ソフィアのお勉強 ①
虫垂炎と腹膜炎に関するソフィアの勉強タイムです。
本編の補足説明という感じですね。
「せんせ!ちゅうすいえんはわかったけど、どうしてちゅうすいがはれつすると、ふくまくえんになるの?」
「いい質問ですね。まず最初に、虫垂が炎症を起こすと、その中で細菌が増殖するんだ」
「……?」
「えっと……虫垂が病気になると、虫垂の中で身体に悪いものがいっぱい出来ちゃうんだ」
「……(めもめも)……」
「それで、虫垂炎がひどくなると虫垂が破れちゃう。そしたら中の身体に悪いものはどうなる?」
「ちゅうすいからでちゃう?」
「正解。虫垂の中の身体に悪いものが、お腹の中にいっぱい広がってしまうんだ」
「……こわい」
「その通り。身体に悪いものがお腹の中に広がって悪さをするのが、腹膜炎なんだ」
「……(めもめも)……」
「ノート大丈夫?……よし!お腹の中には内臓がある。そしてその内臓は全て腹膜で覆われているんだ」
「<結界>みたいなかんじ?」
「ちょっと違うな。こないだ作った風船ってあっただろ?あれがお腹の中にあるような感じだ。胃や腸、そして虫垂はその風船の中に入っている。この風船の中は普段は無菌で……身体に悪いものがいないんだ」
「おなかに、ちゅうしゃしたらわれる?」
「空気で膨らんでるわけじゃないから大丈夫だよ」
「よかった!」
「ただお腹に注射はすげぇ痛いからな!……話を戻して、普段は身体に悪い細菌さんがいないところで、虫垂から飛びだした細菌さんが悪さをするとどうなると思う?」
「びょうきになっちゃう!」
「そう!その中でも特に風船の表面は細菌さんに弱くて、あっという間にひどい炎症を起こすんだ。これが腹膜炎。普段は細菌さんがいないのに、急に細菌さんに暴れられるから一気に危ない状態にまでなってしまうんだ」
「……(めもめも)……ふくまくえんはなおせる?」
「治せるよ。ただ虫垂炎の手術と比べて難しい手術になる。死んでしまう可能性も高い」
「せんせならなおせる!」
「そうだな……死んじゃったら嫌だもんな」
「うん!わたしもはやくなおせるようにがんばる!」
「おう!早く一人前の医者になってくれよ」