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第十六話

「――――そういえば、なんで俺の筋力が落ちてるんだ?」


と、ふと思ったことを清花に聞いてみる。ちなみに、行先は“アトランタル”に決まったが、距離が結構あるらしいので、乗り物を調達しないといけないという話になった。


「筋力が落ちてる?なんでそう思うんですか?」


「あぁ、なんか転生前よりも体が思うように動かないのと、物理攻撃の威力が低すぎるんだよ」


「えぇ?そんなはずはないと思うんですけど……これはちょっと調整しないといけないかな?」


と、ぶつぶつ言いながら、何かを考え始めた。


「ふむ、清花が何か話しかけてはいけない雰囲気になったな……ま、いいか。っと、優奈にも聞くことがあったんだった」


 そう清雅が呟くと、フィアと会話してた優奈はこちらを見る。


「ん?何?」


「ほら、お前さ、俺になんかフィアから離れろ的な事言ってたじゃん?」


「あぁ、そう言えばそんなこと言ったわね」


「いや、さっきの自己紹介からして、そんな事を言う性格じゃないと思ったからな?」


「あぁ、なるほどね」


と、一回区切ってから、


「う~ん、ほらあれよ。私一応勇者だから言っておかないとなんか不味い気がしてね?」


「あぁ、なるほど」


 そういうと、優奈はフィアとの会話に戻る。と、そのタイミングで清花が何かをし終わったのか、清雅に話しかけてくる。


「調整終わりましたよ~」


「なんだよそれ…つか、何の調整だよ…」


「えっと、まぁ…色々?ですかね」


 そう意味深な言葉を放つ清花。絶対転生前の筋力より上がってるだろ……と清雅が自分の体の変化に薄らと恐怖を抱く。


「はぁ、一体何やったんだよ…まぁ、良いけどさ」


「そうですか。後――――」


 ぐぅ…と、音が鳴り、


「――――お腹が空きました」


「お前――――」


「「あ、私もお腹すいたわ」」


「――――お前ら…はぁ、下に行けば食えるかな?」


と、清雅はため息交じりに思いついたことを言ってみる。


「そうね。行ってみる価値はあるわ」


と、微かに目の色を変えているフィア達に気圧けおされて、清雅達は下に降りて行く。




 一階には、あまり人がいない。そういえば、さっきも人がいなかったな……なんでだ?と、そんな疑問を持ちつつも清雅達は席に座り、置いてあったメニューを見る。


 メニューには、リュゼトーロのステーキ、グリーンニードルのサラダ、ヘクセシープの蒸し煮などと書かれている。が、もちろん何が何だかわからない。


「おぉぅ、どれも聞いたことも見たこともない料理だな…しょうがない、俺の料理はフィアに委ねることにしよう」


と、メニューを閉じながら俺が言うと、


「いやいや、なんで私なのよ」


と、フィアが突っ込んでくる。


「ん~、何か信頼できるからかな」


「そんな勝手に信頼されても…まぁ、とりあえず適当に選ぶわよ」


「おう。ありがとな」


「楽しみにしときなさい」


と言うと、フィアは笑みを浮かべながら再びメニューを見る。




 数分後、フィア達はメニューを頼み、5分と経たないうちに料理は運ばれてきた。


 運ばれてきた料理は、ミエドハバリーのステーキ、ミストラパンの丸焼き等6種類くらいの肉料理だった。


「おいお前ら、肉料理しかないのはどういうことだ」


と、思わず突っ込んでしまうと、


「しょうがないじゃない。食べたかったんだから」


と、真剣な顔でフィアが言う。しかも、他の二人は、清雅の言葉を無視してるのか聞いてないのか、すでに食い始めている。こいつら、どんだけ腹減ってんだよ…と、清雅は心の中で突っ込む。


「分かったよ。まぁ、俺もそんな文句はないけどな」


「じゃあまず文句を言わないでよ」


「ごめんごめん」


 清雅が謝るとフィアは、はぁ、とため息をつき、料理を食べ始める。


 そして、清雅もいただきますと一言呟いてから食べ始める。


 どれが誰のとか説明されてないから、とりあえず近くにあった、小動物|(ウサギ?)の丸焼きの料理を食べてみる。たしか、ミストラパンとか言ってたな…と思いつつ食べてみると、肉が結構柔らかく、ずっしりとした重量感があり、肉汁も口の中で噛めば噛むほど出てきて、急いで呑み込まないと窒息してしまうのではないかと思うほど溢れてくる。しかも、その肉汁は甘く、それでいてしつこく口の中に残らない。


 そのあまりの美味しさに、どんどん食べていき気が付いた時にはその料理を平らげてしまっていた。思わずやべぇ、やっちまった。と思い、テーブルの上を見ると、テーブルの上にもう料理など残っていなかった。


「うわぉ、俺、この一品しか食ってねぇ……」


と、清雅が嘆いていると、


「残念でした。もう食べちゃったわよ。」


と、ドヤ顔で言うフィア。こいつ……地味にひでぇ……と心の中で悪態をつく。


「まぁ、また次回って事で」


「そうですよ、次にまた頼めばいいんですよ」


 そういう優奈と清花は、満面の笑みだった。


「くそ、なんかめちゃくちゃ悔しい……」


と思うが、よくよく考えると、清雅は一人で一皿食べているのだから別に問題ないんじゃ?と思わなくもない。


「じゃあ、部屋に戻るわよ~」


とフィアが言い、スタスタと歩いていき、優奈達もそれについていく。


「はぁ……まぁ、まだ足りないってわけじゃないから良いか」


 そう呟いてから、清雅もフィアを追いかけていく。


 ちなみにこの後、特に何事もなく寝た。

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