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第一部
ある日、私は急に告白された。
「好きです、付き合ってください!」
その人とはあまり話したことはなかったけど、そんなに嫌じゃなかった。
「よろしくお願いします。」
その日から、初めての、そして、悲しい初恋が始まった。
私の名前は森本直美、普通の高校二年生、のはず。特に目立つこともしないから友達もそんなに多くないし、可愛くもなければオシャレにもあまり興味がない。告白してきたのは飛山進くん、同じクラスだけど、大人しい人で、友達と話す時以外は本ばかり読んだりしている人だった。飛山くんとはあまり話したことはなかった。席も離れてるし、共通の友達なんていないし、部活や委員会だって違う。だからすごく不思議だった。突然告白されたことが。
「ねぇ飛山くん、どうして私に告白したの?」
「す、すきだから…」
「そ、それはそうだけど…」
聞き方が悪かったみたい。私まで恥ずかしくなっちゃった。
「わ、私なんていいところ、全然ないよ?」
「そんなこと、ないよ?優しいし、笑顔が素敵だし…」
「あ、ありがとう…」
そんなこと言われたの、初めてだった。すごく、嬉しかった。