるはずだから」


(ふむ、なるほどなるほど。たぶんこんな感じかな。)


と、思いながらイメージしてみると、確かに手の部分が温かく……


「えと、フィアさん、な、何か手が物凄く熱いのですが?」


「………え?熱い?」


「えぇ、それはもちろん、火が点いたようにね」


「あ、あぁ…えぇ!?じゃ、じゃあ、その熱を胸の中心、さっき温かいものがあった場所に戻して」


「お、おう」


 言われるままにやってみると、手の部分の熱は元の体温に戻り、熱は胸の方に移動した後、まるでそんなものは無かったかのように消えた。


「ん、元に戻ったぞ?」


「よかった…じゃなくて、あんた、なんで手が、火が点ったような熱があるって自分で言ってんのに、そんな冷静なのよ…」


「は?そんなの…なんで?」


「知るか!」


「ですよね~、ま、大丈夫なもんは大丈夫だ。じゃなかった、えっと、あの球の色って、何か意味があるのか?」


「へ?あ、まぁ、あるわよ?」


「そうか、じゃあ、教えてくれ」


「む、良いけども、あんたの球のは分からないから自分で考えてね」


「え?」


「まず、色は赤、青、緑、黄の四色なんだけどね?」


(え、スルー!?)


「で、その色の内訳は、赤は火、青は水、緑は風、黄は雷なんだけど、更に、それが黒に近かったり、白に近かったりするの。その場合、黒に近いのは、闇の力を、白は光の力を持っている人なのよ。」


「ふぅ~ん」


「でね?稀に2つまで属性魔法を使える人が居るんだけど、その場合、その2つの属性の色が混ざった色になるのよ。たとえば、赤+青で紫とかね?でも、光と闇の2つを持っている人はいないわよ。光は人間、しかも召喚された勇者以外は滅多に持ってないし、闇は魔族だけよ?」


「へぇ…ん?滅多に?」


「うん。一応勇者以外にも持った人は居たらしいけど、その人間がその後どうなったかは分からないわ」


「え?なんで分からんの?」


「そんなの文献に載ってないし、ただの噂話だしね」


「へぇ…で、おもっきし話が逸れたが…俺は何が使えるんだ?」


「……い、いや、だからね?無色透明とか、完全にどれを組み合わせてもならないでしょう?だから、全く分からない訳よ。だからね?」


「うんうん…それで?」


「いろんな属性の魔法をイメージしてガンバッ☆」


「………んなバカな…」


 うわ~、めんどくせ~とか思ってしまう清雅なのだった。


「んで?魔法ってどうやって使うんだ?」


「え?言ってなかった?」


「うん」


「あ~、えっとね?魔法は基本イメージすれば出来るんだけど、成功率を上げるには、さっきみたいに魔力を移動させて…というか、全身から放出させるようにした後、他の所より魔力をのどの所に集めてイメージしたことが起きそうな言葉を言うの」


「ん~…やってみる」


(さて、えっと、まず意識を体内に集中させて…この温かいものを…体外に放出するように…)


 そうすると、体中が温かくなったのと同時に、フィアの顔が引きつり始めた。そんなフィアは無視して


(その後…のどの所に魔力を少し集めて…その後………あ、属性どうしよ………ん~…)


 そうやって考えてると、何故かふと氷が思い浮かんだ。


(……氷…これでいいか…じゃあ、発生させるものは…そうだ!)


「氷の剣よ!」


 すると、数センチ離れた所に青白いものが発生し始めたので、手をかざしてみると、刃の先端から剣が生成されていった。そして出来たのは…


「…………なんで日本刀になったんだろう…」


 そう、それは細身の片刃で、そして反っていた。それはまさに時代劇などで出てくる日本刀だった。もちろん基にしている属性は氷なので、氷で作られているが。


「…なんで氷が生成出来るの…?」


「え?普通に出来たけど?」


「…なんかすごい敗北感…たしか氷の生成って、すごい高度の水魔法だったはず…」


と言いながらフィアは半泣きになっている。


「…へ、へぇ~…そうなんだ……な、なぁ、そういえば魔法って、その人が持っている属性以外の魔法は使えないのか?」


「ふぇ?…あぁ、一応使えるわよ?ただ、物凄く低級な魔法のみだけどね…例えば…」


 そう言ってフィアが手を自身の胸の前に出すと、その手の平から光り輝く球が出てきた。


「こんな感じでね。たぶんさっきの説明で分かってると思うけど、私の属性は火と闇だからね。一応この球は光…なんだけどね…」


「へぇ、そんな事も出来るのか…なぁ、闇と光って、低級なら使えるのか?っつか、闇と光は2つともは持てないんじゃなかったのか?低級なら光も闇も使えんのか?」


「………つ、使えるんだからしょうがないじゃない!!私に文句言わないでよ!!」


 清雅の質問攻めに耐え切れず、フィアはついには泣き出してしまう。清雅はそれを見て、苦笑いをしつつフィアのことをなだめる。


「うん、ごめん、ありがと」


「あうぅぅ………」


「と、とにかく、簡単なのならできるんだな。後は頑張ってみるわ」


「…うん、頑張れ~…私はもう何もすることはないはずだからね…」


 おぉぅ、完全に拗ねてるな…って、なんか出発しようとしてるんですけど!?と清雅が考えていると、フィアは少し足取りがおぼつかない様子だがどんどん先へと進んでいく。


「ちょっ…!待ってくれよ!?」


 そう言っている間にもフィアは進んでいく。その背中を清雅は走って追いかけていくのだった。

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