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世界に一人だけの医者  作者: 香坂 蓮
Karte 4 核病
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アダルジーザのお勉強 ①

どんどん元気になってもらいたいキャラクターです!

「ふむふむ……なんと興味深いことか!つまり核病と核の暴走とは全くの別の病だったのじゃな!?」


「アダルジーザ様、あまり興奮なさらないでください!シルベスト先生からしばらくは安静にしているように言われたではありませんか!?」


「わらわの身体は間違いなく健康じゃ!それはわらわが保証する。それにこのような新しい知識をお預けにされるほうが余程身体に悪い。あの“悪魔”が買い物から帰ってくるのが待ち遠しいぞ」


「アダルジーザ様、“悪魔”呼ばわりはあんまりです。先生は一生懸命頑張ってアダルジーザ様を治してくださったのですよ?」


「ほう……お主、ずいぶんとあの男が気に入ったようじゃのう?」


「なっ!?そういうことじゃありません!何をおっしゃっているんですか!?」


「ふふっ、冗談じゃ」


「っ!アダルジーザ様!いい加減になさってください!」


「つれないのぉ……。ところでビアンカよ!“悪魔”はわらわの腹を切り裂いたと言っておったがそれはいかなる魔法を使ったのじゃ?」


「いえ……それが魔法は使ってらっしゃいませんでした」


「なぬ!?まさか剣か槍のようなモノで腹を裂いたのか!?」


「いえ、確か“めす”なる食事用の小刀のようなものを使ってらっしゃいました。あとは何種類ものハサミも使っておられましたね」


「小刀にハサミじゃと!?おぬしも面白い冗談を言うものだ。そんなもので身体が切り裂けるはずあるまい?」


「いえ……それらの道具を使って見事に切開しておられましたよ?」


「本気か?よもやわらわを騙しているならば承知せんぞ?」


「本当ですよ!そうだ……ソフィアちゃんに持ってきてもらいましょう」


「む?ソフィアとは何者じゃ?」


「リュウ先生の助手の方ですよ」



「せっかく寝てたのにごめんなさいね」


「ううん。ちょっとまえにおきてたから」


「お主がソフィアか。このたびはよくやってくれた!礼を言うぞ」


「ソフィアはすこし、おてつだいしただけだから」


「そんなことありませんよ。まさにリュウ先生の右腕、といった感じでした」


「……ありがと」


「ほぅ……ソフィアは優秀なのじゃな。そんなソフィアにぜひ教えてほしいことがあるのじゃ」


「なぁに?」


「実はの……ここにいるビアンカが“しゅじゅつ”の際に小刀とハサミでわらわの腹を切った、と言うのじゃがそれは本当か?」


「うん!そうだよ!」


「なんと!?……信じられん」


「ちょっと……まってて」


……………………

…………

……


「もってきたよ!」


「おぉ……これはありがたい!しかしこんなにいろいろな種類があるのか!?」


「はい!」


「む……これは説明書きか?どれどれ……」


『メス』

手術用の小刀。主に皮膚の切開で使う。

他にも腹膜(お腹の中の内臓を覆っている膜)や骨膜(骨の外側を覆っている膜)を切る時に使う


『クーパー』

先が丸くて幅の広いハサミ。主に糸を切る時に使う。

ちなみに俺は腹膜を切る時なんかにも使います。


『メッツェン』

クーパーよりも先が細くて薄いハサミ。

主に体の中の細かい組織を切ったり、身体に引っ付いている膜を剥がす時にも使う。

使用頻度高し!


『メイヨー』

頑丈な組織を切る時に使うちょっといかついハサミ。どちらかというと使うことは少ないかな。


『はさみ』

これは普通のハサミ。お腹の下の方からお尻にかけて大便を作っている内臓(腸管という)みたいに清潔でないところを切る時に使う。骨切りの時もこれかな……。


「なかなかに覚えるのが大変じゃのう……これはなんじゃ?刃がついていないが?」


「それは“ぺあん”。はさみじゃないよ」


「ほう!ではこれは何に使うものなのじゃ?」


「きょうはもうおしまい!あんせいにしなきゃだめ」


「おぬしまでそんなイジワルを言うでない!わらわは元気じゃ」


「だ~め~で~す!ソフィアちゃんも疲れているんですから今日はこれでお終いです!」


「待て!嫌じゃ!明日など待てぬ!ソフィア~!待つのじゃ~」


「全くもうっ!<サイレント>」


「……!……!!」


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