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第三部
二年生を終えようとしている頃、直美は休んだ。メールも電話も、全く繋がらなかった。僕はすごく心配だった。その日の帰り、久しぶりに一人で帰ることになった僕は直美の家に立ち寄った。直美の家には人の気配はなく、ひっそりと、静かだった。でも、直美が使っている自転車は置いてあった。僕は帰ってから、何通もメールを送った。
直美からメールがきたのはその週の土曜日だった。メールには近くの大きな病院のある病室にきてほしいとだけかかれていた。明らかに直美がかいたものではないことは容易に想像できた。急いでその病室に入ると、そこには眠っている直美と、それを見ている直美の両親がいた。直美の両親が、僕にメールを送ったのだと、気づいた。直美の両親は僕を見るなり、今日一日、直美のそばにいてほしいと告げた。僕は言われるがままに直美の横に座った。倒れた日から何も食べていないのがわかるくらい、痩せていた。僕は直美の手を握って、ただ、直美をみつめるしかできなかった。