第二部
「ねぇ、お家、どっち?」
帰る時に飛山くんが一緒に帰ろうって言ってくれた。
「こっち。」
「よかった、一緒だ。じゃあ帰ろうか。」
飛山くんと並んで家の方へ歩き出した。私も飛山くんも、きっとドキドキしてるって思った。でも、すぐに飛山くんが立ち止まった。
「どうしたの?」
「も、森本さん、手、繋いで帰りませんか?」
「えっ…」
びっくりして、でも嬉しくて、恥ずかしくて、二人して見つめあったまま、固まっちゃった。そしたら飛山くんが優しく私の手を握ってくれた。
「あったかいね、森本さんの手…」
「飛山くんの手、ちょっと冷たいね…」
二人で笑った。そしたら、恥ずかしい気持ちが消えて、とても幸せな気持ちになった。それから二人で仲良く手を繋いだまま家に帰った。
それから何日も何日も進と一緒に過ごした。クラスにいる時でも、進が一人で本読んでる時に話しかけにいった。進も読んでいた本を片付けて、私の話をいっぱい聞いてくれた。毎日帰りは一緒に帰った。どっちか部活で遅くなっても、お互いが帰ってくるまでずっと待ってた。それから手を繋いで、いろんなことを話しながら帰るのが当たり前になっていた。
「私、進の彼女になれて、とても幸せ。」
「僕も、告白してほんとによかった。」
ある日の帰り、私の家の前で初めてのキスをした。すごくドキドキして、恥ずかしかったけど、進がしっかり手を握っていてくれたから、幸せな気持ちだった。