ソフィアのお勉強 ③
「おじさん!あそびにきたよ?」
「おぉ!ソフィアじゃないか!よく来たな~」
「なにつくってたの?」
「ん?今は無影灯を改良出来ないか試してたんだよ」
「しゅじゅつしつのあかり?」
「そうそう!前に作ってやった時に、もう少し光が強い方がいい、なんて言ってやがったからな」
「てもとがくらいと、みにくいから」
「手術ってのはなかなか細かい作業をするらしいからな。まぁなんにせよ俺は腹切り裂かれるのはゴメンだな」
「……むぅ」
「ごめんごめん!別にあいつのことを悪く言ってるわけじゃねぇんだ。ただ俺が怖がりなだけだよ」
「せんせはこわくないよ?」
「分かってるよ。まぁ細かいことは気にするな」
「わかった……」
「それよりこの灯りを見てくれよ!?……どうだ?明るいだろう!」
「うん!すごいね!」
「あいつが火竜の鱗を持って来たのみて思いついたんだ。上手いこと形を整えてやればかなり明るい光源になる」
「でも……すごくあついね?」
「そうなんだ……。無影灯ってのは熱いといけないらしいからな。そこは改良してやらにゃいかん。あと灯りをつける際に常に魔力を注ぎ込んでやらないとダメってのも問題だな」
「たいへんだね……。いつもありがとう」
「いいってことよ!それに俺もあいつのことを気に入ってるからな」
「……(にこっ)……」
「相変わらずソフィアはかわいいなぁ……。おっと、そういやリュウに伝えといて欲しいことがあったんだ!例の電メスが出来たから一度見に来いって言っといてくれ」
「もうできたの!?すごいね!」
「俺にかかればあの程度の道具なんかすぐ出来る!まぁ最後の研磨はなかなかに難しかったがな」
「なにがむずかしいの?」
「火竜の鱗は薄く削ると割れやすいんだ。だから普通に魔法で削るとすぐに割れちまう。ある程度までは魔法で削ってやって、そこからは手作業で削りながら魔法で強度を補強してやらないといけないんだ」
「……(めもめも)……」
「おっ!相変わらずの勉強家だな?どうせならうちで修行してみるか?」
「ソフィアは“いしゃ”になるからしゅぎょうはだめなの」
「“いしゃ”?なんだそれは?」
「せんせはじぶんのこと“いしゃ”だっていってた」
「ふーむ……よく分からんがまぁあいつなら安心だろ。頑張ってその“いしゃ”とやらになるんだぞ?」
「うん!ただ“いしゃ”のおしごとはたいへんなの」
「まぁ、あいつもいろいろ悩んでるみたいだからなぁ……」
「うん……。それにスライムのねんえきをのまないといけないから」
「はっ?粘液!?」
「うん……こないだのんでたよ」
「あいつ……大丈夫なのか……?」
ちなみに無影灯は
・光源を複数個持ち、手元に影を作らないようにする
・自然光に近い明かりである
・熱をもたない
などの条件が必要となります。
まだまだ改良の余地はありそうですね。