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第四部
そのあと、直美の両親から詳しいことを聞かされた。休んだあの日、直美は突然吐血し、倒れこんだらしい。そのまま救急車で運ばれ、検査の結果、末期のガンらしく、長くはもたないらしい。しばらくして目が覚めた直美は真実を聞かされ、泣きながら暴れたために今は薬で眠らされた、というのが僕にメールがくるまでにおきた出来事だった。直美の両親は彼氏である僕には知らせておこうと、わざわざメールをくれたようだった。
私が目を覚ますと、そこには進がいた。
「進?どうして…」
「直美の両親に教えてもらったんだ。」
「そっか…」
私はまた泣き出した。進が私を抱きしめてくれた。私は、進にしがみついて泣き続けた。しばらく泣いていたら、少し落ち着いた。進にしがみつくのをやめて、手だけ握ってもらった。
「少しは、落ち着いた?」
「うん…、ねぇ進、私、死ぬの、嫌だよ…」
「誰だって、死ぬのは嫌だよ…」
震える私を、進は優しく抱きしめてくれた。進の体温が、冷たくなっていた私を、暖かくしてくれたみたいだった。